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松尾スズキ著 『もう、「はい」としか言えない』(文藝春秋)

浮気がバレたが罪を問われず、約束させられる。
「妻と毎日セックスをすること。丁寧に。」

これはもう、セックスという名の罰なのだ。
その罰から数日でも逃れるために向かったパリで、
通訳として現れた男の、
行きの飛行機で具合が悪くなってしまうという繊細さ。

繊細であることと、素直さ、美しいことは
何か空気清浄機のような安らぎを
読んでるこちら側にも与えてくれる。
パリにも危険な地域があり、貧困があり、
危うい目にも遭うが

もっと複雑な嗜好の
「世界を代表する5人の自由人のための賞」の授賞式で
口をあんぐりと開けてしまうようなできごとに遭う。

松尾スズキさんの求める世界観に清涼さが加わったと感じた一作。
邪悪さに出会った時も人は戦慄し震えるが
人の清涼さに出会った時も、何か
言いようのない、素朴な感動を手にすると感じました。

良書です。


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