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『空SORA』

1.「勇気の花」
良く言えば原点回帰だけど、本人がイメージする「リスナーが求めている長渕剛」を長渕が演じたような作為的なLP
ただそれは、過渡期から脱け出すのに必要な初期化のような作業だったんだろうな
冒頭のアコギのイントロから、音がクリアでダイナミックで乾いてる
ウエストコースト長渕


2.「すっからぴんのからっけつ」
LA録音、豪華外人バンドの為か、いかにも長渕っぽい演歌フォークが洗練されたグルーヴになってる
曲名は単に語感と言葉遊びで意味はない


3.「コオロギの唄」
LPの核
長渕のお母さんが亡くなった時の鮮烈な描写と自身の心象スケッチ
でっかい背中の父親が泣き崩れ妻の亡き骸に口づけをするシーンは、長渕にしか描けない圧倒的なリアルさ
最愛の人の死を悲観するだけではなく自身の成長に繋げ、命の力強さを歌う


4.「空SORA」
まるで長渕ファンが、いかにも長渕っぽい歌を書くというお題で書いた歌のような、ザ・ナガブチっぷり


5.「くしゃみじゃなくてよかったよ」
吉田拓郎の「高円寺」の影響っぽい曲(パクリではなく)


6.「涙色の流れ星」
アコギの音が綺麗
メロディも綺麗


7.「10年前の帽子」
今は死んでるまん丸メガネの男→ジョンレノン
今は手に入らない男のツギハギの革の帽子→ジョンが愛用していたキャスケット
つまりどれだけ偉大なアーティストでも、死んでしまった今は思い出でしかない


8.「ごめん」
「僕は富に溺れ大切な物を見失ってしまった」
唐突なリアルなド本音で曲が引き締まる
こういう作詞テクは長渕は達者


9.「パラシュート」
女目線女言葉、メロウな巡恋歌
無職の虚無系底辺女子が、タイプの男に出会った瞬間に突如覚醒し「私もう悩まなくていいわ」と悟る


10.「唄を忘れたカナリア」
唄を忘れたカナリアとは、煮詰まっていた頃の自身のこと
俺は俺らしく歌えば良いんだよとふっきれる様が清々しい


11.「少年よ、君は強くなる」
ご子息に捧げた歌
親馬鹿長渕

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