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『JAPAN』

1.「JAPAN」
日本の現状と行く末を憂う歌
LP全体的にメロディとバンドサウンド重視で、歌詞は抽象寄りの散文詩(と言えば聞こえは良いけど単語やフレーズの雑なツギハギ)


2.「俺の太陽」
「女の前で三つ指をつき舌の先を転がす」→クンニ
「縮み上がった老婆が金切り声で泣く」→病床で苦しむ母親
ドキッとするインパクトのあるフレーズを唐突に(脈略なく)挿入し歌を引き締める作詞テク


3.「しゃぼん玉」
ドラマ主題歌
とんぼ風なメロディに、長渕が口にして気持ち良いフレーズの適当なツギハギを乗せただけ
一番売れたシングルなのにライブであまり演らないのは、本人も気に入ってないからだと思う


4.「炎」
前LP収録「海」に似てるセックスソング
曲名の炎は歌詞にあるキャンドルの炎のことで、剛がSMプレイに使うロウソクを連想させる



5.「I LOVE YOU」
得意の尻軽ビッチを揶揄する設定
やっぱ長渕は散文詩的なものより、こういう具象化された歌詞の方がすんなり入ってきて良いよなと、しみじみと思わせる


6.「何ボの者じゃい!」
この世の物とは思えぬ手抜き曲
でもアメリカ人豪華バンドの演奏だと適当に作った曲でもそれなりに映えることが念頭にあったはずで、その辺は割り切って曲を採用するのもプロフェッショナルなのかも


7.「親知らず」
前LP収録「お家へ帰ろう」の焼き直し
政治家の名前を羅列する箇所を、その時の現役の政治家の名前に差し替え、ライブで盛り上げる


8.「BAY BRIDGE」
ロイビタンのピアノが堪能出来る
やはりこれもサウンドとメロディ重視で歌詞のクオリティは酷い
BGM的なLPを作ろうとしたんだろうからそんなもんかも



9.「気張いやんせ」
俺たち社会不適合者もやるときゃやるぞと鹿児島弁で歌う土着応援歌
日本の軍歌のような曲をアメリカ人豪華バンドに演奏させてるのも痛快


10.「シリアス」
間奏のロイビタンのピアノが良い


11.「東京青春朝焼物語」
神田川みたいな四畳半フォーク


12.「MOTHER」
病床に伏す母への想いを綴った歌で、LP内で唯一真剣に歌詞を書いた
深刻な母の容態に焦立ちながら自宅の屋上へ駆け上り、人間とはしゃぼん玉のように不安定で儚いものだと、煙突の向こうの空を眺め想いを馳せる描写がしんみり美しい
理論や技術ではなく、自身の奥底から湧いてきた言葉で書いた歌だからリスナーの心を打つんだと思う


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