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『JEEP』

1.「女よ、GOMEN」
LPを通して聴くとアウトローの男の生き様の一冊のストーリーになっており、
その冒頭は女好きのろくでなしから女性への贖罪の歌
長渕のストーリーテラーとしての腕前が、これでもかと発揮されてるLP


2.「流れもの」
うらぶれた男の刹那的な日常を描いている
ストーリー性のある歌詞をキャッチーなメロディを乗せ、リスナーを曲の世界に引き込むのが巧みで、LP頭から終わりまでのめりこんで一気に聴ける


3.「友達がいなくなっちゃった」
長渕レゲエ
学生時代の旧友が社会にもまれて変わってしまい残念という内容
どこか少年のままのような長渕は、人間の成熟過程の変化にはやたらと敏感でそれを題材にした歌も多い



4.「電信柱にひっかけた夢」
夢を諦めて東京から田舎へ帰ることになったけど、未練タラタラ不貞腐れる友達を切なく不憫に思う男の友情(「夢破れて」と同じ題材)
他の曲もだけど、このLPは歌唱法が独特



5.「海」
ホテルの23階でセックスする歌
ギタリスト矢島賢にギターソロを弾かせるために作った曲とのこと


6.「カラス」
得意な人間を動物や虫に喩えるシリーズであり、歌詞が前LP収録「とんぼ」の世界観と地続きになっている
エレキギター弾き語りで歌う底辺男のブルース
一心不乱は長渕のお気に入り四字熟語
あいみょんのフェイバリットソングらしい



7.「お家へ帰ろう」
冒頭「ささくれだった薄汚え古畳の上割腹自殺する夢を見た」の言葉のグルーヴ
初披露時のテレビ歌番組生放送で、ボディコン女のアソコを舐めまくる包茎どもと歌い、お茶の間の家族団欒をぶち壊した
長渕の美点が詰まった傑作


8.「しょっぱい三日月の夜」
純粋性と不純性、勇気と臆病を兼ね合わせ、その相対性の中をさまよう男の葛藤
これは長渕剛自身のことでもある
完成度が高い曲なのに、ライブでは滅多に演奏されない


9.「浦安の黒ちゃん」
男二人で目的もなく旅に出る淡々としたロードムービー
日本人のビートニクス
名曲



10.「西新宿の親父の唄」
本年2022年長渕も西新宿の親父と同じ66歳
山本耀司のフェイバリットソングらしい
長渕ファン以外からも人気の高い曲



11.「JEEP」
ロックに憧れたフォークの長渕が、自分流のフォークをやることこそがロックなんだと気がついた
ありそうでなかったモダンなフォーク
サビで盛り上がるような派手な曲ではないのに、シングルカットしたのは自信作だったからはず



12.「Myself」
長渕剛の「平易で届きやすい言葉を使いながらも陳腐にはならないギリギリを攻める」という挑戦

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