ママのおまじない(no.91〜no.95)

この「ママのおまじない」は、心臓病の子どものための保育教室『そらとぶペンギン』に通っていた生徒が小学生となり、そのお母さんが2004年から2007年まで、『そらとぶペンギン』のサイトに掲載していたものです。

91.朝のユウウツ

朝、6時30分・・・私はとてもユウウツになる。
家族を起こす時間。
夫とおにいちゃんは、もちろん、問題なしなのだが、ゆきが・・・
毎朝、いろんなところが痛くなったり、かゆくなったりして、
なかなか布団から出られない。

今朝は、おなかが痛いとの訴え。
こんなとき、上から見下ろして「早くしなさい!」と言っても逆効果なのは、もう十分わかってはいるが、なかなか難しいのだ。

時間とのたたかいの中、ゆきの話しをやさしく聞いて、どうしたらいいか・・・なんてこと私には到底、無理なのである。
でも、一応、添い寝をして(寝ながらもかなり焦っている・・・)
おなかをさすって、「冷えたかね~」などなるべく、こわくない口調(笑)で言い、ひたすら続けること15分間。
ゆきは、気持ちよさそうにまた眠ってしまういそうな気配。
(お~い!寝てる場合でないぞ!)
「ママは、そろそろごはん食べてこようかな?」とまたこわくない口調で言う。
「ゆきも食べる!」と起きてきたのだ。

ハハハ~!作戦成功!
母は、本当に具合が悪いのか、そうでないのかは一目でわかるのじゃ!
でも、毎朝、こんなことできそうにもないな~

92.もう~、トホホの日々…

この10日間、いろんなことがありすぎて、
なかなか書けなくて、ごめんなさい。

まず、10日前、学校から帰ってきたゆきは、
おやつを食べながら「ママ~、胸がドキドキする」と言い出した。
私はあわてて、聴診器で心拍を数えると、すでに170くらいある。
わぁ~まずい!
前回と同じだぁ~!
すぐに主治医に電話して、入院の準備をして救急へ。
点滴したら、すぐに頻脈はおさまったが、念のため、2泊して退院。

翌日、ゆきのリクエストで近所のファミレスへ。
お腹いっぱい食べたあと、自転車の後ろに乗せて帰ろうとしたそのとき、ゆきの左足が、タイヤに巻き込まれてしまった。
家に帰ってよく見ると、かなり腫れている。
またまた、まずい!
また近所の大学病院の救急に。
どうも、かかとの軟骨がかなり傷んでいるようで、しばらく歩行禁止。
添え木をして、包帯グルグル。。。

翌日、風邪なのかゆきは発熱。
一日で熱は下がり、次の日から、私が抱っこして学校に連れていくことに。
終日、ほとんど付き添いで。
教室の隅に私の席もつくってもらった。(笑)

やっと週末。
またまた風邪をぶりかえし、ゆきは38度の熱。
風邪と疲れとストレスだよね。
もうトホホ・・・です。
こんなときもある。
そんなときもある。
ガンバルゾ!と思いつつも、私もストレスからか、じんましん発生!
まったく~いつまで続くの~?

93.付き添いの日々

ゆきが足を骨折して、早3週間が経った。
痛みもなくなり、ようやく足をついてゆっくり歩けるようになってきた。
この3週間、学校の行き帰りはもちろん、20分休み、お昼休み、
教室移動のときは、私が学校に出向いた。

教室内のことは、先生がやってくださるのだが、
先生も忙しいのは、十分わかっているので無理なお願いもできなかった。

でも、一日、学校まで3、4往復する毎日に疲れながらも、
不思議な感覚になってきた。
学校って、意外と敷居が低いのだ。
先生ともいろんな話しもできるようになった。
そしてなにより、クラスのどの子もかわいくてたまらなくなってきた。
毎日、いろんな子がいろんな事件をおこしてくれる。(笑)
そして、先生とみんなでそのことを真剣に話し合う。
自分の2年生のときを、少し思い出したりもする。

付き添いは、なかなか大変だけど、得たものも多い日々だ。
でも・・・
ゆきは、女王さま気取りですっかりわがままになってしまったが。。。

94.新しい年

ずっと、「ママのおまじない」をお休みしてしまった。
ごめんなさい!

夏から本当にいろいろあって、ゆっくりパソコンに向かう時間がとれなくて、そして何より、物事をゆっくり考えたり、整理する余裕がまったくなかった。

ゆきが、夏に頻脈をおこしてから、何度、頻脈がおこったことだろう。
あるときは、学校から帰ってきてから、またあるときは、朝、学校の門をくぐった途端におきたこともあった。

家にいるときは、聴診器で心拍を確認して(140~180くらいある)しばらく休ませ、水分を摂らせ、以前、病院の先生に教えていただいた
「氷をおでこに当てたり」
「息を止めたり」
「指を口に突っ込み吐き気をよんだり・・」
どれも途中で苦しくなり、限界までできなく、最後はゆき自身が
「ママ~病院に行った方が早いよ~」という始末。
そして、結局は、救急外来でお薬で止めてもらうことになるのだ。

今は、新しい薬が始まり、なんとか落ち着いているが、クリスマスの日も、ウィルス性胃腸炎になり、脱水がきっかけになってまた頻脈になった。
なにがきっかけになるかわからない。
正直、怖くて仕方がない。

でも、この何度もあった不整脈騒動?で学んだことがいくつかあった。

1.・あわてない。

2.・ゆっくり様子を見て、病院の先生に説明できるように頭の中ではじまった時間、心拍数など復唱する。(不思議とその間に私自身、かなり落ち着いてくる)

3・不整脈(ゆきの場合)のときは、吐き気があるときもあるので、車に中では、ビニール袋、タオル必需品。

4・わからないこと、疑問に思うことは、どんどん聞くべし。
救急外来だと主治医以外の先生と話せるチャンスなので、セカンドオピニオン的な気持ちで質問をしてみる。(医師によって言葉の表現方法など違うので、どきっとすることもあるけど)

5・治まったら、あまり引きずらず、フツウにいつも通りに過ごす。
また始まったら、病院に行けばいい・・・くらいの気持ちで。(先輩ママさんからのアドバイス)

まだまだ落ち着かない日々だけど、2006年が始まった。
新しい年ってなんだかいい!
また新たな気持ちで向き合える気がする。
今年もこんな親子ですが、どうかよろしく!

95.年賀状

今年もいただいた年賀状をもらって、ニタニタ・・・
ひとり笑みを浮かべる私。

というのも、ゆきと同じ病気のお友だちからの年賀状。
お姉ちゃんとスケートをやっている山形のМくん。
妹さんと誕生日ケーキの前でニッコリしている神奈川のSちゃん。
生まれたばかりの妹さんを抱っこしている大阪のYくん。

同じ病名がついていても、ひとりひとり状況は違う。
体調も違う、まわりの環境も違う。
でも、生まれてからいろいろな経験をして、がんばっている仲間たち。
またその笑顔の子どもを見守っているお父さん、お母さん、きょうだいたち。

今年もみんなみんな楽しく、笑って過ごせますように。。。

また来年もみんなの笑顔に会えますように。。。

さて、来週から新学期。
なんだか緊張するな~

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