ママのおまじない(no.11〜no.15)

この「ママのおまじない」は、心臓病の子どものための保育教室『そらとぶペンギン』に通っていた生徒が小学生となり、そのお母さんが2004年から2007年まで、『そらとぶペンギン』のサイトに掲載していたものです。

11.サマーキャンプ②

いまでも、初参加のときのことはよく覚えている。
親とは別の部屋で、保母さんやボランティアさんと楽しく遊んでいるおにいちゃん。
そしていつも私に抱っこされていたゆき。

他のお母さん方が、「私もこどもがゆきちゃんくらいの時は、いつも抱っこだったわ。」「今、大変だと思うけど、あなたも無理しないでね。」と声をかけてくれるのが、とてもうれしかった。

食事の時には、「ゆきちゃんをだっこしているから、お母さん、たまにはゆっくり 食事して」と言ってくださった保母さん。
久しぶりに笑って、おしゃべりしながらゆっくり食事をした気がする。
夫もお父さん方とビールをのみながら、楽しそうに話している。
なによりおにいちゃんが最高にいい顔をしている。

いつもなにかと我慢しているきょうだい。
自分が頑張らなければと常に思っている父、母。
ここはみんなのためのキャンプ。。。なのだ。

12.サマーキャンプ ③

さあ!いよいよ今年のキャンプのはじまりだ。
数日前から子ども達の「キャンプまであと○日!」というカウントダウンが始まっていた。
今年は、夫も「流しそうめん」の担当になり、はりきっている。
町内会で流しそうめんの竹をお借りすることができ、毎日、それに必要な道具集めに余念がない。

集合場所に着いた瞬間から、家族は別行動。
おにいちゃんは、すでに仲良くなった友達と。
ゆきは、保母の先生やボランティアのお姉さんと行動している。
ここでは、私が入っていけない子どもの世界があるのだ。

ロッヂに到着して、疲れているのでは?と心配になり、ゆきの部屋をのぞいたら なんと同室のお友達と布団をしき、その上におしいれから飛び降りて遊んでいる。
自分なりに休憩しながらコントロールしているようだ。
ボランティアの方は「やらせて大丈夫でしょうか?」と心配してくださっていたが、こんなキラキラした笑顔の彼女を止められない。

あのずっと抱っこだったゆきが。。。としみじみ思った瞬間だった。

13.サマーキャンプ④

2日目は、ロッヂの庭でお父さん、お母さんによるおまつり風の楽しい企画がいっぱい。
体力のないゆきにとっては、ありがたかった。
子ども達は、ボランティアの方と行動して、父、母はひたすらゲームやカレー作り、などの準備。
同じ空間にいてもみんな別行動。
不思議な感じ。

私はゲームの担当になり、文化祭のノリで楽しくやらせてもらっている間、 ゆきは、お姉さんや 他のお母さんとビーズでアクセサリー作り。
ちょっと様子を見に行くと、「ママ、あっちいってていいよ。」とのこと。
ここでは私は、いらないらしい。(笑)
おにいちゃんは、ひたすらゲームと駄菓子だ。

夫は、流しそうめんにつきっきりだ。
家族で行っても、それぞれ役目というか居場所が違って、 でもそれがとても心地よくて、まるでキャンプ全体が大きな家族のような気がした。

14.サマーキャンプ⑤

2日目の夜は、キャンプファイヤー。
炎を見ながら、輪になって歌をうたう。
その歌の中で、とても印象に残ったうたがある。

「あの青い空のように」 ♪
かなしみ わすれない・・・
くるしみ のりこえよう・・・
あかるさ いつまでも・・・
小さなぼくたちだけど、あの青い空のように
すみきった心になるように♪

きっとこれからもいろんなことがあるだろう。
もしかしたら、うれしいことよりつらいことが多いかもしれない。
泣くこともあると思う。
でもまた来年も、この火を見たいと心から思った。

本当に、今年もこのキャンプに参加できてよかった。
たくさんの方々のおかげで、家族それぞれ、力をもらったキャンプだった。
みんな、また来年、元気で会おうね!

15.おばちゃんの言葉

キャンプから帰って、ゆきの体調もいいようなので、私の実家に子どもを連れて行ってきた。
実家は、「フーテンの寅さん」で有名な柴又の近く。
ちゃきちゃき♪の下町。

久しぶりに、のんびりした気分に浸れた。
母に子ども達を見てもらっている間、自転車で近所を走ってみた。
「この曲がり角で、よく友達と立ち話したな~」
「神社でおもちつきしたな・・・」など気がつくと、ひとりごとを言っていた。

そうしていると、幼なじみ友達のおかあさんに会った。
少し、立ち話しをしていると、
別れ際に、「あんまりがんばりすぎるんじゃないよ。」と声をかけてくれた。
私が幼稚園のころから知っていて、ゆきのことも心配してくれているおばちゃん。
「は~い!」と言いながら、涙がこぼれた。

「がんばりすぎるんじゃないよ」・・・なんて優しい、あったかい言葉なんだろう。


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