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「人材紹介ビジネス」の価値の行方

3月1日に新サービスをリリースするのですが、それに至った背景や考え方を一度まとめておこうと思い、今回このnoteを作りました。おそらく3投稿くらいで完結する内容なので、宜しければご覧ください。
ということで、早速。

まず、最初に今日の投稿の結論です
・人材紹介会社の提供するvalueが変化してきている
・企業の採用手法が多様化している
・人材紹介会社も採用企業もそれぞれ価値や活動を考え直す時期ではないか

これが今日の投稿の結論です。

人材紹介会社の提供するvalueは対象が採用企業と転職希望者の2種類がありますが、今回の投稿では、両方書くとあまりに長くなるので、ひとまず採用企業側に論点を絞って書き進めます。

それでは以下、上記結論に至った背景です。


人材紹介の手数料が高いと思う


ここで言う「高い」っていうのはvalue(提供価値)とprice(対価)のバランスの話であり、単純に人材紹介の手数料が全部高いって言っている訳ではないです。逆に安いなって思えることもあります。ですが、ここ数年、ほとんどのケースでvalue<priceな状況になってきているのでは?と思っています。

手数料を知らない人向けにちょっとだけ説明すると、人材紹介は日本だと一般的に理論年収×30%、つまり年収500万円だと150万円の手数料をもらうビジネスです。もう少し具体的に言うと首都圏・30歳くらい・marchクラスくらいの人の転職を1名手伝うともらえるのが150万円ってことになります。

つまり「若手の営業が3名欲しい」っていうニーズを満たせれば450万円がもらえるのです。3名採用で450万円ですよ。すごいですよね。
ちなみに人材紹介会社は日本国内に2万社以上あり、その90%以上が従業員数10人以下らしいです。なんか数字だけ見ると色々考えてしまいます。別に良い悪い話じゃなくて、あくまで現状はこうだっていう話でした。


人材紹介会社のvalue(提供価値)の変化


これ結構重要なポイントなのですが、提供価値って時代と共に変わってきた気がするのです。僕が昔、リクルートエイブリック(現リクルートキャリア)に入社した17年前にマネージャーに「通常では振り向かない人を振り向かせる」ことがエージェントのvalueだって教わりました。人事では接点が持てないような素敵な候補者を見つけ、口説き、応募に繋げ、入社して、活躍してもらう。一言で言うとvalueはこんな感じになるんだと思います。
その人材紹介会社のvalueが昔と今とで変わってきました。変化のポイントを3つ挙げるとこんな感じです。

1. 情報の非対称性がもたらす価値
たくさんの転職希望者と接点を持っているのが人材紹介会社の価値だったと思うのですが、昨今では転職データベース、例えばリクナビNEXTやビズリーチなどのプラットフォーマーの出現によってこの価値は減ってきています。
2. 代理人としての価値
大きく代理内容を分けると代行と交渉の2つ価値に分かれます。代行ニーズはあり続けると思いますが、人が解決する問題なのかどうかが今後のポイントに。交渉ニーズはITやAIに置き換えにくいので、おそらくまだしばらく残るだろうと思います。ただこの代理人サービスは差別化がかなり難しいです。
3. コンサルティング的な価値
解決する課題の種類は経営課題、組織課題、採用課題とざっくり大きく3つあります。採用課題に対するアプローチは各人材紹介会社が色々やっているのですが、前2つに対しては一部の会社しか能力的に出来ないのが現状です。なので今後の差別化はここが一番ですね。

競争という観点でまとめると下の表みたいになります。

ということで、一旦まとめます。

昔⇔今で上記3つのポイントは、1はもう価値がない、2は価値はあるけど差別化が難しい、3は価値は今も未来もきっとあるって感じになります。人材紹介会社はこれからどうやって各社差別化していくんでしょうね。
本当はもっと詳しく書きたいのですが、とてつもなく長くなるので一旦ここまで。


採用手法の多様化とタスクに追われる採用担当者


今度は採用を行う企業側の話です。
これもものすごく長くなるので、要点だけつまみます。

まず採用手法についてはIT化と言うか、digitalizationが進み、諸々変化しました。昔だと採用経路で最も多かったのが縁故です。これに転職情報誌や人材紹介が加わり、そこから先は転職メディア・SNSを使った採用・ダイレクトリクルーティング・リファラル採用などと次々と手法が開発され、足され、もう人事の方は大変!っていう状態になっています。

図で書くと雰囲気こんな感じです。

これらを追いかけている採用担当の人はもう業務に忙殺されまくりな訳です。特に採用ブランドが確立していない中小企業の採用担当者は色々試行錯誤しなきゃいけないので、本当に大変です。そして人手がもちろん足りないのに、今度は globalizationの波も来ちゃっているので、海外での採用もやらなきゃってなるので。。。
終身雇用、年功序列時代の人事と現在、そして globalizationが進んだ未来とでは根本からあり方を変えていかなければいけないのです。

余談ですが、早稲田のビジネススクールでの恩師である平野先生がdigitalizationやglobalizationについて語ったTEDがめっちゃ良いので良かったらどうぞ → https://youtu.be/jTHGqmznr68


世の中が変化しているんだから、
当然、僕らも変化(進化)しなきゃ


あたり前と言えば、ほんとそれまでの話なんですが、昔と今とでは外部環境はもちろん、競争環境も全然違う訳です。これまでに書いた話をまとめると、、、

●人材紹介会社
情報の非対称性が価値の源泉だったようなビジネスが非対称性が無くなってきた。なので、他の部分で価値を持たないと競合はもちろんのこと、いずれ代替プレーヤーに淘汰される可能性がある(と考えています)。
●採用担当者
手段がリファラルやらダイレクトリクルーティングやらと年々多様化する中で「採用成功」に最高、最適、最速な手段を探して、比べて、試して、選ぶのは極めて困難(だけどやらなきゃ)。
それに加えて、日本においては人口減という環境悪化も手伝い、過去最高レベルでの採用が困難な時代に突入している。つまりこれまで通りやっていては採用が難しい、あるいはできない。

じゃあ無理じゃん。みたいな話をしたい訳じゃなくて、人材紹介会社は何に価値を持ち、代替品の脅威にどう打ち勝つのかをもっと真剣に考えるべきだと思うのです。僕も経営者として考えるべき人です。これまで通りの活動をやっていては生き残っていけない危機感が日に日に増しているのです。

採用担当者の方も、「経営戦略の実現」には採用はかかせないはず。その採用がこれまで通りにいかない時代にもうすでに入っているのだから、変わらなきゃ。そんな危機感が「戦略人事」って言葉を流行らすきっかけになったはず。だけど何やったらいいんでしょうね。


ということで、次回は人材紹介会社がこうあるべきっていう話ではなく、
僕らが考える「採用力」って何だっていう話をしたいと思います。


※note初心者につき、書き方がへたくそで見づらかったらごめんなさい。日々進化していきたいと思います。

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