うそんこ地学事典 1. ちゅうおうこうぞうせん

中央高校の造船クラブの略称は、中央高造船(ちゅうおうこう・ぞうせん)である。このクラブは、長年2つのグループが対立していることで有名だ。1つは、クラブのOBである領家くんを祖とする「領家隊」、もう一つが同じくクラブのOBである三波川くんを祖とする「三波川隊」である。領家隊は、熱血漢の集まりで、どんな船を造るかについて、いつも熱い議論をしている。一方の三波川隊は、少し冷めていて、船の設計にあたって、冷静な議論を進めている。両者が対立する原因は、領家隊のメンバーを見下す、三波川隊の高圧的な態度だ。両者の考え方には決定的な違い(断層)があり、決して同じ方向を向こうとしない。両者は、別々に船を造り、同じ港で同時に進水式を行ったのに、二つの船は隣り合った埠頭から左右別々の方向へ進んでいった。長年に渡り、意見のすれ違いをつづけていた中央高校造船クラブ(ちゅうおうこう・ぞうせん)であったが、ドイツ人のナウマン氏が、「もうこのような対立は止めなさい。若い君たちは、和解した方がいい!」そう言って、仲を取り持ったことで、仲違いの歴史は終止符を打つことになった。二つのグループが対立していた埠頭には、まっすぐな線が引かれ、新たに中央構造線とナウマン氏に命名されることになった。