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桜の下には☓☓が埋まってる

 青梅街道沿いの桜が満開に咲いている。そのファンタスティックな風景は私の脳髄を直撃した。毎年同じように咲く桜はない。桜の木の下には一体何が埋まっているのだろう。こんなに綺麗なものを咲かすなら、どんなに穢いものが埋まってうごめいていようが構わないと思った。

 公園近くのコンビニは花見客を警戒していて、いつもは貸し出しているトイレを閉鎖している。お弁当屋さんの店内は弁当を注文している花見客で溢れ殺気だっている。空気が濁っている。イライラしている人間が多く詰められている店内に入り、ひどく消耗してしまった。逃げるようにして近くのセブンイレブンに向かうと、ここも満員だ。コーヒーを買うだけなのに何十人も並んでいる列に並んだ。

 チャリに乗って公園から遠く離れたサミットストアに向かった。ここは大丈夫だ。まだ、花見客の魔の手が伸びていない。私はようやく、安心して買い物カゴに手を伸ばした。

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