ひきでもの

 友人の結婚式に行ってきた。白い大きな袋には、引き出物がたくさん入っていた。ドライスープ、高級チョコレート、欲しい商品を自分で選べるギフトカタログ。

帰りの電車でカタログをペラペラ見ていると、電化製品のページがあった。
一人暮らし向けのシンプルなデザインの炬燵があった。私は炬燵を注文する気だったが、次のページをめくり指が止まった。

緑黄色野菜の特集が組まれていた。
最近野菜が高騰し、とても買える値段ではなかった。白菜一つ一万円、大根は二万八千円。長葱は三万もする。
肉や鮑、伊勢海老よりも高い。
私が前に白菜を食べたのは一年も前だ。
正月実家に帰省した際に家族みんなで鍋を囲み、白菜のシャキシャキした食感を楽しんだ。

野菜の高騰に伴い、野菜泥棒が続出した。奪い合いで負傷者も出た。

暴漢を恐れた近所の八百屋さんではガードマンが常駐している。緑黄色野菜の市場価値は今やメロンよりも高い。

私は炬燵を諦め、白菜を注文した。

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