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住宅ローンは繰上げ返済したほうが良い?

みなさん、こんにちは。
確定申告シーズンが終わりましたね。
みなさま、無事に申告は終えられましたか?

もし、まだ申告をしていない、間に合わなかったという方々のうち、
所得税を取り戻す、還付申告をする場合には、
期限後の申告でも問題ありませんので、諦めずに必ず申告してください。
(5年間は猶予があります。)

さて、今回は、住宅ローンについて考えてみたいと思います。
マイホームをお持ちの方の大半がローンを組んで購入されていると思います。
いよいよマイナス金利が解除され、金利が上がるのでは?という懸念もある中、住宅ローンの返済をどのように進めていけばよいか考えてまいります。

金利があがると聞くと、
余裕があるうちに、繰り上げ返済をしてローン残高を減らしておかなければ。と考えたり、変動金利でローンを組んだ方は、固定金利へ借換えをしなければ損してしまうのではないか。と考えるかもしれません。
ただ、このような対策を取るべきかどうかは、ご自身の現在の状況を把握した上で、適切に判断する必要があります。

住宅ローンで自宅を購入した方の大半が、
所得税の住宅ローン控除の適用を受けていると思います。
この制度は、十数年間の間(自宅購入の年によって異なります)、毎年マイホーム所有者、つまり住宅ローン負担者が有する年末のローン残高に一定の控除率(こちらも自宅購入の年によって異なります)を乗じて算出した控除額をその人の所得税から直接控除できる制度になります。

仮に1%の金利で住宅ローンを組んだ方の年末ローン残高が3,000万円で、
住宅ローン控除の控除率が1%だったとすると、年間で30万円の所得税の還付を受けることができます。

もし、住宅ローン控除の期間中に繰り上げ返済を行うと、年末ローン残高は下がりますので、住宅ローン控除額も減ることになります。
また、上記の例の場合には、1%の金利に対して、1%の住宅ローン控除を受けることができるので、実質その年の金利負担はゼロとなります。
そう考えると、住宅ローン控除の期間中に、安易に繰り上げ返済を行うのはあまり得策とは言えません。

マイナス金利が解除され、金利が上昇し、住宅ローンの変動金利が上昇したとしても、当面はこの考え方で問題ないのではないかと考えます。
以下に各年の住宅ローン控除率を記載いたしますが、
令和4年以前の居住については、どの年も1%以上の控除率となっております。

一方で変動金利での金融機関の貸出金利は、多くの金融機関が1%を切る水準となっており、いわゆる逆ザヤの状態となっておりますので、(住宅ローン控除で金利以上の還付を受けられる状態)
仮に金利が上昇したとしても当面は損をすることはないと思います。

また金利1%の住宅ローンの繰り上げ返済をすることは、
実質的には1%の資産運用をしているのと同等であると考えることができますが、当然手元資金を減らすことになります。
ただ、もし繰り上げ返済せずに、その資金をNISAなどを活用し投資したとしたらどうでしょうか。年間1%以上で運用することも十分可能だと思います。
であれば、あえて繰り上げ返済して、手元資金を減らすよりも、ずっと有効な手段であると考えます。

以上のことから、
マイナス金利が解除されたからといって、慌てて繰り上げ返済等をするのではなく、ご自身の融資条件等とよく照らし合わせた上で、適切な判断をする必要があります。

本投稿が、少しでもみなさまのお役に立てば幸いです。
今回もありがとうございました。

国税庁:年末調整の手引きより

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