無器用な僕らにできること【392】

世の中にはこんな人もいるのではないか。自分は不器用だからと自分に自信を持てなかったり、劣等感を抱いてしまったりとものごとをネガティブに考えてしまう人。

僕もその1人である。軟式野球部歴3年にもかかわらず、ボールはちゃんと投げられないし、練習試合で打ったボールがフェアゾーンに飛んだことなんて、9回しかない。別に成績が優秀なわけでもないし、今体育の授業で卓球の総当たり戦をやっているけれど、今のところ0勝24敗だ。

将来だって不安だ。引退まであと、2年だけれど、ちゃんと野球がうまくなれるのだろうかと。2年もあれば余裕な気もするけど、この3年間でほとんど成長がないんだから、やはり不安になってしまう。

でも、逆にそんな僕らが得意とすることがある。

人に何かを教えるときには、あるハプニングが起こることがある。それは、教える人がつまずかないと思っていたポイントで、教わる人がてこずってしまうというものだ。

例えば、こんなことがあるとする。Aさんは比較的器用で、Bさんに野球のボールの投げ方を教えている。Aさんは「投げるときはまず、右手(右利きの場合は)を上にあげるんだよ。」と言ってBさんにやってみせた。しかし、Bさんはそれができなかった。すると、Aさんは困ってしまった。Aさんはまさか、はじめの肘をあげる段階でBさんがてこずってしまうとは思わなかったのだ。

しかし、今はちゃんとボールを投げれるけれど、肘を上にあげることに苦労した経験のある、不器用なCさんがBさんを教えたらどうなるか。

CさんはなんとBさんに肘を上にあげるというのを簡単に教えることができてしまう。なぜなら、Cさん自身もそのポイントでてこずった経験があるので、自分がそれをどうやって習得したかを思い出し、それをそのまま伝えれば良い。例えば、「まず肘を後ろに回すんだよ。」とか。

そう、このように自分が不器用だと思っている人は人に何かを教えることが上手なのである。僕みたいに自分で不器用だと思っている人が何もできないわけではない。何かを習得してしまえば、それを他者に教えることは簡単なのである。

だから自分のことを不器用だと思っている人は何かを習得するのには時間はかかるが、もしそれを習得することができたら、それを簡単に他人に教えることができる。そのことを誇りを持ち、胸を張って生きるべきだ。




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