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幸せと幸福 [今日の終わりに]

8月1日 晴れ

私は「幸せ」と「幸福」とは少し違うように思う。
「幸福」という言葉には「守られている」とか「包まれている」といった意味が入っているように思う。

先週台湾に行った時にそのことを感じてしまった。
台湾には「幸福」が多い。
きっと日本よりたくさんの神様がいて、そこに住む人たちを守ってくださっているのだ。そして守られている人たちは、まわりの人をさらに幸福にしてくれる。

次々と溢れるほどに親切をいただき私は少しだけ戸惑ってしまった。台湾の友人にそのことを打ち明けると、彼女が教えてくれた。

「台湾の人はいただいたものは誰かに渡す。それが巡り巡って最後は自分に戻ってくると信じている。」

日本では、なにかをいただくと、お返しをしなくてはならないと考える。台湾では、お返しではないのだ。
「もちろんいただいたら嬉しいけど、それを求めることはない」と彼女は笑いながら言った。

台湾に引っ越して間もない友人もまた同じことを言っていた。
「最初はその優しさに慣れず素直に受け取れなかった。最近ようやく甘えることができるようになってきた」

慣れないほどの優しさなんだ。

優しさに溢れた街、台北。
むしむしとした夏の夜。
私はまだあの街をさまよっているようだ。

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