自意識過剰女の広報活動

広報歴2年ちょっと。

現在の職場に転職したタイミングで、「社内初の広報担当」というポジションに就くことになった。「プレスリリースってどう書くの?」からのスタートだった。

セミナーの受講などには会社は寛容で(ありがたい)、そうしたイベントや本を通じて、ハウツー的なものは身に着いた気がする。あくまで「的なもの」だけど。

転職の動機が「趣味に充てる時間が欲しい」だったものだから、「心血注いだ広報活動」ができているかと言えば、否である。

何しろ初のポジションだから、活動を測るモノサシがない。そこに甘えて、のらりくらり活動している。居心地が良い一方で、入社以来ずっと罪悪感にも苛まれている。

雑誌「広報会議」やら、WEB上に広がる数々の敏腕広報マンのインタビューなどを読んでいると、消えてしまいたくなる。

私って、仕事してないな。

本当なら、メディアの方にどんどんアタックしなきゃいけないんだよな。
会社のこと、商品のこと、もっともっと勉強しなきゃいけないよな。
ほんと、カス広報だよな。うんこ広報、うん、こうほう。

自意識過剰で出たがりな自分

「広報のお仕事を華やかだと思っている方も多いでしょうが、実際は縁の下の力持ちです」なんて言葉はたくさん見てきた。
「広報の最終目的は、社員を喜ばせること」という言葉には非常に納得ができたし、広報とはそうあるべきだと思う。

目立ちたがりじゃなくて、目立たせたがり。
いわゆる華やかな、目立つ広報(俗に言うキラキラ広報か)なんて、元ライブドアの乙部さんくらいしか思い出せない。

現場で汗をかいている方々や、彼らを率いるリーダー(社長など)にスポットライトをあてたほうが会社の魅力は世の中に伝わっていくし、社員のモチベーションアップにもつながるに違いない。

頭ではそう考えるのだけれど、そのために本気になれていない自分を感じていた。いい歳こいて恥ずかしいけれど、自意識過剰で目立ちたがりだからだ。

乙部さん(彼女のようなガッツがないから無理なんだけれど)に憧れる自分がいる。「お客様のために」「ファンのために」と、他者の幸せに貢献しようと思えていない自分が嫌になる。

これじゃ駄目だ、と必死で「おきゃくさまのために」なるものを考えてみるのだが、考えれば考えるほどやる気が削がれていく。そんな自分が嫌になる。広報向いてないんじゃないかとか思いはじめるのだが、このマインドが変わらない限り、どの仕事だって向いていないのだろう。

というか、向いている・向いていないの話ではなく、いい大人なら自分の本能を律することができなければ駄目だ、と思う。

お給料をいただいているのだから。
そのお給料はお客様が出してくださっているのだから。
(ドラマ『重版出来』第4話の五百旗頭さんの言葉は響きましたぜ…)

…と思うのに、実行できていない子どもな自分が嫌になる。
嫌になるなら変わればいいのに。変わりたいけど変えられない。
うおお、これが「こじらせ女」か!?そうなのか!?

合っていようが間違っていようが、何もやらなきゃ何も動かない

性格や考え方の悩みごとをWEB検索するほど、不毛なことはない。「あーやっぱり私ってだめだ」と落ち込んで、励ましてくれる文章に出会えるまでネットサーフィンを繰り返す。

出会いたい言葉はすでに頭の中に描かれているわけで、出会えたところで何の進展もないのだ。時間だけ消費している。
ああ、また無駄に歳を食ってしまったわい。

そう思いつつも、あるとき無性に「会社の魅力を伝えるために」というマインドが持てていない自分が不安で怖くなって、何かにすがりたくて、ついにググってしまった。

お客様のために、ファンのために、他者のためにがんばることができていない自分を変えるコツはないだろうか。
「誰かのために」と思えていない私は、人としてあまりにも駄目だ。

そんなことを思いなが出会ったのがこちらの記事。

「誰かのために」って思えない人へ

「魅力プロデューサー」のみなみなおこさんという方のブログだった。
魅力プロデューサー…?しかもアメブロ…?
キラキラオーラを勝手に感じて、クリックすべきか否か悩んだのだが、そのときは藁にも縋る想いだったのだ。拝読することにした。

人のため、人のためって、無理やり貢献しようと考えなくていいと思うんです。

ビジネス成功本には、たいてい「人が喜ぶこと」「人のためになること」を考えるが鉄則とあります。
確かに、それは一番大切なこと。
でも、じぶんに向けられたベクトルを、いきなり外向きに変えるって、そう簡単にできないよね?

だったら、いいじゃん。そのままで。

正直、ここまでは想定内の内容だった。
励ましてくれる言葉を求めていたから少し安堵はした。
でも、そのままでいても大丈夫という確信が持てないから不安なのだ。

しばし黙って読み進めていくと、想定外の励ましの言葉に出会った。

自分のためだっていいじゃない
自分のために成長したり、自分のためにキレイになったり。
ただその自分のための努力や、一生懸命さって必ず、
他の人に伝わる
ってことだけは知ってほしいと思います。

そうか、私に足りていなかったのは「誰かのために」と思える心ではなく、「一生懸命さ」だ。

私は駄目だ、間違っている…と自らを律し、鞭を打っている気でいたけれど、それは自己満にすぎないのだ。

「駄目な自分」に甘んじて、何もアクションを起こしていなかった、何も努力していなかった、何も本気になっていなかった。

この仕事に就いてから、「がむしゃら」になったことってあったか?

広報活動とは自分が目立つことではない、が、乙部さんの名が知れ渡っているのは、彼女ががむしゃらになって、世間に深い爪跡を残したからだ。

かすり傷ほどの爪跡ですら残せていないのに、なにが”私は目立ちたがり”だよ!ばか!

好きの反対は嫌いではなく、無関心。
無からはなにも生まれない。

間違っていてもいい、セオリー通りじゃなくていい。
とにかく何か「私がやったぞ」と言える仕事をしよう、がむしゃらになろう。

自分のためなら一生懸命になれるというなら、大いに、自分のための広報活動をしてやろうじゃないか。

自己発信メディアを有しているという好環境!

幸いにも、私は「広報日記」的なブログの管理・運営を任されている。

もともと趣味でブログを書いてはいたが、企業ブログともなると我を出すべきではないだろうと、第三者的に書き綴ってきた。

がんばって関係者にインタビューしたり、取材したりしているものの、書いていて筆が乗らず、そのローテンション感が文章にも広がっている実感があった。

先日たまたま、私の個人ブログ・会社ブログ両方を読んでくださっている先輩と話す機会があり、

「会社のブログ、もっと自分を出した方があなたらしくて面白くなるのに」

と声をかけていただいたことを思いだした。

会社ブログで、「自分」を出してみよう。
自分を出すべきではないなんて、誰に言われたわけでもない。
自分で勝手に委縮していた。

営業さんたちから「ブログなんて、金が稼げるわけでもないのに…暇でいいよね笑」と思われているに違いないと信じて、ブログ更新頻度も控えめにしていた。

でも実際に誰かから言われたことはないし、噂も聞かない。
たぶんまさに「無関心」状態なのだ。
そんなブログ、いちばん意味ないじゃないか!

とりあえずやってみよう。
そのブログのアクセスアップのためなら、絶対にがんばれる。
おもしろいと言われたら、めちゃくちゃやる気が出る。

セオリー無視!目立ちたがり広報ここにあり

存在感の薄い、「いるだけ広報」を卒業しよう。

他者のためより自分のため、そんな自意識過剰女でも何かができるのだと証明できるように、うざがられたっていいから、存在感を醸し出そう。がむしゃらに仕事をしよう。

踏み切る勇気をくれたブログを書かれた、みなみなおこさんに感謝。

落ち込んだらこの記事を自分でも読み返して奮い立たせます。うおおおおお!

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