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「墓まで持っていく話をするナイト」の思い出

過去に開催したイベント「墓まで持っていく話をするナイト」の感想を書きます。


そもそもこのイベントの始まりは、東京ミステリーサーカス運営陣からの「何か面白いイベントやってくれないですか?」という依頼からだった。

「なんか、ネタバレ禁止でめちゃくちゃなことやりたいですね」そんな返答をした記憶がある。

絶対に世の中に出ないはずの秘密を、開放できるような無法地帯を作ろう。

そんなイベントをしようと思いついたのは、すぐだった。「墓まで持っていく話をするナイト」というイベント名もその場で決まったと思う。

まずは、トーク主体のイベントとして成立させるために司会が必要だと思い、青木さんをバミり、準備に人手が欲しかったので、SCRAP社員の中でも、指折りで性格が悪そうな小栗くんに声をかけた。


彼らとの会議の中でイベントの内容を決めていった。

・参加者に、用紙を配ってそこに秘密を書いてもらうということ。
・それを読み上げつつトークをするというイベントにすること。
・匿名性は必ず守られること。
・匿名性を保ったままに質問をするため、LINEのオープンチャットを使うこと

などがするすると決まっていった。


会議の中で、僕らの中には、ひとつの大きな不安があった。それは【本当に面白い秘密が集まるのかどうか】という至極当然のものだった。

このイベントのお客さんは、SCRAPの謎解き・リアル脱出ゲームが好きなみなさんが主になる中、このアングライベントの趣旨をどれくらい理解してもらえるのか、と言い換えてもいいだろう。

しかし、そんな不安は全くの杞憂に終わるのだった。


当日、会場に入りイベントの仕込みをする。滞りなく準備が進み、開場時間になる。開場中には、秘密を書くための用紙を配った。これをのちほど僕らが回収して、発表していくのだ。ここでまず予想外のことが起きた。

「すいません。用紙、もっとありませんか?」

そんな声が上がったのだ。お客さんに対して、だいぶ多めに用意したはずの秘密記入用紙がずいぶん早めにハケてしまった。
そう、てっきり秘密は1人1つくらいのもんだろうと思い込んでいたが、それでは書き足りないほどの弾を抱えて、このイベントに臨んでくれている猛者が何人もいたのだ……!

その時点で、少し期待は膨らんでいた。そして、それが爆発したのは、イベント中、最初の秘密を読み上げるターンだ。

そこで僕らは初めて、秘密記入用紙の内容を目にした。40枚ほど集まっていた。最初に読むのはどれにしようか、オープニングになるわけだしパンチが強いヤツがいいな……などと思っていた。

しかしなんと、ザッと読む限りでも、ほとんどの秘密がスゴい内容だった。(ここにはその内容は残念ながら当然書けない)
そしてようやく選んだ最初の秘密を読み上げた。それを読み上げ終わった瞬間の、開場のどよめきは凄まじかった。

僕はどよめきの中で「このイベント、絶対に第2回もやりましょう!」そう叫んだ。

そこから先のことはほとんど覚えていない。絶対に言ってはいけない秘密を僕らも披露し、お客さんからの秘密もどんどんと発表されていった。

SNSに書いたら炎上どころではすまないような秘密がいくつも炸裂し、会場ではその度に局所的な熱狂が沸き起こっていった。

匿名のまま、その秘密を書いてもらった本人に質問ができるというコーナーも、めちゃくちゃ盛り上がった。仕組みは次の通りだ。

・LINEのオープンチャットに匿名でログインしてもらう。
・質問に答えるときには、全員にスマホをいじっている仕草をしてもらい、誰が入力してるかわからないようにする。

この仕組みにより、いったい、いま質問に答えているのは誰なんだ……? そんな人狼ゲームのような疑心暗鬼の雰囲気のなか、「ピロン」というLINEの送信音とともに質問の答えが発表される。

この中に実際に存在する誰かが、こんなにヤバい体験をしているんだ。

という興奮はすさまじかった。

すべての秘密が読み終わり「秘密の内容がバレたら、今回の入場者は全員出禁、さらに、僕らが殺しにいきます」という注意事項をおさらいして、イベントは終了した。


終演後、僕の中には初めてのリアル脱出ゲームを作った瞬間にも感じた、とてつもない達成感があった。一番好きな「生の面白さ」を確かに感じられた。青木さんと小栗くんも興奮して「これはラジオの進化形ですね!」などと、うわごとのように言っていたのが強く焼きついている。

そんなわけで、そろそろ、第2回もやろうと思います。

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