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シリーズハイブリッドとレンジエクステンダーEVの大いなる違い

発電機を搭載して(エンジンで電気を起こして)モーターで駆動する自動車を分類するときに「シリーズハイブリッド」という呼び名と「レンジエクステンダーEV」という呼び名があって、どちらも似たようなもので、メーカーの都合で呼び方を使い分けているだけ、という見方もあるようですが、それは違うと思うのです。

結果として『エンジンで発電、二次電池を持っていて、モーターで駆動する』というパワートレインの構成が似ていても、アプローチがまったく違うというか、ある要素を見ることでシリーズハイブリッドとレンジエクステンダーEVは明確に区別できると思うのであります。

そのポイントとは?

バッテリー総電力でしょうか? 否。

外部充電の有無でしょうか? 否。たしかにレンジエクステンダーEVは外部充電できることが条件になりましょうが、プラグインのシリーズハイブリッドというのも存在します。

エンジン(発電機)と駆動モーターの最高出力にあり、と考えるのでありました。


結論からいえば、シリーズハイブリッドはエンジン出力(発電能力)と駆動モーターの出力がニアリーイコールであることが条件で、レンジエクステンダーEVは発電能力がモーターの最高出力に劣っていても成立するのです。


別の見方をすると、シリーズハイブリッド、レンジエクステンダーEVとも現実的に二次電池を持たないケースは考えづらいとはいえ、バッテリーがなくてもシステムとしては成立するのがシリーズハイブリッド、バッテリーが必須なのがレンジエクステンダーEVといえるかもしれません。


すなわち、成り立ちとしてバッテリーからの電力でモーターを駆動するEVに、発電機を載せたレンジエクステンダーEVは、バッテリーが必須であり、バッテリーの充電率をベースに発電させるという考え方。ですから、発電機はエンジン(内燃機関)である必要はなく、太陽光発電でも構わないわけです、理屈としては。

一方、シリーズハイブリッドは、エンジンで発電した電力が駆動モーターの使える上限という成り立ちで、駆動に使うエネルギーをリアルタイムにオンデマンドで発電するという考え方。それをベースに回生エネルギーの活用などから二次電池を載せる方向に進化したという風にも見れそう。

もちろん、太陽光発電を利用してもソーラーカーレースのマシンは、リアルタイムに発電した分で走りますから、シリーズハイブリッド的な構成ではありますから、何を発電システムとして使っているかではなく、駆動ニーズに合わせて発電するのがシリーズハイブリッド、バッテリー残量に合わせて発電するのがレンジエクステンダーEVと整理するのがわかりやすい、と思う次第。

こうした理解を元に、燃料電池車を見ていくと、シリーズハイブリッド的な出力構成のユニットと、レンジエクステンダーEV的な構成とがあって、一口にFCV(燃料電池車)といっても二種類の考え方が存在しているという風にもいえると思うのでありました。


終わり

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