スバルWRX 取材メモ、覗いてみます?
2014年8月25日、スバルから新型WRXが登場しました。今回、事前取材する機会にも恵まれたのでした。この手の取材からアウトプット(商業原稿)までのプロセスはいくつか手法がありますが、今回は手書き取材メモと音声をパソコンやAndroidタブレットなどを使って、テキストファイルに打ち込んで整理しながら、いくつかの素材となる原稿を用意。それを並び替えたり、フレーズやキーワードを抜き出したりしながら、完成原稿へ向かうという方法をとり。というわけで、素材原稿が手元にあるのでした。
門外不出というほどではありませんが、下書きの下書きみたいなテキストですから、お見せするのは恥ずかしいものですが、本人が恥ずかしいと思うものはコンテンツやエンタメになりえるのかと思い実験的に公開。
さすがにすべては恥ずかし過ぎるので、後半は有料公開にしております。
では、ど~ぞ。
【WRXメモ】
インプレッサの名前が取れて、二代目となったスバルWRX。
そのラインナップは新世代ボクサー直噴ターボエンジンを搭載する大人のセダン「S4」と、従来からの熟成された高回転型ショートストロークボクサーターボを積む「STI」の2つからなる。
最高出力でいうと、S4は300馬力・400Nm、STIは308馬力・422Nmとなっていて、パフォーマンスも近しいもの……と思いがちだが、実際に2台に鞭を入れてみれば、そうした判断は、まさしく机上の空論といえるものであることが明確となった。
たしかに、エネルギーの効率でいえば、直噴ターボとリニアトロニック(CVT)の組み合わせに対して、ポート噴射の低圧縮比ターボと6MTのコンビネーションでは敵わないかもしれない。
しかし、スポーツカーとしての「コントロールしている」という満足感はSTIが圧倒的に優っている。
WRX STIにしても、電子制御スロットルを巧みに利用したスバル独自の「SI-Drive」を搭載しているが、アクセルペダルの操作とトルクの湧き上がり感は見事にシンクロしているのだ。
もちろん、ギアはMTゆえに完全にドライバーの思い通りのポジションで固定、ピークパワーを発生する6400rpmを超えるとパワー感は薄まっていくが、そのまま8000rpmまで回すことが可能、ひとつのギアの守備範囲が広いのは、ギアのチョイスに迷った際に嬉しいところでもある。
そうしてパワートレインを存分に味わえるポイントは、シャシー性能にある。いくらバランスに優れたシンメトリカルAWDで、245幅のタイヤを履いているとはいえ、シャシーに不安があったら、思い切りアクセルを踏み込むことはできない。いや、むしろ微妙なアクセルコントロールが求められる。それはそれでスポーツドライビングの醍醐味だが、新しいWRX STIについていえば、シャシーがネックとなってアクセルコントロールを強いられるようなシーンは、少なくともドライの舗装路ではめったに遭遇しないだろう。
実際、富士スピードウェイ本コースを走った、どの車両においても、そのタイヤはサイドウォールが新品同様で、トレッド面をしっかり使っていることが見て取れた。これも、優れたシャシー性能を示すエピソードのひとつといえそうだ。
まさにシャシーの仕上がりが優れているというわけ。
実際、メカニズムでいうとエンジンやミッションといったパワートレインはキャリーオーバーといえるものだが、エンジンとシャシーの両方に手を入れることで二兎を追うのではなく、リソースをシャシーのセットアップに集中したことが、こうした好結果につながったともいえそうだ。
けっしてタイヤに頼るものではない。
225幅のWRX S4においても、おなじくショルダーから先を使わない様子が見て取れるからだ。この写真は、ステアリングをフルロックまで切り込んだ状態でアクセルを踏み込むという風にして、姿勢コントロールの電子制御が働いた後のものだが、トレッド面を斜めに使った様子が見えるのと同時に、サイドウォールを微塵も使っていない様子も確認できる。
つまり、WRXに共通のロアアームによる、サスペンション・ジオメトリーが、こうしたタイヤを”しっかりと”使うシャシーを実現しているといってよく、タイヤのグリップに頼っているのではなく、シャシーのポテンシャルを高めたうえで、ハイグリップタイヤを与えるという、非常に筋のいいセッティングがなされていることが伺えるのだ。
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