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私的「マイルドヤンキー」論、キーワードは「全国制覇」

なんだか「マイルドヤンキー」なるビジネス用語が流行っているようですが、いまさら何を言っているのだろう? というのが正直なところ。

もう何十年も前からマイルドヤンキー的なライフスタイルは合って、そこを主戦場にビジネスをしている組織も存在しているというのは、自分自身の経験も踏まえた結論です。

その自分自身の経験とは、軽自動車の専門誌に関わっていたこと。ちょうどスズキからワゴンRが登場する1993年前後の数年間、軽自動車の専門誌で編集をしていたのですが、はっきり言って軽自動車の改造をメインコンテンツとした雑誌というのは東京では売れないわけです。売れるのは、いわゆるマイルドヤンキーという言葉でターゲットになっている地域であって、当然ながら広告主の主戦場も、そうしたエリアにあるのでした。

はっきり都市部と異なるマーケットは、その頃から存在していたのです。

もちろん、四半世紀前の話ですから、そのまま現在のマイルドヤンキー論に落とし込めるわけではありませんが、当時の主戦場となっていたエリアと現在のマイルドヤンキー論でいわれるエリアが被っているのも事実。

そして、当時の印象からすると、地元志向の強いとされる層に上昇志向がないとするのは早計と思うわけです。


そのキーワードは「全国制覇」


たとえばカスタム系の雑誌でいえば、大きく扱われたり、表紙のクルマとなることはある種のステイタスで、そこには「自分たちの流儀が全国区になった」という主張があると感じるのです。

つまり、都市部や多数派のトレンドに合わせることで成功を目指すのではなく、自分たちのやり方を極めることで承認させようという心意気を潜在的に持っているという面もあるのでは?


「EXILEが好き」というのはマイルドヤンキー層の特徴といいますが、そこにも自分流で全国区になった、というキャラが評価されているような気もするわけで、その意味ではこだわりの強いマーケットであって、総論的に位置づけるのはビジネスとしては失敗の元になりそうな予感があるわけです。

言い方を変えれば、マーケティング用語としての「マイルドヤンキー」という言葉は、理解できない文化圏を一括りにする特定クラスタの怠慢を感じるのでもありました。


ちなみに、表紙の画像は、大口径のタイヤを装着した自動車カスタム例。マイルドヤンキーはミニバンや軽自動車のカスタムが好き程度の認識では、こうしたカスタマイズは理解できないかもしれません。ですが、地元志向というカテゴライズの中に含まれる独自のこだわりを具現化、象徴している一例として、極端な例ではありますが、イメージとして浮かんだのでした。



オシマイ

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