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スバル EyeSight はカメラだけなのがエラい!

テクノロジーの進化は多機能になること、という見方からすると機械は複雑になる方向へ進化すると思いがち。

ですが、果たしてそれは真なのか。

否、こと量産される商品については多機能は求められても、機械の複雑化はコストアップ要因としてネガティブで、すなわちシンプルに多機能というのが、商品の機械的進化としては正しい方向と考えます。

そんな一例としてあげたいのはスバルの安全技術「EyeSight(アイサイト)」。衝突被害軽減ブレーキや全速域追従クルーズコントロールなど現時点で十分な前方監視性能を持つ、このシステムがセンサーとして利用しているのはフロントウインドウ内側のステレオカメラのみ。

その一方で、完全な自律走行が可能というGoogleのテストカーは、カメラだけでなく、高価な3D空間センサーほかを装備することで安全運転を実現しているといいます。
そこまでのシステムでなくとも、他社の安全技術ではミリ波レーダー、赤外線センサー、カメラなどを複合的に使っていることもあり、センシングユニットがひとつだけ(ステレオカメラなので素子はふたつありますが)というのは心許ない印象を受けるかもしれません。

では、アイサイトは将来的に空間センサーを採用するといった複雑化の方向で進化するのかといえば、そうではないと思われるわけです。
そもそも、アイサイトの進化過程において、前方を監視するセンサーとして当初はステレオカメラとミリ波レーダーを併用していたこともあるわけで、省いていった結果として、現在のステレオカメラだけになり、そしてステレオカメラのカラー化、画素数アップによりデータを増やしたというのが進化の歴史。


後方確認用のセンサーを追加するというのはあっても、前方確認はステレオカメラだけで可能といがスバルの判断でしょうし、実際にそれで問題なく、むしろ試験機関による各社の衝突被害軽減ブレーキ比較では優秀な結果を残しているのですから、よほど要求性能が上がらない限りは、センサーは増えないだろう、と思われるのです。もし増えるとしたら、音を認識するマイクのようなセンサーでしょうか?

つまり、アイサイトはカメラだけで制御しているから他社よりも手抜きなのではなく、カメラだけで衝突被害軽減ブレーキや全速域追従クルーズコントロールなどを実現しているからエラい! のであります。


オシマイ


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