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開廃業の状況と中小企業の実態のまとめ(中小企業白書2021年度版より)

本日は、「第1部 令和2年度(2020 年度)の中小企業の動向」「第2章中小企業・小規模事業者の実態」の続きです。
今回は、開廃業の状況と中小企業の実態のまとめについて紹介します。
以下、「中小企業白書2021年度版」から引用します(以下特記なければ、画面キャプチャ含めて同じ)。
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第3節 開廃業の状況
本節では、我が国の開業率及び廃業率について現状把握を行う(注)。
(注)本節での分析に用いる「雇用保険事業年報」を基に中小企業庁で算出した開廃業率は、事業所における雇用関係の成立、消滅をそれぞれ開廃業とみなしている。そのため、企業単位での開廃業を確認できない、雇用者が存在しない、例えば事業主1人での開業の実態は把握できないという特徴があるものの、毎年実施されており、「日本再興戦略 2016」(2016 年6月2日閣議決定)でも、開廃業率の KPI として用いられているため、本分析では当該指標を用いる。なお、「事業所・企業統計調査」、「経済センサス-基礎調査」及び「経済センサス-活動調査」を基に算出した開廃業率は付属統計資料 10 表及び 11 表、「民事・訴訟・人権統計年報」及び「国税庁統計年報書」を基に算出した開廃業率は付属統計資料 13 表を参照されたい。

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我が国の開業率は、1988 年をピークとして低下傾向に転じた後、2000 年代を通じて緩やかな上昇傾向で推移してきたが、足元では再び低下傾向となっている。廃業率は、1996 年以降増加傾向で推移していたが、2010 年からは低下傾向で推移している(第 1-2-17 図)。

続いて、業種別に開廃業の状況を確認する(第 1-2-18 図)。

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開業率について見ると、「宿泊業, 飲食サービス業」が最も高く、「生活関連サービス業,娯楽業」、「情報通信業」と続いている。また、廃業率について見ると、「宿泊業,飲食サービス業」が最も高く、「生活関連サービス業,娯楽業」、「小売業」と続いている。
開業率と廃業率が共に高く、事業所の入れ替わりが盛んな業種は、「情報通信業」、「宿泊業,飲食サービス業」、「生活関連サービス業,娯楽業」であることが分かる。他方、開業率と廃業率が共に低い業種は、「製造業」、「運輸業,郵便業」、「複合サービス事業」となっている。

第 1-2-19 図は、都道府県別に開廃業の状況を見たものである。

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開業率について見ると、沖縄県が最も高く、福岡県、愛知県と続く。また、廃業率について見ると、長崎県が最も高く、青森県、福岡県と続いている。

第 1-2-20 図は、諸外国の開廃業率の推移と比較したものである。

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各国ごとに統計の性質が異なるため、単純な比較はできないものの、国際的に見ると我が国の開廃業率は相当程度低水準であることが分かる。

第4節 まとめ
本章では、我が国の企業数の 99.7%を占める中小企業・小規模事業者の実態について、企業数や雇用、売上高等の観点から見てきた。その実態は、いずれの点においても、業種や経営組織によって異なり、極めて多様であることが確認された。
また、重要な論点となっている中小企業の労働生産性及び開廃業の状況についても確認した。中小企業の労働生産性は長期的に横ばい傾向で推移しており、大企業との格差は業種を問わず存在していることを見た。その一方で、中小企業の中にも大企業の労働生産性を上回る企業が一定程度存在しており、こうした労働生産性の高い中小企業を増やしていくことが今後人口減少に直面する我が国にとって重要である。加えて、我が国の開廃業率は国際的に見て相当程度低水準であり、中小企業全体の生産性を向上させていく上での課題と考えられる。
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雇用保険のデータをもとに、雇用関係の成立を開業、消滅を廃業として見たデータです。

開業率が高い順に挙げると、
「宿泊業, 飲食サービス業」
「生活関連サービス業,娯楽業」
「情報通信業」
となります。

廃業率が高い順に挙げると、
「宿泊業,飲食サービス業」
「生活関連サービス業,娯楽業」
「小売業」
となります。

開業率と廃業率が共に高く、事業所の入れ替わりが盛んな業種は、
「情報通信業」
「宿泊業,飲食サービス業」
「生活関連サービス業,娯楽業」。

開業率と廃業率が共に低い業種は、
「製造業」
「運輸業,郵便業」
「複合サービス事業」
となっています。

コロナ禍、補助金等で廃業せずに持ちこたえているお店も多いと思います。
緊急事態宣言が早く解除され、日常が戻ることを祈ります。

また、日本は他国と比べて開業率・廃業率ともに低い傾向があります。
この辺は国民性の違いによるものなのでしょうか。

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