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保育園に彫刻 子どもの反応まとめ

「触れる彫刻」という事で保育園に木彫作品を置いて1ヶ月経ちました。
今回はこれで終了。子ども達の反応まとめ。

彫刻は常設ではなく、遊びの時間に先生の判断で適宜出していただきました。期間中に保育園の先生から教えていただいた内容と、
僕が数回訪問して気づいた点など。

保育園に彫刻を持っていく前に予想と観察する点を決めていました。

予想
・彫刻を擬人化して、挨拶、タッチ、食事を与えるなど友達扱いするのでは
観察する5つのポイント
・「おもちゃ」と「彫刻」の関わり方の違い
・彫刻の触感への反応
・日を重ねる事で現れる子どもと彫刻の関係
・子どもの表現への影響
・彫刻が無くなった後の様子

予想の結果
・擬人化して、挨拶、タッチ、食事を与えるなど友達扱いするのでは
→ままごと遊びをしてご飯を食べさせる。
ジュースを飲ませながら「ジュース好きだって」と話す。
彫刻にブロックをかぶせて「傘」、首飾り、髪飾りを付けて遊ぶ。
意図的に彫刻に目鼻口のシンプルな凹凸を付けたのでその効果があったと思います。

観察した結果
・「おもちゃ」と「彫刻」の関わり方の違い
→見聞きした範囲では特に変わりなし
・彫刻の触感への反応
→彫刻の首部分を撫でて「スルスルする」と感触を伝えてくれる。
頭部分に頬ずり。
彫刻製作時に出来る、木と木を接着した継目の線、微妙な隙間を指先で触る。
設置2週間経過後に、彫刻の足元部分がカケた(子どもに怪我はなし)
そのカケた部分を触り「割れてる(?)」と言う。
「ハサミでチョキチョキってしたんかなぁ」と教えてくれる。

・日を重ねる事で現れる子どもと彫刻の関係
→設置から29日目に訪問。子どもはおもちゃで遊びつつ、思い出したように彫刻を撫でたり、持ち上げたり。そしてまたおもちゃで遊ぶ。
彫刻が珍しい物ではなく日常の一部になっている様子。

・子どもの表現への影響
→見聞きした範囲では特になし
・彫刻が無くなった後の様子
→不明(子どもから話題に上がれば嬉しいが、常設では無かった為無くなっても特に違和感を感じないのでは)

今回、彫刻を大小用意しましたが最初の10日間は小彫刻のみ。
その後は大彫刻のみ。29日目から両方を並べて出したそうです。
初めて大彫刻を出した日の感想は
・めっちゃ長い(大彫刻の首を触りながら)
・「もっとちっちゃいのあるねんで」(小さいものを探す)
・ちっちゃいお友達...
僕としては「大きくなった」等の言葉が出ると思っていたが
小→大に伸びたという考えは無く、別物と理解していたとの事。

印象的だった事
・1.2歳でも頑張って持ち上げようとする。
そしてドン!と床に置くので怪我しないか心配になる。
・彫刻を触りながら僕に何か教えてくれるが、理解出来ず。。
・2歳児が僕の彫刻を触りながら「これ、ちっちゃにあった」と言う。
※「ちっちゃ」はこどもなーと保育園の別事業「ciccia books(図書館)」の事。そこにも僕の彫刻があります。
この2歳児は同じ人物が作った彫刻である事をわかっている様子。
図書館にある作品↓

感想や今後の展望
・大彫刻の足元部分は粗い鑿跡でガタガタ、首部分は軽く研磨、頭部分はツルツルと徐々に滑らかにしていました。感触の違いを意識してくれるかなと思っていましたが、特にその様な反応は見られなかった様子。
子どもの手の平の2倍くらいの範囲内で差異をつけるとまた違ったのかも。
・年長さんではどのような反応になるのか。
・長期間、玄関や部屋の決められた場所に常設すると、子ども自ら会いに行く等の関わり方の変化があるのか。
・この彫刻を使って鑑賞とフロッタージュ(擦りだし)などの複合WSをすると興味が深まるのでは。(どなたかオファー下さい)
・重く、触り続けると光沢が変わるブロンズで作ってみたい。。
(どなたかお安く鋳造して下さい!)

というわけでこの1ヶ月大きなトラブルもなく、また日々の業務でお忙しい中、対応して下さったこどもなーと保育園の皆様ありがとうございました。
また色々な場所に彫刻を持って行き、様々な人に触れてもらえたらと思います。ご興味のある方、いつでもご連絡お待ちしております!

急に思い出したように触る子ども

追記。子どもと一緒に彫刻を使ってフロッタージュをしました。


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