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保育園に彫刻-hands on learning. 触れる彫刻-

こどもなーと保育園さんに御協力していただき、保育園に彫刻を置かせていただきました。

日常生活で彫刻に触れる(心身ともに)事で子どもはどのような反応をするのか、どのような影響をもたらすのかetc.という事を観察したいと思い
「〇〇に彫刻-hands on learning. 触れる彫刻-」というプロジェクトを始める事にしました。
美術館に行く機会がなくても出会えるように「保育園に彫刻」「病院に彫刻」「日常に彫刻」といった具合に展開できたらと思います。
ビジネスとは縁遠い僕が考え出した事なので、先は何も見えてませんが。


仕事柄沢山の子ども達と関わります。
子ども達を見ていると、まず触れようとします。
触れる事で知覚、コミュニケーションを取っているのだと思います。
百聞は一見に如かず、じゃないけれど百聞は1タッチに如かず。

僕はなんだかんだで作品(主に木彫)を作り続けていて、
展覧会の時には毎回「触ってOK」の作品も用意しています。
特に小さい子どもが来た時には積極的に触ってもらっています。
会場に並んでいる作品は「ちょっと良い物」に見えるので触った時の
特別感もあるし、子ども達に木の触感、匂いを感じてもらうのは僕の役目だと思っています。

数年前から対話型鑑賞に興味を持ち、学生に対して行っていました。
学生たちは視覚情報等で沢山感じて反応してくれています。
これは子どもとも出来る事だなぁと思っていました。
(その後、芦屋こばとぽっぽ保育園さんで対話型鑑賞を行いました)


という日々を過ごしていた時に
2018年末、国立国際美術館で「未就学児とアート鑑賞を楽しむ」というWSに参加しました。その時のナビゲーターの杉浦幸子先生(武蔵野美術大学芸術文化学科教授)が「保育園美術館」という活動をされていました。


その活動を知って(僕の作品も自由に触ってもらい、そこから会話が生まれたら面白いのでは)と思ったのが「〇〇に彫刻」のきっかけでした。

さて、どこにお願いしようか、と考えましたが、この勢いのまま対応してもらえそうなのは、こどもなーと保育園しか無いだろうと、代表の和泉誠さんに相談したところ快諾してくれました。
こどもなーと保育園は子どもが「経験すること」を大切に表現活動にも積極的な保育園です。
そして設置先の三木園長先生(現役ギターボーカルのバンドマン)は昔一緒に働いていた人なので僕の意図も直ぐに理解していただき了承していただけました。
(あ、こどもなーとが運営している「ciccia books」という図書館に僕の彫刻を常設してもらっているので、その辺での彫刻と子どもの関係を理解していただいていたのもある思う)

今回はこんな作品を用意しました。

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最初は動物のような親しみやすい彫刻を作っていましたが、
前述の年長さんへの対話型鑑賞時に子ども達の「触っていいの?」
「匂いがする」という反応を思い出し感覚的刺激がある作品に変更しました。
彫刻には意図的に鑿跡、研磨部分を作り触覚的強弱を残しました。
(本音はこれをブロンズで作って長い年月子どもが触ってテカテカになったら面白いと思ってる。けど財力ゼロなので無理)

当初は大きい方1つだったけど、和泉さんから「小さい作品もあると広がる」との事で小さい作品も作りました。


で、5月末「こどもなーと保育園」に伺いました。
子ども達と少し遊んだ後「僕の友達を連れてきました。優しく触って仲良くしてあげてね」と伝えました。みんな「はーい」と答えてくれたのでFirst contactは成功のようです。

まずは小さい作品のみを出す事にしました。その後の展開は園長先生に一任。子どもの事はそこの先生方が一番わかっているので。

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触る1歳児。最初は鼻の突起部分を触り、頭を撫で、首を掴みました。

さて、子ども達が怪我なく彫刻と仲良くなってくれるのか、すぐ飽きられないか、日々の表現に影響はあるのか、どんな反応が見られるのか楽しみです。
また訪問して様子を伺いたいと思います。
期間は取り敢えず2週間から1ヶ月。
こどもなーと保育園の皆様宜しくおねがいしますー!

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