見出し画像

凪のお暇 波の繁忙


ハマってたんです


凪のお暇という漫画にハマっていました。
Amazonで一巻無料だったのかな?
よく覚えていないですが、FIREタブレットを使っていた頃ですね。
それをきっかけに読んで

「おもっそい話だな」

ということで追加で購入し、毎月エレガンスイヴを立ち読みにしに行くくらいは好きでした。

ドラマ化をする頃には、実は冷めていました。
展開がgdgdな為。

しかし、一応は気になった作品でしたので、期待はせずに観るか…ということでわりと真剣に観ていました。
普通のドラマと言う感じで、まあまあな展開でした。

ドラマ化のノリというものがありますよね。
ここに原作色を求めてはいけない。
一話で序破急がはっきり決まっていて、話の最後で「えっ?」という展開で繋げて、その連続。
最後はそれっぽく盛り上げて、なんとか完結すればそれで御の字です。


子どもの頃に、男女七人夏物語や秋物語の録画ビデオを良く観ていました。
幼稚園くらいの頃だったかな?
母が、明石家さんまが好きだったので。

I wanna Dance You Like CHA CHA CHA
Romancin'気分 CHA CHA


役柄の名は全く覚えていないけれど、お笑い芸人がキャストだったかな。波乱万丈の末に誰と誰がくっついて、なんかみんな幸せになったみたいだぞ、というお話。

「いいのかなあ。こんなことしていいのかなあ。ヒロインは主人公に会うのを反対されているのに、押し切って会いに行って、怒られるよねえ。ハラハラ」

と思いながら観ていました。

この、ドラマ特有の感情の動きが私の中で「雛型」となり、男女七人物語をベースにしてドラマを評価するようになったのです。
一種の刷り込みというやつですね。

しかし、毎週ドラマを追いかけるというのは私の中で大変な負担がかかる行為であるので、余程気になった作品でないと観ないんですよ。

最近は、本当に観ていない。

以降は全くとりとめのない話になりますが。

相棒は裏切らない面白さだと思っていますが、誰かがTVを付けている時にオマケで観るような感じで、特に熱量などは持ち得ていないです。

ボンビーメンが良かったので、リッチマンプアウーマンも観たかったんですが、その頃は体力がなかった。

キムタクドラマはあんまり観てないですけど、年々主役であるはずのキムタクがサブっぽくなっていくのがなんだかなあと思うことがあります。

内容は難しかったけれど、若葉のころが辛くて辛くて、ドラマってこんなに苦しいものなのか…となりました。
KinKi Kids好きです。
剛くんは演技派。

夫は唐沢寿明の白い巨塔が大好きで、これを面白さの基準にしていると話していました。
「白い巨塔を1とすると、あの作品は2.5白い巨塔だ」など。

白い巨塔は、私も熱心に欠かさずに観ていましたので、なるほどと関心しました。

原作では五郎は大腸がんで死にますが、ドラマでは肺がんからの脳転移で死にますね。
大腸がんに罹患する経緯及び肺がんの発症原因を考えると、財前は酷い苦汁・辛酸をなめて生きてきたとするのが自然で(今考えると、ですよ。当時は何も思っていませんでしたし、知識もありませんでした)あのように出世欲に駆られるのは、勢いのある人間という視点で見ると普通なのかなあとなります。

違和感がないのですね。
自然な流れのドラマということで、完成度が高いです。
里見先生は大病院を出て独立したみたいですが、あれで正解なんですね。

開腹しなくても良かったんじゃないのか。
その時点で寿命が縮んだぞ、と考えたりもしましたが、恐らく五郎は闘病生活を送るより、さっさと死んだほうが幸せだったと思われます。
というか、現代だとCTで全部出ると思います。
レントゲンでも出るかな。
コーヒーをこぼして出来たシミのようなものが、レントゲン写真に映る。
そのくらい、重い状態でした。

白い巨塔は、昭和の世界観だからこそ面白いし映えるのですね。


ドラマは、原作とはまるで別物。
ジブリみたく世界観とキャラクターだけ拝借した大衆向けの実写化ですので、全く同じようにならないし、なったらなったでそれは問題です。
何故って、監督の読解力もそうですし、完璧に再現が出来たら表現力が凄すぎますよ。
有り得ないです。
原作世界と完全にリンクして、それを3次元に落とし込むのは。

フランス版シティーハンターの実写が素晴らしいのは、原作完結から随分経って、世界観の解読が進んだからです。
キャストも誰もかれもがシティーハンターを知っている。
そして、それを再現しようという意志が強く、妥協を許さなかったから。

実写とは、妥協との戦いなのです。
「あ、無理。これ出せないわ」
となって、仕方なくイメージを変えます。
それを知らない観客は、実写はクソとか言い出します。
元々の印象が前提になっているものを基盤として作品を作るのは非常に難しい。
思考の型から外れた途端に、まるで別物になってしまうので。


故に、ドラマ化は監督や脚本家が
「面白い」
というだけで制作決行するのは望ましくないですね。
原作者の気持ちを大事にして、頻繁にお伺いを立てなければなりませんし、それが駄目なら完全にオリジナルでやるべきですね。

「ドラマ風に味付けしてもいいですか?」と。

やはり向き不向きがあるんだな。


そのうえで、凪のお暇のドラマはどうだったのか?
普通でした。
まあまあな展開。
凪はゴンとも慎二ともくっつかなくて良かった。
慎二は可哀相ですが、凪は本当の意味で彼を愛していないので、ずっと幸せになれませんよ。
これも、お互いに妥協すべきだったのですが、それも出来なかったから、このお話はそれで終わりなのです。


ありえんおはなし


凪のお暇は、1話は面白いかもと思いましたが、何度か読み直すと違和感が生じます。


節約が趣味の28歳OL大島凪は、常に空気を読んで周囲に合わせて目立たず謙虚に振る舞い、くせ毛を時間をかけてストレートに整えるなど女子力の高い自分を作り上げていた。ある日、凪を蔑む同僚たちの陰口を知り、さらに隠れて交際している我聞慎二が自身について同僚らに話しているのを目撃し、過呼吸で倒れる。以後、会社を辞め、家財を処分し都心から郊外へ転居、全ての人間関係を断ち切った凪は、ゼロから新しい生活を始める。

wikiより

まず作者のコナリミサト氏ですね。

この方は、実は男性です。
男性が描く
「もし自分が女だったら?」
という想像図を漫画化したものと思われます。

更に言うと、コナリ氏は微妙にこじらせていますね。
ネットに影響されすぎ。

実際に作者さんがお暇中の凪のような生活を送って、それを漫画風に破茶滅茶に描いたのが凪のお暇です。
都内の片隅にある激安八百屋にハマったり、お金のかからないと思われるレクリエーション的な趣味に没頭したり。
その夢を紙面上に描いたのですね。


違和感を書き出してみますね。

天然パーマの誤解。
天然パーマの方は基本は髪を短くしてしまうのでアフロのような状態になりますが、実は伸ばすと縦ロールのお嬢様ヘアーになるのです。
段々と髪の重さで脳天の辺りからストレートになってきて、毛先だけクルクルになります。
本当に、文字通り天然のパーマです。
パーマネントを掛けたのか?と思うくらい、きれいなウェーブもしくはカールが出来ます。

これは、息子がそうだったからです。
後ろ髪だけ伸ばすという、不良みたいなことを3歳までやっていました。
毛先が可愛くカーリングし…。
伸ばすのに時間がかかるけれど、髪が伸びたら高見沢俊彦みたいになるぞ、と思いました。

しかし、いつの間にか息子の髪は義父に切られていました。
「あーっ! ファーストカットがあっ!( ;∀;)」
息子はナンチャッテ天パだったらしく、現在はストレートです。


主人公の大島凪は、女子力が高い上に工夫魔であるという設定なので、これに気付かないというのは有り得ないです。
また、あんなにキツいカーリングなら、ストレートパーマくらいでは真っ直ぐの髪にはならないですよ。
アイロンをかけても無駄。
縮毛矯正をキツくかけて、不自然な程にストーンと真っ直ぐにする。
すると、あんな風にフェミニンにはならないのですよねえ。
貧相な印象になってしまう。


凪は天パ設定なら、ふんわりウェーブな感じでないとおかしいです。

「大島さん美容院どこ?」
「えへへ。近所のテキトーなとこ」
(本当はカラーだけで、パーマはかけてないんだけどね)

こういう会話でないと、しっくり来ないなあ。


そして、天パはそれだけでコンプレックスになるので、凪は死んでも髪を切らないと思います。
恥ずかしいので。
女心を分かってないですね。

恐らく、モデルは元朝日新聞記者の某女史です。
あの方は40を越えているので、女を捨てている上にあのアフロをネタでやっていますが(印象商売のキャラ付のため)普通の天パですね。
美容院とか言ってますが、嘘じゃないですかね。
元々あんな頭だった。
そして、記者時代はヒィヒィ言いながら髪と戦っていたのだと思われます。

40を越えないと、女は女を捨てられないのですよ。
40を越えても捨てない人もいます。
神経質な程に見た目を気にします。
努力の甲斐の有無はここでは除外します。
努力くらいで、容姿はどうにかできるものではないです。

そして、あの方はライターとして自分一人くらい食わせていける自信があったので、世捨て人のような生活を送ることにしたと推測が可能です。
家族がいたら駄目です。
独居。


凪のお暇は、ネタ出しにカードを使ったのだと思われます。

主人公の設定は?
貧乏女子。
作者の思いつく限りの苦労をする。
作者は自分では森三中の大島に似ていると思っている。
上記の某元記者。
ママレード・ボーイの、銀太にフられる光希。
そして、隠れ野心家。


これを、コナリ氏の作風通りに踊らせたのですよ。

過去作を読めば、ノリが分かります。
乱れた性生活。
そこでのシノギ。

漫画って主人公が苦しんでナンボよな?
そこで、ちょっと意表を突くドンデン返しを入れればそれっぽくなるな。

そういうコンセプトの元、描かれたのでしょう。


リアルに凪みたいな人がいたら、デパコスは使わないですね。


「キャンメイク。プチプラ。ドラストのファンデだよね。」
とか言います。

「気がついたらスギ薬局で化粧品2万買ってた」
「うわ、超分かるわ」

こんな会話をするでしょう。

化粧水?
ハトムギを使うなら、納得されますね。

「コスパやば」
とか言って。


同僚の腰巾着をしてSNSのいいねの養分に自らなるのであれば、デパコスなんて使ったら嫌味になりますよ。
とことん自分を落として、カーストの一番下に喜んで向かいます。
ブランドバッグを買わず、0101に売っている程々のバッグを愛用します。
そして、同僚の新作バッグを見て派手に喜んで・羨ましがっている風に振る舞います。
たまに、COACHなどを銀座で買うかもしれません。
良くてお財布かな。
28にもなって、持っていないと逆に恥ずかしい。
独女なら尚更。
既婚者ならどうでもいいですけど。

服は超適当です。
デパートで服を買うけれど、下着はユニクロかな。
高い服とプチプラ高見えを組み合わせます。
でも、そうすると貧乏くさく見えるんですよ。
だからカーストの一番下。

慎二の為に料理の研究をするにしてもですよ。
調味料を買い過ぎ。
サラダ油とゴマ油を両方揃えるって、節約主義の独居じゃ有り得ないですよ。
食費が月9万くらいいってるんじゃないですか。

調理器具は、この時代だったら無印ですよねえ。
島忠で全て揃えたいところをグッと我慢して、無印で頑張って揃えてアピールしますよね。
IKEAはチャチい。

髪は先に書いた通り。
美容院代なんて考えたら、食費を削らねばならなくなる。
この場合、意地でもストレートを維持するならウィッグじゃないですか。
バリカンで自分で刈り上げて、ウィッグで誤魔化すしかない。

ネイルは絶対。
OLなんかじゃやっていけない。
今は100均で色々ありますので、頑張ればなんとか。

靴は、高くて手が出ないので竹下通りにいくんですよ。
掘り出し物を発掘します。


本当に研究家で節約主義の見栄っ張りなら、妥協しつつこんな感じで頑張るでしょう。
しかし、凪はそういう感じじゃないですね。
見栄を張ろうと必死になっています。
空気を読もうと頑張っているにも関わらず、空気を読みきれていない。

慎二はなんで結婚してくれなかったんですかね。
凪の髪をみて猶好きだと言うなら、秒で娶りますよね。
ましてや家庭不和ともなれば、早々と結婚するでしょう。

「俺は家庭を持った。これで一人前だ。もう金輪際、俺に関わらないでくれ」

と、実家に言い放つのです。
営業部のエースなら、そこそこの生活が送れるでしょう。

休みの日にベビーカーを押して銀座散策くらいは出来るんじゃないですか。
孫の顔を印籠代わりにして、うるさく言うのを回避しますよね。


踏み切れないということは、凪のことが本当に好きじゃなかったんですよ。
彼女の態度が鼻につく。
女で28にもなって、未だ踏み切って貰えないってヤバいですよ。
24,5でさっさと結婚して、遅くても26には子が居るくらいでないと。
不妊なら仕方ないですけど、それでも結婚はしてますよね。
勝ち組ってそんな感じです。

これを言ったらお話にならないのですが、凪の出身が北海道ってありえないですよね。
道民が上京出来る程の金を持っていると思いますか?
無理でしょ。
精々、札幌に就職が関の山ですよ。
北海道を脱出したいのであれば、頑張っても岩手です。
宮城も?
宮城ねえ…。

自活するにしても、相当つらいです。
水商売は欠かせないですし、それをしないとなると荒川弘みたいに女の身で男に混じってキツい仕事に就いたりして、日銭を稼いで糊口をしのぐしかない。

都内OLになるには、遠くても茨城出身くらいでないとリアリティーが全く無いです。
シンママの夕から自立するのに、どうやって凪は稼いだ?
あのばあさんがお金を出してくれるとは到底思えない。
夕だって、都内では凪を育てていけないと思って実家に帰ったんですよ?

そうなると、夕は上京の為にすすきので頑張ったのかな?と想像出来ますよね。
そのくらい気が強そうな感じ。
引っかかった男がチャラくて…。
やっぱりな、という。

凪もなのかなあ?
だから、設定が不自然すぎて…。

もし、大学進学を機に上京したというのならアリです。
それだって、お嬢様でないと無理です。
ゆめぴりかを大量に栽培する大規模農家で、やっとかも。

ゴンさんはあれでいいですけどね。
でも北海道まで凪を追いかけないでしょ。
漫画の強制力というやつで、紙面上で踊らされたのでしょう。

彼はDJとして適当に活躍し、やがて昇りつめて裏で音楽関係の仕事に就くでしょう。
というか30を超えているなら、とうに就いていますね。
あれだけタトゥーだらけなら若い子の間には長い時間いられないので、彫師関係に就くなり、シルバーアクセの店を開くなり…。

ゴンさんは、どうみても幻影です。
有り得ない。


空気読めない集団のお話だったんですかね。
世渡り下手すぎっすわ。


ちょっと、切ったカードに無理があったかな…と。
登場人物が10代なら、あり得る感じでした。


漫画にリアリティーを求めてもなあ…となりますけどね。
でも、リアリティーがどうしても必要な境界線ってのがあるんですよ。

世の中の7割くらいの人の腑に落とさないと、面白いとはならないのです。
奇抜だけでは良作にならない。

それを更に乱発って?
クリエイターのお仕事は、選ばれた人にしか出来ないんじゃないでしょうか。
サービス業ですからね。
第三次産業の厳しさ。
基本、称賛は無しだと思って、更に貧乏は基本と思えないとやっていけないです。

これは凪とは関係ないですけど。


しかし、大島凪が親にきちんと認めて貰うには、親のトラウマを理解して家業を継ぐしか方法はなさそうです。
イエスマンになって、スルースキル1級師にならないと。

乱暴な人間模様を描くだけでは、ちっとも作品は楽しくないです。
トゲトゲしさばかり目立って、読者は辟易しています。


夕凪ではなく、夕波だったら少し違ったかもしれない。

という、感想記事でした。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?