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【#一分小説】適音《第九話》

 「さあ、それではランキングの発表を続けて参りしょう!第8位です!
 『南ヶ丘』佐伯美加さん、先週の第8位でした。今週は……、
 『あの夏のゴルゴンゾーラ』野村茉莉花さん、初登場第8位でーーす!おめでとうございまーーーす!!」

 「さあ、今17歳のマリマリ、最近ハマっていることがあるということで……。」
 「はい、あの、このミックスピザ入れなんですけど、ここのところを開け閉めするのにハマってます。」
 「へぇーー、そうなんだぁー!?一日でどのくらいやったりするの??
 「え、あの、もうそれは、一日中です。」
 「へぇーー一、一日中なんだぁー!?まぁ、頑張って下さいねぇー!?」
 「はい、ありがとうございます。」
 「はい、どうも、それでは歌のスタンバイお願いしまーーす。」

 「ねぇー、ホント可愛いですよねぇー。ミックスピザ入れねぇー。明日から皆真似しちゃうんじゃないですかねぇーー!?」
 「はい、ねぇー、へぇ、というわけでねぇー。」
 「はい、それでは歌っていただきましょう。今週初登場第8位です。『あの夏のゴルゴンゾーラ』野村茉莉花さんです。どうぞ。

 晴れ渡る夜明けのサンライズ
 瞳に映った影もなくキレイなあなた

 嘘つきたくなる ひまわりのエトランゼ
 だってあなたに恋していたのだもの

 海まで走ってみせて
 決して振り向かないで
 そっと振り向いて

 あの夏はゴルゴンゾーラ 溶けそうな恋
 見つめないで今夜までは
 あの夢は100万バレル 全て雨でさらって
 あなたにキスしたい

 待ち佇びた夜明けのサンライズ
 また見れた奇跡に酔うままあなた

 アイスのように溶けた
 愛は儚く今も
 私にささやく今も

 あの夏はゴルゴンゾーラ 溶けそうな恋
 彼に逢いたい 今夜だけは
 抱き寄せて100万ルピア 全て風に舞うだけ
 あなたにキスしたい

 あの夏はゴルゴンゾーラ 溶けそうな恋
 見つめないで今夜だけは
 あの夢は100万バレル 全て雨でさらって
 あなたにキスしたい
 あなたに夢見たい
 あなたをキルしたい

 「はい!ありがとうございましたー!まあ、素適なお衣装でしたねーーーー。」
 「はい、それではランキング発表を続けて参りましょう!」

(つづく)

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