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trip.


生まれてはじめての「旅公演」ってやつをやってます。

なかなか面白い。


そもそも僕は、「旅行したいー」とか思わないタイプ。人生で「旅行」と呼べるような旅は数えるほど。

行ったところがあるのは、中高の修学旅行を足しても、北海道、長野、沖縄、奈良、京都。それくらい。

だから、旅慣れているわけでもなく、「ホテルに泊まる」ってこと自体、同世代の人たちに比べればあまりしてこなかったと思う。


プライベートでは特に進んで旅をするわけじゃないからこそ、いまみたいに「仕事だから」という理由で旅ができるのはとっても貴重な体験だなあと思ってます。

高校時代からずっと使っていたスーツケースはボロボロになってたから、新しくひと回り大きいのを買って。

僕は遊びに行くわけじゃないからと思い、ちゃんとした体調管理はまず睡眠から、ということで枕を持ち歩いてみたり。

そんな生活の中で気づいたことがいくつか。


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旅の「公演」だから、新しい土地に出会うのと同時に、「新しい劇場」に出会うことになる。

今回のプロダクションは、舞台の装置をすべて丸っと移動させているので、舞台面の変化はない。

けれど、袖中の環境は変わるし、舞台の天井の高さも変わる。なにより、客席がぜんぜん違う。劇場の広さも、奥行きも。

横に広い劇場、縦に高い劇場、客席のいちばん奥が遥かに遠い劇場、舞台面に立ってまっすぐ前を見るとお客さんでなくて壁しか見えない劇場。いろいろある。

ちなみに僕は特定の信仰を持ってるわけではないが、「舞台の神様」はいると思っている。会場に入ると舞台の真ん中に立って「舞台の神様」に挨拶をしたあと公演の無事を祈るのだけど、当然、各会場、神様の気質も違う気がする。


毎回、舞台面の広さや客席の形状・素材の違う空間で、常に高いクオリティのオペレーションを要求される照明さんや音響さんは、本当にすごいと思う。大変な職業だ。まさにプロフェッショナル。

劇場空間が変われば、そこに立つ僕たちも身体性が変わる。

見える景色が変われば、受け取る情報も変わる。

結果、僕たちの状態が変わる。歌が変わる。芝居が変わる。

そこにいてくださる、お客様の状態も、土地によって違う。

どんな文化圏で生まれ育ったのか。どんな風を感じ、どんなものを食べて育ったのか。それによって物語によって受ける変化の質感もぜんぜん違う。そしてそれに僕らも影響を受ける。


今日もひとつ学びがあった。

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