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こむら返り

足がつることを、こむら返りと呼んでいます。主に夜におこる足のけいれん発作のことで、海外では、Leg cramps、Noctunal leg cramps という名称で知られています。自分の意志とは関係なく足にだけおこり、通常は痛みを伴うのが特徴です。また緩和しても、しばらくの間、筋を違えたのか?と感じる違和感さえ残ることもあります。こうした、足のつりは足や手などの筋肉が伸縮バランスを崩して異常な収縮を起こした結果、元に戻らなくなったためと考えられています。

こむら返りは、ふくらはぎの筋肉が一番有名ですが、足から太ももまで、脚のどこにでも起こる可能性があります。夜に発生することが多く、通常は数秒から数分しか続きません。

実はこむら返りは、非常にありふれた疾患でもあります。歳を追う毎に発生頻度も高くなり、50歳までに誰もが一度は経験し、50歳以上の3割の方がこむら返りになると言われていますが、あくまでも統計データであって、年齢との科学的根拠はわかっていません。


一般的にアドバイスされる予防策

・水分・ミネラルをこまめに補給する

・身体を冷やさない

・湯船に浸かる

・空いた時間でストレッチや屈伸をする

・栄養バランスに気を配る

・重い掛け布団を使わない

・ハイヒールなどの着用を控える…等々です。


その予防策から伺える原因とは…

・活動の少ない高齢者の筋肉の長さが短くなっている

・妊娠

・脱水

・電解質異常:マグネシウムやカルシウムの欠乏など

・慢性腎不全(透析されている方など)

・末梢の血管疾患(静脈・動脈):静脈瘤や動脈硬化など

・末梢の神経障害: 腰椎椎間板ヘルニア・糖尿病など

・甲状腺機能異常

・慢性肝不全

日中の休んでいる時にもこむら返りを発生することもありますので、夜との関係だけでも未だ不明です。一般的にご紹介されている予防策を拝見しての原因を推測すると、たかがこむら返りとも侮れません。でも筋肉は、脳で抑制制御されている訳ですから、神経筋制御論に沿って予防改善法をご紹介してみますので、気になる方は、お試し頂ければと思います。

地面から足が離れる際は、地面を蹴るのではなく足裏全体をやや同時に地面から離れるように、抜き足になるようにして歩いていますから、ハムストリングやふくらはぎといった脚の後ろ側の筋肉を伸ばす様々なストレッチは無効じゃないかと考えます。

下腿三頭筋

下腿後面にあり、通称ふくらはぎと呼ばれています。腓腹筋とヒラメ筋からなっていて、前者は2頭で大腿骨下部から、後者は1頭で下腿骨後面から起こり、計3頭です。 ふくらはぎのふくらみをつくる。 下方は両者合してアキレス腱となり踵骨にくっついています。

腓腹筋は、浅層にある筋肉でヒラメ筋とは異なり膝関節をまたぐため、つま先を伸ばす運動や膝を曲げる運動に関係します。疲労しやすい筋肉でもある為、こむら返りが起こるのは腓腹筋の痙攣によるものと言われています。

 ヒラメ筋は、腓腹筋と同じくつま先の運動に力を発揮する筋肉です。ヒラメ筋は膝が曲がっている時でも筋力を持続させる事が出来ます。歩く際によく使われる筋肉なので疲労が溜まりやすいのも特徴です。

仕組みや働きがわかっているのに、こむら返りの予防改善法として紹介されているのは、いずれもハムストリングやふくらはぎといった脚の後ろ側の筋肉を伸ばすさまざまなストレッチです。前回でも述べましたが、筋を長く伸ばす動作は、大脳皮質(脳)からの随意的指令が、動作の途中で強く続く続くために、逆効果につながります。

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