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山で“人とすれ違う”ことで、誰かの命を救えるかもしれない機能をつくりました

こんにちは、YAMAPのPRをしている@さきむらです。

この度、YAMAPに新たに追加された「みまもり機能」が、社会的意義のあるものなので、もっと多くの方に知ってもらいたくこの記事を書いています。

早速、日経MJで取り上げられました!


みまもり機能について

一言で表現すると、登山中の位置情報を家族や友人に共有できる機能。

待つ人にとって安心の機能であり、万が一の際には山岳救助において重要な情報を生み出す機能です。

正直、自分の位置情報を共有するだけであれば特筆することではないのですが、「みまもり機能」は山ですれ違った人の位置情報をYAMAPのサーバーに送ることで、電波が届かない場所の位置情報もスマホだけで共有ができるという点で画期的なのです。

要するに、圏外のエリアだとしても、自分とすれ違った相手がオンラインに入れば、すれ違った地点の位置情報を家族や友人が確認できる。万が一、圏外でのトラブルで身動きが取れなくなった場合にも、「この時点ではここにいた」という情報が残るため、山岳救助にも役に立つ情報となります。


何が革新的で、意義があるのか

繰り返しにもなりますが、電波が届かない場所の位置情報を、YAMAPのサーバーへ送れることです。

実は、オフラインでも自身の位置情報を共有する技術やツールは、すでに存在します。LPWAと言われる長距離まで届く電波、衛星のインターネットを利用したり、ドローンを活用するといった方法もあります。

YAMAPでも、もちろんそういった手段を使ってのリアルタイム性のある位置情報共有の展望はありますが、今回のみまもり機能は、誰しもが持っているスマートフォンさえあれば、安全登山のネットワークに加わることができるという点で意義があると考えています。

YAMAPはダウンロード数が2019年6月時点で130万(国内No.1)、5月には活動日記の投稿数が25万を超えました。多くの山で、YAMAPユーザーが誰かしら登っている状況です。(多い日だと、同じ山域で1日1000人ものYAMAPユーザーが登っていたりもするんです)

つまり、多くのYAMAPユーザーが山にいるので、お互いの位置情報を交換できる可能性が高い。他の登山者が自分の位置情報を圏内まで運んでくれる可能性が高いということになります。

みまもり機能は、使う人が多ければ多いほど、より強力な安全網が形成されます。私たちもより多くの方に使ってもらえるよう、働きかけを行っていくつもりです。


どんな変化が起こりうるのか?

この機能によって、どんな変化が起こりうるのか。2つほど考えてみました。

1.山岳救助における武器(情報)が増える

一番起こってほしい変化です。

これまでの山岳救助で、一般的に(特殊なサービスや端末などを保持していない前提で)救助に役立つ情報といえば、

①登山届の情報 or 家族などに残したメモ・メッセージ
②山での目撃情報(駐車場された車など含む)
③本人からの電話やメッセージ

といったところでしょうか。

登山者本人が圏内であり、通話などが可能であれば、捜索範囲の絞り込みはグッと楽になりますが、①②のみの場合は苦戦(絞り込みの根拠が薄くなる)を強いられます。

今回のみまもり機能では、下記のように登山者が歩いた場所をトラッキング、家族や友人が確認できます。この中には、電波が届かない地点のポイントも含まれるのです。

登山者の家族や友人は、この画面を見ながら不審な点があれば本人に連絡を取ることもできますし、万が一のときは、警察などにこの情報を提供することもできます。

家族や友人が確認できる登山者の位置情報をトラッキングした画面

いかに早く救助できるかが重要な山岳救助において、情報量の多さは大きな武器です。みまもり機能は、万が一の際にきっと貢献できると考えます。

2.トレイルランニングやロゲイニングの大会などが安全になる

少し目線を変えて、山の人の動きをある程度管理する立場から考えてみます。その一つとして、トレイルランニングやロゲイニングなどのフィールドを舞台とする大会の主催者サイドがあるのではないでしょうか?

国内でも規模の大きいトレイルランニングの大会ではランナーのトラッキングなどが行われていますが、そのためには専用端末を活用したりでコストも少なからずかかります。

そこで、参加者がYAMAPを利用し、なおかつ位置情報の共有先を大会運営者にしていれば、大会を通して主催者側が参加者の動きを追うことができます。電波が届かない場所でも、参加者同士がすれ違ったり近づくことで、時間差はあれど位置情報が記録されるので、より安全性が高まります。遠からず、こういった実績も生まれるかもしれません。


次回は。。。

今回は「みまもり機能」をまずは知って欲しいと思い記事を書きましたが、次回はこの機能を生み出したYAMAPのエンジニア森脇さんとYAMAPの代表春山さんのインタビューをお送りします。機能が生まれた背景やきっかけから、この機能に託す思いまで、丁寧に書きたいと思います。

乞うご期待ください。

追記:公開されました。



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