写真は理論なのか感性なのか

こんにちは。山写です。

登山と写真で仕事をしている人。の中の人です。

写真を撮ることで生活しているため、色々な写真の価値観に触れる機会があります。例えばいい写真を撮るためには自分の感性を大事にするのか、理詰めでアプローチするのか。

写真を上手く撮るにはどっちのアプローチが有効なのかと言い換えることもできますね。

今日はそんなお話をしようと思います。ちなみ私は理論派です。

感性は理論で培われる

実のところ、レベルが上がれば上がるほど感性が重要になってくると思っています。

いきなり最初に言ってることと矛盾してるじゃないか!と思いますよね。その理由を掘り下げていきます。

イレギュラーはもちろんありますが、画家も写真家も基本技術はみんな習得しています。絵を書くならデッサン、写真家なら露出や被写界深度、光の読み方など。

つまり一定以上の勉強量があるんです。

例えば被写界深度を浅くすると背景がボケるから主題が引き立つということを理解します。それはもう完全な理論で感性の話ではありません。

その情報のインプットがありはじめて被写界深度を浅くしようという発想が生まれます。

パンフォーカスをとりたい、被写界深度を深くしたいならF値を上げるという考えも同じく理論ですよね。

こういった「何ができるのか」ということを知らないと写真の選択肢が少なく発想が生まれてきません。

その足がかりになるように写真の基礎技術をnoteで紹介しています。

理論構築の自動処理から生まれる感性

理論、それはカメラの基礎知識と言ってもいいかもしれません。そういったものが積み重なると何ができるようになるかと言うと考えるまでもないことの自動処理です。

被写界深度、焦点距離、パースなどなど。普段なら写真撮影で80%くらいの能力を使って考えることが20%で行えるようになります。

そうなると当然更に考えるリソースをたくさん取れます。

手前をボカした方が奥行き感出るよな、それに最適な場所はここではなく50m先のあの丘からの方がいいかもしれない。

そういった新しい着想を得ることができるようになります。

お気づきの通り、「手前をボカした方が奥行き感が出るよな」という発想は被写界深度の理解があってはじめて得られる考え方です。

教科書をなぞるのではなく、撮影現場で「もっといいもの見つけちゃった!」となるのは感性の1つだと思っているのですが、その着想の根底には理論があるということになります。

そうなると今度は撮影現場に到着して回りをキョロキョロ見渡し「あの場所が前ボケの写真に最適だよね」ということが自動処理されてからの撮影になります。はじめて発見したときよりも撮影リソースがたくさん取れるので、さらに新たな着想が生まれます。

そこで最初のレベルが上がるほど感性が必要というお話に戻ります。

より美しい写真、より売上を出す写真。そんな写真を撮るためにはあらゆる基礎を自動処理した上で、考える時間とトライアンドエラーする時間が必要です。

そこからが新しい発見(感性)の出番です。

新しい着想や発想も理論の先にあるもので、その状況を生み出すのも理論を習得したからこそのものなんです。

理論は直感力につながる

同じ時間、同じ場所で撮っていたのに自分の写真と全然違う!あの人は感性が違う!と思うことも私も駆け出しのころはよく思いました。

でもそれはロジックで説明できます。

よく言われる「勘」と呼ばれるもので刑事の勘なんかはドラマでもよく出てきますね。

色々な技術を勉強して経験を積むとなんとなく正解が見えることがあります。風景を見ているだけで理想的な写真の仕上がりまで想像できてしまうようなシーン。

それは無意識に色々なロジックが組み立てられていることで、あまりに膨大で複雑過ぎて口で説明するには時間がかかるけど絶対にいい写真になると確信している状態です。

なのでさくっと気軽に撮っているようでものすごく重厚なバックボーンがあります。

撮影技術・発想力・被写体の理解力、経験、色々なものが混じり合い言葉にできない技術になったのが感性というものなのではないかなと思っています。だから誰にも真似できない唯一無二のものになる。

感覚に頼るのは理論を通してから

写真における感性を磨くにはたくさんの理論の勉強と実践が必要と思っています。

少なくとも私のまわりで感性を口にして、理論を解説できない人は見当たりません。聞かれれば時間をかけて説明できるけどめんどくさいから口にしないというだけ。

よって、「いい写真が撮れたから自分の感性が優れている。その説明は口できるものではない、感性なのだから」というのはただの思いこみで、偶然撮れただけと捉えています。勉強量が圧倒的に不足しているかもしれません。

理詰めで詰められることがあるうちは理論からアプローチした方が確実で自分の成長にも繋がります。

少ない知識と技術から得られる感性は、やはり小さい感性であり精度が悪いものです。その段階で感性を頼りに写真を撮ってしまっては非常にもったいないと思います。

たくさん理論を勉強し、多くの人の写真をみて分析し、被写体を理解し、光を読む。そんな統合された技術が感性なのだと考えています。

感性は大事、だけどそれを創るのは理論。そんな風に考えてみてはいかがでしょうか。

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山写

山岳写真専門のネイチャーフォトグラファー。愛機はNikon D4SとFUJIFILM X-H1。エベレスト・マカルー・モンブラン・ヴァイスホルン・カンチェンジュンガなどに登り、現在は日本の北アルプスをメインに活動中。愛用の登山ブランドはfinetrackとMAMMUT。

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