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山岳写真を安全に撮るための登山の知識と撮影技術

こんにちは。山写です。

山岳写真を専門とするネイチャーフォトグラファーをやってる登山と写真で仕事をしてる人。の中の人です。

このnoteに興味を持っていらっしゃる方は山で写真撮影をする人。そのための技術や知識を得たい人かと思います。

ですがその前に知ってもらいたいことがあります。それは山岳写真は登山よりも危険であること。ヒマラヤ8000m峰から日本の北アルプスまで様々な山を登り、写真撮影してきた経験からそれは断言できます。

しかし山岳写真にはどんなリスクがあるのか…機材を背負い山に登る技術と撮影技術を両立した「山岳写真」を学べる場が少ないのが現状です。「登山」と「写真撮影」は線引されてしまっています。

私はその分断された登山と写真を横断する山岳写真家。ヨーロッパやヒマラヤをメインフィールドにしており、アウトドアメーカーと共同で仕事をすることもあります。フォトグラファーの中では限りなく登山家に近い存在と言えるかも知れません。

山岳写真の危険と魅力の中で生きてきた経験から、山で写真を撮りたい人が十分な知識を得られる場所を作るために「登山用具は命を守るべきギアである」ことにこだわる日本のアウトドアメーカーfinetrackさん、登山用の時計で有名なSUUNTOさん、山岳ガイドと共に山岳写真撮影を安全に行なうための登山技術をまとめ、同時に海外で使われることの多い撮影技術を共有するセミナーを行いました。

安全に山に登り、最高の写真を撮ってもらいたいというコンセプトです。

finetrack TOKYO BASEで行った山岳写真セミナーでは平日開催にも関わらず定員20名に対し150人を超える応募者があり130人以上のキャンセル待ちになりました。

特に撮影技術に関しては日本では馴染みがないものを多用するため、セミナー参加者の方には新しい着想をご提供できたのではないかと思います。

山岳写真セミナーの感想

本書でお伝えしたいことは山に安全に登れて、はじめて写真撮影ができること。そして苦労して山に登ったからには美しい写真を撮って欲しいこと。よって「登山」と「写真撮影」に分けて解説していきます。

「登山編」では山岳写真特有の危険やリスク回避。「撮影技術編」では山岳写真特有の構図や被写体の探し方。そこから踏み込んだライティング技術を作例と共に解説します。

内容はfinetrack TOKYO BASEで行った山岳写真講習会で行ったものをブラッシュアップしたものです。

本来は非公開での低人数でのセミナーでお話しようと思っていたものですが、東京開催のセミナーに来ることができない地方在住の方からのご要望が多かったこと、登山領域から山岳写真のリスクを正面から受け止めて発信するコンテンツが調べた限り見つからなかったので公開することにしました。

このnoteの収益はfinetrack TOKYO BASEでの山岳写真セミナーの経費に当て、アウトドアメーカー×山岳ガイド×山岳写真家による良質なコンテンツを低価格(できれば無料)で継続することで日本の山岳写真に貢献できればと考えています。

ゆくゆくは日本のネイチャーフォトグラファーさんが主導し、多くの方の山岳写真での悩みを解決できるコンテンツになっていければと考えています。

撮影に関しては教科書的なものではなく、私が実際に仕事で使って報酬を得ている技術を作例と共に解説します。シャッタースピード・絞り・ISO感度の3つの組み合わせによる露出を一通り理解されている方が対象となります。

また内容の半分はブログ「登山と写真で仕事をしている人。」に書いた記事をベースにしています。

対象季節は残雪期~晩秋。撮影機材を背負いながらの登山技術とリスク管理、写真の基礎技術の先にある実践的なテクニックを得たい方のみご購入ください。

本書の内容
山岳写真で起こりやすい事故
登山をしながら撮影する危険性
 ・超重量を背負うリスク
 ・山岳写真による事故の一例
 ・山岳写真は自己責任?
 ・救助を呼ぶ際の判断基準
 ・山岳写真における身体への負担
 ・山岳写真は登山の行動としては最悪な理由
 ・ザックへのアクセスを最低限にして体力を温存する
山岳写真に適したウェアの選び方
 ・山岳写真で使用しているウェア
 ・汗冷え対策に特化した保温着
 ・稜線や夜間の撮影での保温の考え方
 ・山岳写真に便利なアクセサリー
モートン病
撮影機材のパッキング
 ・撮影機材の保護
 ・初心者はどのくらいの重量を背負えるのか
撮影機材を入れたときの歩き方
一眼レフ・ミラーレス一眼の携行方法
 ・山岳写真に適したカメラ
 ・山岳写真に使用するカメラアクセサリー
 ・カメラを携行するアクセサリー
山岳写真の撮り方
 ・いい写真とは何か
 ・広角レンズの特性
 ・標準レンズの特性
 ・望遠レンズの特性
 ・絞り(F値)の考え方
構図
 ・複合三分割法
 ・フィボナッチ黄金比
 ・放射配列
 ・構図を組み合わせる技術
登山をしながら撮影するときの基本設定
手ブレしないカメラの構え方
【5/30追加】渓谷での被写体の探し方
 【5/30追加】川を主題にした撮影方法
 【5/30追加】岩を主題にした作例撮影方法
 【5/30追加】渓谷での撮影アプローチ
【9/22追加】オブジェクトを分析して立体感のある効果を重ねる
被写体の探し方
 ①超広角での世界観の表現
 ②平面を切り抜く
 ③稜線の動きを表現する
 ④手前に要素を入れて遠近感を出す
 ・ピントの取り方
山岳写真におけるライティング
 短時間で撮影条件と写真は変わる
 ライティングの条件で構図が変わる
 撮影のパフォーマンスを上げるギア
 撮影スケジュールの組み方
撮影する上でしてはいけない迷惑行為
光の質とディテール予測の勉強方法
 ストロボライティングに挑戦する
安全な登山の先にある山岳写真

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