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1万人が1回購買より、100人が100回購買する事を目指す

ブランドのコミュニティをどう創るのか?

6月1日にMinimalの新業態であるガトーショコラ専門店を代々木上原にオープンします。新店オープンに際してクラフトファンディングを初めてやってみる事にしました。

経営者としてはクラファンで店舗開業資金が集まるのは嬉しいけど、正直クラファンで開業資金集めを目的にやると需要の先食いだけだなーと悩ましいし、なんか今更クラファンやるのはどうなのかという意味不明な気乗りのしなさがあったのはここだけの話です。(笑)

では、なぜ今回クラファンをやる事に決めたのかと言うと、これからのブランドや小売業のあり方を僕なりに真剣に考えた結果、一つの実験的な試みとしてクラファンという装置を使ってみたいと思ったからです。

これからのブランドや小売業において、「コミュニティをどう創るか?」は大きな命題です。

情報の非対称性がなくなり、個人の価値観が多様化していく中で、ブランドの旗を立てて、いかにそこにお客さんに共感してもらえるかがとても大事であると常日頃から感じています。

もう少し言うと、ブランドというのはお客さんの心の中にしか存在しない。つまりお客さんがこのブランド好きだなと思ってもらえないと、ブランド化しないのだと思います。

だからこそブランドのコミュニティを創るには、お客さんの中で共感の接点を醸成して、きちんとブランド化していく必要があります。

真摯で妥協ないモノづくりを追究して、プロダクトが起点になるコミュニティ創り

コミュニティと言ってもその在り方は千差万別、多種多様であると思います。ではMinimalにおけるコミュニティはどのような在り方が適しているのか。

そのヒントはこれまで行ってきたMinimalのイベントに隠れていると思いました。Minimalは体験を重視して、週2回~3回の頻度でワークショップなどのイベントを行っています。イベントはお客さんと一緒になってチョコレートを創ったり、ペアリングしたり、時には商品開発したりします。僕もナビゲーターとしてイベントに参加しますが、そこでお客さんとこんなやりとりが良く起こります。

私「あれ?齋藤さん、今月お会いするの4回目ですね!」お客さん「そうなんです。ワークショップ、ティスティング、Minimal′s Tableなど全部参加してます。実はそれ以外にスイーツも食べに来ているので、それ合わせると今月5回目です(笑)」

ブランド側にとってなんて素敵なお客さんだろうか。

当然僕も含めてスタッフはそのお客さんの顔も名前も憶えていて、個人名で会話ができるほどの距離感です。

そして、お客さんもブランドの事を深く理解してもらっていて、厳しくも暖かく一緒にブランドを創ってくれている仲間ともいえる存在です。

そうMinimalにとってコミュニティが存在するとすればこんなお客さんとの深くもフラットな関係が紡ぎたいなと考えました。

恐らくこういうお客さんが最初から存在したわけではなく、Minimalとの関係性を少しずつ深めていった結果、Minimalのファンになって頂けたのだと思います。

そう考えた際に起点は何かというと、それは間違いなくプロダクトではないかと。

これまでの話の流れからイベントなどのスタッフとの交流やブランドの理解の機会と答えたくなるが、そもそもそういったイベントに参加しようと思ったり、ブランドの事をもっと知ってみようと思ったきっかけはやはりプロダクトであるチョコレートを食べて美味しい!と思って頂けたからではないだろうか。

どんなに素晴らしい体験やスタッフがいても、そもそもチョコレートがまずかったら、そのブランドのファンになるかというと、そのハードルは高く、難しい。

1万人に1回買ってもらうよりも100人に100回買ってもらう事を目指す

Minimalはクラフトマンシップを大事にして手仕事で丁寧にモノづくりをしているブランドです。

そのプロダクトがファンを創る起点になっている事はとても嬉しい事です。ただ、手仕事でやっている以上、どうしても大量生産することは難しいし、嗜好性を重視したプロダクトを創っているので、万人受けして出入りの激しい一見さんを取り続けるというコミュニティの在り方はそもそもフィットしない。
無理やりにでも量を造り、クオリティを落としていく事につながっていく。

だからこそ、コミュニティの在り方を考えた時に、1万人に1回買ってもらう事を目指すのでなく、100名に100回買ってもらう事を目指すブランドであろうと考えました。

例え全ての人に好かれる事ができなくても、好きになってもらえる理由をきちんと提示できるプロダクトを提供する事で、一部の人たちが明確に好きな理由が言える状態を創ることを目指す。

そして、長い時間軸でその人たちが何回も購買したり、イベントに参加したりするコミュニティを創ることがゴールだと思いました。

つまりLTVが高い人たちのブランドコミュニティ創りです。

ブランド経営におけるBS部分を創っていく事に投資する覚悟を持つ

LTVが高いお客さんが集まるブランドコミュニティを創っていく事は、人生という長期的な時間軸で100回以上Minimalのチョコレートを買って頂けるお客さんをたくさん創っていく事です。

ブランドを会社に見立てていうと、BSの資産を強化していく事だと思います。

ブランドというものを扱うならばこのBSへの投資は必須で、ブランドエクイティを高める行為だ。

しかし、これが本当に難しい。
かなりの覚悟がいる。

それは、ブランド経営をしていると、どうしても短期的に成果が見えやすい施策に目を奪われがちです。なぜなら実際に経営をしていると、すべてのステークホルダーにとって1回の購買でもいいので1万人の一見さんを見つけてくることの方が短期的で成果が目に見えやすくジャッジするのにわかりやすい。そしてきちんとその瞬間にキャッシュを生むものである事が多いからです。

これはブランド経営でいうPLを強化する事である。このPLを強化することに躍起になり過ぎると長期的なBS部分への投資が置き去りにされることが多い。

BS資産をブランドエクイティとすると、それは測定がしにくい。ロジカルに説明が難しく、ともすれば感覚的、感情的なものに思われてしまう。加えてBS資産は効果が出るまでの時間軸がとても長い。目に見えない時間を我慢強く耐える事は経営としては覚悟と胆力が必要です。

また難しいモノで、長期的な資産形成が大事だといって、ブランドを経営していくために実際にPL部分の強化を全くやらなくていいわけではない。

ブランド経営者として大切な事は短期的な時間軸に目を奪われてBS部分を疎かにしないという目線を持つという事である

その観点で、LTVの高いブランドコミュニティを創ることはブランド経営におけるBS強化への投資であると考えています。

短期的は支援という形で、長期的にコミットして頂ける可能性があるファン獲得するという意味で今回クラファンをやってみようと決めました。

クラファンで短期のPL強化と長期のBS投資の両立ができるのではないかと考えたのです。

クラファンで募集するのはお店の特別会員

LTVの高いコミュニティ創りを考えた際に、今回クラファンを使って募集をかけてみる事にしました。募集をするのは、代々木上原店の特別会員です。

特別会員とは何かというと、端的に言うと「完全予約生産する限定数の特別ガトーショコラを購買できる人」です。(その他特典はつくけど今は割愛します)。

特別なガトーショコラは、品評会で受賞した特別なチョコレートを使ったり、効率を度外して少量だけしか作れない特別な製法で仕上げたり、いつも以上に手間ひまをかけたガトーショコラにするつもりです。

やはり起点はプロダクトがおいしい事だと思ったので、新業態をスタートするタイミングできちんと新しいプロダクトであるガトーショコラに価値を感じてもらう機会が大事だと思いました。

ガトーショコラが美味しいから会員になり、そこからMinimalとの関りを深めていき、人生で100回以上購入して頂く関係性になっていきたい。

これまで4年間ブランドをやってきて美味しいと思って頂いている方が一定数いるであろう今だからこそこのチャレンジをしたいと考えました。

一方でクラファンを通して初めてMinimalを知る方々も当然いるはずです。なので、全て特別会員ではなく、ガトーショコラを単純にリータンにするものも用意しました。

ゆくゆくはコミュニティに参画してもらうのに、大事な事はプロダクトを食べてもらう機会を創ることであると考えて、通常価格よりもお得に購入できるようにしました。

クラファンという形式を使う事で、自分たちが何をしたいかをきちんと表明できて、それに共感した人が支援してくれるという構図が成立します。

実際にうまくいくかはわかりませんが、これからのブランドや小売業の在り方を考えて、Minimalがどんなコミュニティを創りたいかを考えた際の実験的な取り組みです。

ブランドとのコミュニケーションがとれる関係性を創るための特別会員の募集です。正直、会員という事にどこまでお客さんが興味を持って頂けるのか半信半疑で不安な部分が大きかったです。

このnoteを書いている時点で、開始して1日経過しましたが、開始初日から驚くほど反響を頂き、目標金額を開始1時間で達成し、初日で450名近い支援者が集まったのです。

本当にびっくりしましたが、大変ありがたいことに本当に心優しいコメントや期待を頂きました。

以下から応援頂いたコメントを見れるのでぜひご覧ください。

ほんの少しですが、ブランドコミュニティを創る事への光が見えた気がしました。本当に嬉しいです。

とはいえ、まだまだクラファンは始まったばかりです。ここから2ヵ月強の長い道のりです。
上記を読んで興味を少しでも持って頂けた方はぜひこの機会にクラファンのサイトを覗いてみてください。


Minimalの商品に少しでも興味を持って頂けたならぜひこちらからご覧ください。

僕の個人的な超オススメはこの時期限定・Web限定の生ガトーショコラです。クラファンを行っている新店でのガトーショコラとは別物で生っぽいガトーショコラです。

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山下貴嗣_Minimalチョコレート

脱サラしてコンサル業界から未経験でチョコレート業界へ。「Minimal -Bean to Bar Chocolate-(ミニマル)」代表。1年のうち4カ月程度は赤道直下に買付に。noteではリアルなブランド経営の学びをお届けします。Twitterは@taka_minimal

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