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【OW2:コラム】ドラド第一と、技量と面白さのバランスと。

 コラム。

 ※もちろん一般的なレートの野良マッチを想定したものです。


◯ドラド第一

 最初の高台エリアを過ぎ、角を曲がった先でペイロードが止まることがありますね。

ここ。

 こうなった時に、どうするのがいいんでしょうね。

 
最近の試合としばらく前にもここで止めて勝った試合があって、リプレイを見直して相手側の立場になって考えても、「無理じゃね?」と思ったりもします。

 マップ特性や攻め方・守り方を一つずつ考えていきましょう。

◇正面が狭い

 正面の通路は非常に狭く、ペイロードも邪魔です。
 ペイロードの接触判定は割と大きいので、画像のタンクの位置でチョロチョロしてればペイロードを止めることができます。
 正面突破できるほどの構成相性があるならともかく、基本的に正面からだけではキツい場合が多いです。

 正面からだけでは無理ならば、複数アングルから包囲すればいい。OWの基本。

◇ポジションが少ない・遠い→弱い

 正面以外では、画像のオレンジ・黄色の丸の位置からアングルを作れます。
 (攻撃側から見て右奥の大パックのほうから壁を超えて裏に回るやつもあるけど、特殊なので除外。)

 んで、オレンジの丸のほうは相手からも攻撃を受けるのであんまり強くないかもしれませんが、まあアッシュなんかはあそこから撃つと有効でしょう。
 あるいは、画像の黄色の丸の位置から侵攻できます。こちらはあらゆるヒーローで戦うことができるでしょう。

 なんだけども、非常に重要な問題が。遠いんですよ。

私は右のルート好きだけど、みんなあんまり使わない。

 攻撃側が遠いだけでなく、防衛側が近いんです。それがヤバい。

 OW2はタンクが一人しかいないのでタンクのいないところから攻めればいいんですが、ドラドのこの位置は遠回りしてアングルを作ろうとしても、タンクは2秒で対応できます。近いから

 さらに防衛側は、交戦前には前のポジションにいて相手の侵攻を妨害することもできます。

 こういう位置から見られて・撃たれていては、悠長に歩いてアングルを作りにいけません。
 正面から来られても、防衛側が下がるのは一瞬です。

◇リアルトとの比較

 ペイロードが進む通りが狭いマップとして、リアルトと比較してみます。

最初の通路は狭いけども。

 狭い通路でペイロードが止められるというのは同じですが、展開のしやすさが段違いです。
 高台へアクセスしやすいし、防衛側で後から登れるのは一部ヒーローのみ。
 横道も近く、更に大パックのあるほうから展開もできます。

 ドラドで横道・大パックのあるほうから展開しようとすると大変です。

遠っ!

 あるいは、後衛の安全度も違います。

 ドラドは噴水みたいなやつとか屋台みたいなやつとかで遮蔽物も多いですが、リアルトは遮蔽も少なくいいポジションがなく。
 そのため攻められるとリアルトでは下がらざるを得なくなる場合も多くあり、タンクも下がるか孤立して死ぬかになります。
 が、ドラドは防衛側は下がることなくしっかりと戦えます。

 なので、リアルトと比べるとドラドのあの位置は攻撃側はキツいですね。
 (リアルトは第一ゴール地点がキツいんだけど。)

◇ヒーローと高台と平面

 ドラド第一を難しくしている要因として、高台から平面へと戦局が移行するという点があります。

 最初の部分は相手が高台から撃ってきているので、地上系・ベタ足系では攻略が難しい。
 上から撃ってくるやつらを抑えられず、ウィンストンやD.vaに絡まれ、対処したら上に逃げられるのを繰り返していると攻められません。

 なので高台に強いタイプのヒーローで攻めることも多いでしょう。防衛側のタンクがラインハルトやシグマだったら、ウィンストンをはじめ機動力のあるヒーローで高台は制圧できます。

 が、問題はその後で、退かれてしまったらそこはもう地上戦です。
 そしてドラドの地上・平面部分は遮蔽も多く、ウィンストン等の機動力でダイブ・包囲ということも難しい。後衛からは援護が届きにくいですね。

 高台から撃ってくるやつらに対処しなければならないのに、問題となる部分は地上でガッチリと固められているのを崩さねばなりません

 チームでやってるならともかく、ただでさえ連携のとりにくい野良のマッチならば、ドラド第一では誰が高台を抑えるのか・どうやって地上を押すのかが、非常に難しく思えます。

◇どうやって勝ったの?

 最近あった試合も、結構前にあった試合も勝ちました。
 防衛側ではあそこで止めて、攻撃側では、相手の守りが良くなかったので参考にならず。

 まあ野良のマッチなんて、勝てるときはそんなもんと言えばそうなんだけども。


◯プロの試合を参考にしよう

 困ったら上手い人を真似る。去年のオーバーウォッチリーグの試合のドラドの試合を見てみます。

これで、
こうだ!

 はい

 参考にしようにも、ドラドの試合数があまりにも少なく、そして基本ダイブ。プロのダイブなんて参考にならねえ


 ここまでドラド第一の攻撃の難しさを書いたんですが、ぶっちゃけそれはどうでもいいです。
 野良のマッチなんてやってたらどこかでヌルい相手をキルできるし、アルティメットたくさん使って攻めりゃいいんですよ。 

 重要なのはここからで。


◯技量と面白さのバランス

 ドラドに限らず、エスコートやハイブリッドでは攻守交代もあるんで、別にマップ攻略が難しかろうと公平ではあるんですよ。
 ただ、公平なことと面白いことは別で

 どんな競技でもルールを守れば下手なら下手なりに試合にはなるんですが、それがある程度のレベルに達していないと、競技の内容は極端につまらないものになる可能性があります。

 例えば野球なんかは顕著で、「ピッチャーがストライクゾーンに投げられない」とか「内野ゴロ・簡単なフライも取れない」だと、野球の面白さを享受できません。

 OWはヒーローの熟練度の問題があり、上位プレイヤーでなければマップによって発揮できるパフォーマンスが大きく異なる場合も少なくないでしょう。
 私もタンクならともかく、ダメージやサポートでは高台系のマップでは上手くプレイできません。

 んで、OWでは難しいヒーローがいます。トレーサーとかゲンジとかエコーとか。あるいはそれについていくキリコとか。
 上手いプレイヤーならそういうヒーローを駆使して戦っていけるかもしれませんが、使えないプレイヤーは付け焼き刃では苦しいもんがあります。
 連携の取れない野良のマッチならなおさら。

 どうしましょう。

◯BAN

 初級者向けの記事を書くようになって、「難しいマップはBANすりゃよくね」と、そう思うようになりました。

 競技的な試合でのBANじゃなく、単純に難しいマップを野良のマッチで選ばれなくする

こういうのは競技シーンでやればいいんだけど。

 ゲーム側で決めておくか、あるいは予めプレイヤーがいくつかBANマップを設定しておいて、マッチングが決まったら各プレイヤーのそれに該当しないマップから選ばれるようにするとか。
 
 対応できないマップが選ばれなくなったら足を引っ張ることも少なくなり、味方に不満を持つケースも減るでしょう。

◇技量に合わせた仕組み

 上の方のプレイヤーならばどのマップにも対応できるでしょうし、あらゆるヒーローを使えるようになるべきという意味なら、マップBANはなくてもいいかもしれません。
 そこからレートが下になるほどBANできるマップの数を増やしていくようにするとか。

 あるいは下の方だと、もうコントロールとプッシュだけでいいんじゃないかとさえ思っています。

ーーー

 何年も前の話なんですが、女子サッカーの試合を見に行ったときのこと。
 当時のトップリーグで(今は仕組みが変わってる)、日本代表の選手もいるような試合です。
 そんなレベルの試合でも、コートを狭く・時間を短くしたほうがいいんじゃないかと、私は思いました。

 男女で身体能力の差はあり、どうしても男子に比べると、特に試合終盤ははっきり言えばグダっているような感じもありました。
 女子選手たちではスピード・パワー・アジリティ(敏捷性)などが男子とは異なるため、同じようなコートの広さや試合時間では、いいパフォーマンスが出せなくなることは珍しくありません。

 バスケットは男女でボールの大きさが、バレーは男女でネットの高さが違いますが、サッカーは男女で同じです。

 サッカーでも年代では差異があり、小学生は狭いコートで8人でプレーします。
 サッカー以外の競技でも、主に下の年代はコートの広さや試合時間などが縮小されていることは一般的です。

 スポーツならばプロでない一般の学生たちでも、何年も競技的に練習や試合をしていくなんてのは普通のことだし、しっかりと体を鍛えてスタミナやパワーも付けていくことでしょう。
 それでも、若い頃は大人と同じような環境では試合をしません

 私もサッカー部でしたが、プロと同じ90分の試合をしたことは、高校の時に大きめの大会で勝ち進んだときぐらいしかありません。殆どは60~70分ぐらいでした。中学までならもっと短いです。

ーーー

 スポーツはそうなんですが、ゲームもそうするべきなんじゃないかと、私はそう思うんですよ。

 年数だけでなく取り組む本気度のようなものも加味すれば、一般的なレートの野良プレイヤーの実力は、スポーツでいえば小学4,5年生ぐらいなんじゃないかと。
 小学5年生に、プロと同じような技量や戦術を求めるわけにはいかないでしょう。

 なんならこの記事で書いたドラドは、プロの競技シーンではほとんど選ばれてないんですよ。
 ドラドだけでなく、パライソとかヌンバーニもほとんど記憶にありません。ヌンバーニって1試合もないんじゃなかろうか。

 プロでもやらねえマップなら、一般人はもっと無理
 それらは、「単純・簡単だからプロだとおもんない」とかそういう性質でもなく。ドラドもパライソもヌンバーニも難しい。

 んで上にも書いたんですが、もう下の方はコントロールとプッシュだけでいいんじゃないかと。

 今までも記事に散々書いてきたんですが、初級~中級者には申し訳ないけども、特にタンクをやらないプレイヤーだと、ハイブリッドの第一に攻め込むの、難しくないですか?
 「チョークポイントの後ろの方で撃つ」
以外に、何をどうすればいいかを理解してないといけないんですが、現実としては、なかなか

 例えばミッドタウン第一

ハイブリッド第一はマップごとに特性が違って難しい。

 特にヒットスキャンDPSやサポートの人、ミッドタウン第一でどうやって攻め込めばいいかって、難しくないですか?
 相手がどのように守って、それに対してどんなふうにアプローチしていけばいいか、プランニングできます?

 シャドーボクシングならぬ、シャドーオーバーウォッチをやってみてください。
 味方や相手がどういう構成で、どんな風にアビリティを使って、どのタイミングでどの位置に仕掛け、侵攻していくのか。それを想定したシャドーオーバーウォッチ。
 そして実際の試合で、それができるでしょうか。「後ろから撃ってたら味方がなんとかしてくれるかもしれない」になってるプレイヤーは、非常に多いです。


 それは仕方ないことだと思うんですよ。オーバーウォッチは難しいから。
 できないんだったら、それに合わせるような仕組みにしたらいいんじゃない?と、そう思ったりもします。

 オーバーウォッチの野良マッチは、「一方的な試合になる」とよく言われます。
 そりゃそうでしょう。そもそも相性が大きいゲームのうえ、特にレートが低いとできないこと・出せないヒーローのほうが多いわけで。

◇そういうゲームってあんまりないかな

 ネット対戦ゲームにあんまり詳しくないんで知らないんですが、レートによってシステム(キャラとかマップとか)が制限されるようなゲームって、あんまりないでしょうか。

 ネット麻雀のじゃんたまは、一番上の卓以外だと、ドラが光る待ちの牌の種類や枚数を教えてくれる手にある牌が場に捨てられているかわかりやすいなど、補助機能があります。

上:銅の間~玉の間
下:王座の間


 あと大昔の話なんですが、ボンバーマンオンラインってのがあって(数年前にあったボンバーマン『R』オンラインではない)、そこではプレイヤーのレベルが低いとビギナー仕様のマップしか選べず、ある程度のレベル以上になるとノーマルのマップも選べたような。記憶が曖昧なんで、間違ってたらすいません。

 他のゲームで、最初はチュートリアルとかAI戦しかできないとか、はじめの数戦は相手のほとんどがボットだとかそういうのはあるけども、ランクマッチ的な試合において、レートが低いマッチにルールやシステムの制限がかかるゲームって何かあるだろうか。
 私はあんまり知らないんで、あったらコメントで教えてください。


 ※ゲームの制限みたいな話は、以下の記事を参照。


◯いや、そうじゃない。

 
 ここまで読んでいただいて、同意していただけたかもしれない。

 申し訳ないが、違うんだ。技量が足りないからBANとか、そういうことじゃない

 技量が足りないなら、上手くなればいいんだ

 
 よく、「初心者向けがどうこう」「新規プレイヤーがどうこう」とか言われる。
 私はそれらの言明について、あまり良く思っていない場合が多い。

 初心者や新規プレイヤーに必要なことは、下手でもできるゲームを提供するのではなく、そのゲームをより楽しめるように理解・上達を促すことなんじゃないかと思ってる。
 オーバーウォッチは対戦ゲームなんだ。ソシャゲじゃない。

 「下手なプレイヤーには、それに適したことを」みたいなことを言い出すと、突き詰めれば、コントロールセンターでソルジャー76の5vs5みたいな話になってしまう。
 そういうことじゃない。

 新規プレイヤーが「できない」「楽しめない」のが問題なのではなく、「できるようにならない」「楽しめるようにならない」のが問題だと、そう思う。
 難しいマップをBANしても、できるようにはならないんだ

 
 難しいマップだとか満足のいかないシステムだとかに文句を言ってても仕方がない。
 上手くなれば解決する。自分が上手くなれば周りも上手くなるんだ。基本的に。例外もあるけど。

 どうやったら上手くなるだろうか。

 技量に関しては、たくさん練習するしかない。なんだかんだでOWもFPSだ。自身のフィジカルがないと厳しい場面は多い。
 「撃ち合いが下手でもなんとかなるから」という理由でOWをやっているようでは、なかなか厳しい。私のことだけど。

 ハンドスキル以外のこと、考え方だったりとか立ち回りだとかは、自分だけでは気づけないかもしれない。
 上手い人の動画や配信を見るとか、どこかにそういうnoteをたくさん書いてる人がいるかもしれないので、そういうので学んでいけばいいと思う。

 そして、オーバーウォッチというゲームは前線で戦ってこそ学ぶことは多い。
 上手くなりたきゃインファイトだ! みんなタンクやろうね!



 記事のサムネ画像は、生成AIに「オーバーウォッチのドラド」で指定したらコレになりました。

 なんだこれ。しょせんオムニックなんてこんなもんよ。


2024/02/24 デ・カイパー志熊

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