【OW2:閲覧注意】サポートプレイヤーの病巣
書く内容自体は、いつも通り「こういうのはダメだよ」「こんなふうにしたらいいよ」というものである。
しかし今回言及する内容は、単純な表面的なプレイングの問題だけにとどまらない。
もっと根本的な、プレイヤーの意識に関わるような内容である。
「そもそもの考え方が間違ってるんだよ」「オーバーウォッチはそういうゲームじゃねえから」とか、そういうもの。
割と厳しい書き方をする箇所も多い。
なので、図星だったとしてもあまり言われたくないような話かもしれない。
私のめんどくさい記事を読んでくださる方たちには当てはまらないような内容かもしれないけども、それでも他人がディスられているのを読むのは心が痛むかもしれない。
それらの意味で、閲覧注意である。
「別にいいじゃん!好きにプレイさせてよ!」という人は読まない方がいいし、そんなくだらない文句を受け付ける気もない。
あるいは、「そんなことない!」と否定したくなるのならば、あなたは上手いプレイヤーなはずだから、問題ない。
下手なプレイヤーの特徴について語っているのだ。あなたのことじゃないから大丈夫ですよ。
タイトルを「サポートプレイヤーの」としており、この記事はそこに焦点を絞った話になるが、タンクやダメージのプレイヤーは全く問題なくサポートプレイヤーだけが悪いとか、「タンクやダメージだって悪いじゃん!」とか、そんな低次元な話をしたいわけでもない。
こんなこと書く必要はないと思うけど。
◯表面ではなく根本の病巣の問題
今までの記事でも書いているが、あらゆることにおいて表面的なものではなく根本的な部分に問題があるというものは少なくない。
「ヒーローのピック選択」「アビリティの使い方の判断」「エイム・フィジカルの能力」というのは、表面的な話である。
もちろんそれらに優劣はあり、その部分で勝敗が決まってしまうことは多い。
しかし、もっと根本の部分に病巣を抱えているのだったら、それを改善していかなければならないはずだ。
最もわかりやすい例で言えば、「リグループ」である。チートを使うかとんでもないスマーフをするかでもない限り、リグループができないのならばヒーローもアビリティもエイムも関係ない。
私が過去に書いた記事でいえば、「遮蔽物を使って被弾を減らしましょう」「撃つ前に有利ポジションに移動しましょう」などは根本の部分の改善へのアプローチである。
そして、この記事で述べる根本的な問題・サポートプレイヤーの病巣とは、「交戦への参加意識の低さ」である。
◯OWというゲームの目的と行動
キューを入れマッチングし、マップがアイヘンだとする。攻撃側。
さて、何をしようか。何を考えるか。
ルールはハイブリッド。ペイロードをゴールまで届けるのが目的である。
そのために、まずは第一ポイントを確保してペイロードを発進させなければならない。
そのために、自分たちがポイントへ攻め込み、相手を全員ぶっ殺して排除しなければならない。
そのために前に出て塔の左右からポイントを挟み込みたい。
しかし、恐らく相手も簡単に侵攻させてくれない。特にチョークポイントの門にはキツイ射線を通してくるだろう。
そいつらを全員ぶっ殺すために、シグマで盾を出したりキネティックグラスプで吸って前に出て、手始めに左のソルジャーでもぶっ殺しに行こう。
過去の記事でも書いているが、このゲームの勝利のために必要なのは基本的に相手を全員ぶっ殺すことである。拠点やペイロードを確保するために、相手を全員ぶっ殺す。
そのために、様々な手段や立ち回り・技量が存在している。目的と手段を勘違いしてはいけない。
そして、その根本的な目的が間違っているのだったとしたら、表面的な手段についてとやかく言っても全く意味がない。
例えば、チョークポイント前でラインハルトが盾を張っているとする。
ここで問題なのは、「ラインハルトというピック」や「盾を張っているという行為」ではない。
「アイヘン第一を突破するために拠点に攻め込む必要があり、そのために相手を全員ぶっ殺す気があるか?」ということが問題だ。
こんなプレイをしているラインハルトを見て、「ラインハルトじゃないほうがいいよ」とか、「盾の耐久値の管理を――」というアドバイスをするのは間違いだろう。
そんな表面的なことではなく、そもそもオーバーウォッチのハイブリッドというルールのゲーム性・目的と、それに必要な行動という根本的な部分から改善していかなければならないはずだ。
「こんなところでウロウロしていても、相手を全員ぶっ殺すことはできませんよ」という話だ。
上に挙げた、塔の左右から挟み込んむ・シグマをピックする・アビリティで弾を防ぐという行為は表面的なものであり、正誤や優劣があるだろう。
根本が間違っていないのならば、そのような表面的な立ち回りや技量について考え、改善していけばいいだろう。
しかし根本が間違っているのならば、表面的な立ち回りや技量に言及しても意味がない。根本の病巣を摘出する必要がある。
ここではアイヘンというマップとタンクというロールを例に挙げたが、ではサポートではどうだろうか。
◯サポートプレイヤーの病巣:交戦への参加意識
上で述べたように、例えばアイヘン第一の攻撃側なら、相手を全員ぶっ殺して拠点を確保する必要がある。
しかし、特にサポートのプレイヤーは、その根本的な目的意識から間違っているんじゃないかと思われるようなプレイングをする者が少なくない。
アイヘン第一の拠点を確保しなきゃならない。
そのために相手をぶっ殺す。どうやって?
交戦を起こして相手に圧をかけて、エリアを確保して相手を押し込んで、アビリティを駆使して有利に攻撃していく。
しかし、これらをわかってんの?やる気ある?どうやって相手殺すの?と問いたくなるようなプレイングをするサポートのプレイヤーが少なくない。
具体的に言えば、「マッチが決まった。よーし、味方を撃ってヒールするぞー!」という意識しかないような、それがプレイングに現れているようなプレイヤーが、非常に多いように思われる。
「ヒールだけしてちゃダメ」とか「アナというピックがどうこう」とか言いたいのではない。それは表面的な話だ。
根本的な部分、「あなたはアイヘン第一を突破するために、交戦をして相手を全員ぶっ殺す意識がありますか?」という話だ。
それが間違っているのならば、エイムがどうこう、ヒーローのピックが、アビリティの使い方が、なんて言ってても意味がない。アイヘン第一に攻め込む気がないんだから。
ゲームの目的が、「アイヘン第一の突破」ではなく「自分がヒールすること」になっているようなサポートプレイヤーが非常に多い。
自分ではそう思っていないかもしれない。しかし、それがプレイングに現れている。
上のタンクの例で挙げたような、「こんなふうに移動して、ここでアビリティを使って、こいつを殺しに行って――」というようなプランニング・ゲームメイクをしているだろうか。そういう意識があるだろうか。
◯蝕まれたプレイングの具体例
・ヒールしか頭にない
このゲームはサポートが味方を射撃してヒールするのが目的のゲームではない。
例。オリーサがシグマと戦っている。
私がオリーサならば、望むことは一つである。(みんなで)シグマをぶっ殺すことだ。
上に述べたように、改善すべきは根本の部分だ。
「このオリーサを射撃してヒールするのが目的」となっているのならばそもそもそれが間違いだ。
もちろんオリーサをヒールしてもシグマは倒せない。オリーサでどうやってシグマを倒すんだ。
第一ポイントに攻め込むために相手を全員ぶっ殺すという目的に適った行為ではない。
このシグマを倒したいなら、瓶なりスリープなり当てに行けばいい。
そうしたならば、その行為の是非やタイミングが適切かどうかの技量の問題になる。そもそもそうする気がないなら、上手い下手以前の問題だ。
これが、もしも「シグマを倒すためにオリーサをヒールするべきだ」という判断のもと、オリーサをヒールしているんだったならばそれは判断ミスであり、仕方がないことだ。
しかし、果たしてそういう判断のもとの行為だろうか。どうやって相手を倒すかではなく、もともとヒールしかする気がない故の行為となってはいないだろうか。
実戦での例。
このキリコは、上の画像の状況からペイロードがゴールするまで、ずっと門の手前、下の画像のピンクのエリアでウロウロしながら味方に御札を投げていただけである。
ペイロードを止める気でこんなプレイをしているのだろうか。そもそもペイロードを止める気があるんだろうか。
そしてこれは、残念ながらダイヤマスター帯のマッチである。
トロールしているのか、グループでやってて初心者プレイヤーが紛れ込んだのか。そうであってほしい。
が、こんなのは別に珍しくもない。ちなみにこの試合は勝った。相手もこんなのだから。
こんなのばかりだから、ネガティブな記事を書くことにしたのだ。
ーーー
・前に出ない
ここで撃ってたら相手をぶっ殺して拠点を確保できるのか。味方が相手をぶっ殺してくれるのか。無理である。私が相手タンクならばそうさせないようにする。
どうすんの?
交戦意識がないアナならば、後ろに逃げ出してしまう。
ゲームの目的が「アイヘン第一へ攻め込むこと」ではなく「自分が撃ってヒールすること」、あるいは「自分が死なないこと」であるようなサポートのプレイヤーならば、盾を張られてヒールができなくなり、シグマに撃たれる危険があるのならば後ろに逃げ出してしまう。
なんとかする意識がない。目的がそれでないのだから。
なんとかする気があるのならばなんとかできるはずだ。
例えば、上の画像の例ならば、シグマが岩投げてるんだからスリープを当てに行けばいい。
あるいは、スリープが吸われてしまった。ならば、岩もグラスプも吐かせているんだから攻め込む大チャンスだ。多少ダメージを食らっても瓶があるから死にはしない。
バックラインに瓶を入れてもいい。相手は退かざるを得なくなり、自分も味方も動きやすくなる。
もちろん、アナじゃなくてもいい。
モイラのフェードでチョークポイントを抜けてもいいし、キリコの神出鬼没でタンクにテレポートしてもいい。
イラリーで回復はパイロンにまかせて相手をぶっ殺してもいいし、マーシーのガーディアンエンジェルで飛んでもいい。
ライフウィーバーのリフトで門の上に乗って小パックのある部屋から侵攻してもいいし、ルシオのスピードブーストで一気に駆け抜けてもいい。
なんならバティストのイモータルを使って無敵時間に移動してもいい。
そんなふうにして攻め込み、ポイントに相手を押し込み、相手を全員ぶっ殺す。それがやるべきことなはずだ。
これらの表面的なアクションに対してならば、ピックするヒーローが適切でないとか、アビリティの使い方が悪いとか、前に出るタイミングが悪いだとか、そういう評価ができ、指導や反省もできる。
バティストのイモータルをそんなことに使うんじゃないよとか、タンクが相手に攻撃されたタイミングで移動しなきゃ、とか。
しかし、それらは根本的な目的、「アイヘン第一へ攻め込むために交戦を起こして相手を全員ぶっ殺すためにどうすればいいか」という目的に沿った行動をしていること、そういう目的意識があることが前提である。
その根本的な目的がズレているんだったら、アビリティの使い方もクソもない。
そして、そういうサポートのプレイヤーが非常に多いと感じる。
相手をぶっ殺すためのアクションが間違っているのではなく、そもそもアクションを起こす気がなく、ハナっから味方をヒールすることが目的となっている。
ーーー
・ULTを使わない
ゼニヤッタの心頭滅却はまあカウンターULTなので、何かあってから使えばいい。
ルシオのサウンドバリアもカウンターに使うけど、ルシオなんて出さないから関係ない。
それ以外は、チームで競技的にやってるのならともかく、野良のマッチならばサポートの殆どのULTは自分から積極的に使っていい。
自分のアルティメットによって戦局を有利に進めることができる。有利を作り出すことができる。そういうULTが、サポートには揃っている。
これらのアルティメットは、タンクによる前進・エリア取りよりも強烈なゲームメイク・イニシエート能力があるものだ。戦いの口火を切るものだと言ってもいい。
サポートはULTを使って自分から交戦を仕掛けに行くのが役割なのだ。
しかし、多くのサポートプレイヤーはULTを使うのが遅い。
自分から能動的にアクションを起こし交戦を有利にしようとするようなプレイングになっていない。
その原因は、やはり交戦意識の低さにあると思う。
「今から始まるウェーブでどのように交戦が起こるのか?」「味方はどのように攻め、相手はどのように守るのか?」「そのために必要なものは何か?」というようなことを、そもそも考慮しながらプレイしているかが問題である。
判断を間違ってしまうのは仕方がない。タイミングが悪かった、位置が悪かった、対象が悪かった等、それらは交戦へのアクションをした上での表面的な技術の問題だ。
しかし、自分からULTを使い交戦を有利に進めようという意識が無いのならば、その根本的な部分が問題である。
味方や相手が何かULTを使った後に誘発的でないとULTを使えないようなシーンも目立つ。
私がシグマやってると、グラビティフラックスを発動して浮いてるときにナノブーストが付くことがある。意味ねえよ。
「ナノつけたから行ってこい」「狐出してクナイ投げまくる」「裏取りしてコアレッセンス」「生命の樹出したからここで戦え」「みんな集え!」。
それぐらい、自らが主導して有利に交戦を起こすようなULTの使い方ができるようになるべきであり、それができないのならば、原因は根本的な交戦意識の低さにある可能性は高い。
ーーー
・下がる/退く、逃げる
問:味方タンクが死にました。どうしますか?
「下がる/退く」、「逃げる」サポートプレイヤーが非常に多い。
バカかお前 そうなったらその後相手タンクを殺して終いだろうが
味方タンクも きと同じこと言うよ 最優先されるのは相手の殲滅
サポート お前の考え方 チームへの侮辱ね
死んだのがタンクに限らず、ダメージでもサポートでもいいが、「味方が死んでしまった=下がる/退く」という行為を無意識にしてしまっているプレイヤーが非常に多いように感じる。
もちろん交戦前にスナイパーにワンピックされたのでリグループまで待つとか、サポートが一人やられて回復量が下がったのでそれを意識して戦うだとか、そういうことならば問題ない。
しかし、すでにウェーブが始まり、お互いにダメージ交換・アビリティ交換をして交戦をしているのに、その中で味方が死んで人数不利になってしまったら逃げ出してしまうサポートプレイヤーが少なくない。
「味方を撃ってヒールしたい」「自分が死なないようにする」というような目的だったら、そうなってしまうだろう。ヒールの対象がいなくなったんだから、もうやることはないわけだ。
自分が下がる・退くことで相手をぶっ殺せるってんなら、もちろん問題はない。
多くのタンク・ダメージのプレイヤーは、例えば自分のアビリティがCT中で攻め込めないというタイミングでは、いったん遮蔽に隠れてやり過ごすことも多い。
それは、相手をぶっ殺すためだ。CT中は相手をぶっ殺せず、余計に被弾をすると攻め込みにくいため、一旦下がったり隠れたりすることはある。
しかし、交戦中に味方の(主に)タンクが死んでしまったからといって、サポートプレイヤーが逃げ出してしまうことに何の意味もない場合のほうが多い。逃げたら相手をぶっ殺せるんですかって話。
交戦が起こっているんだったら、お互いにダメージを与えアビリティを吐き、リソース交換をしているのだ。
そのなかで味方のタンクが死んでしまったというのならば、そのぶん相手はリソースを注ぎ込んでいるのだ。
だったら、攻め込むチャンスなはずだ。味方がキルとられたならキルし返せばいい。
他のFPSあんまり知らないけど、カバーするなんて基本じゃないのか。ApexでもValorantでも、味方が撃たれて死んだら撃ってきた相手を殺すようにプレイするもんじゃないのか?
例:かなり昔の試合。3vs1でシグマを追い込む青チーム。
盾によるヒール遮断と別方向からの射撃により、ラインハルトはやられてしまった。
ラインハルトが殴ったのでシグマのライフは半分以下である。殺しに行けばいい。だが、
一目散に逃げ出してしまうサポートたち。
ラインハルトにイモータルが間に合わなかったんだとしても、それを使ってシグマを撃ち殺せばいい。
相手タンクを殺せる大チャンスなのに、味方タンクが死んだからといっておめおめと逃げ出してしまうプレイヤーは決して少なくない。
仮に自分たちが倒されたとしても、相手のタンクを倒せば有利になるはずだ。
仮にこれが、「この状況では目の前にいるシグマを倒そうとしても、他の相手からの射線がキツく自分たちがやられてしまうかもしれない。あるいはこの後の状況、リスポーン時間などを考慮すると、ここで無理にシグマを倒しに行く必要はない」という考慮があった末の判断であるのならば、その正誤はOWの技量の問題であり、間違ってしまったとしても仕方がない。
反省して上達していけばいい。
しかし、この判断が「味方タンクがやられた!逃げろ!」という意識のものであるのならば、それは根本の部分に病巣を抱えていると言わざるを得ない。
逃げるという表面的な行為が問題なのではなく、根本的な意識が間違っている。
繰り返しになるが、このゲームは相手を全員ぶっ殺すことでポイントを確保するゲームである。サポートがヒールしたり逃げ出したりするのが目的ではない。
参考:Aster氏の動画より。
キリコだけでなく、どんなヒーローでも人数不利になってから逃げ出す意味は薄い。
人数不利だからこそ、その不利を覆すようなプレイをしなければならないし、ゲームの目的である「プッシュロボットを進める・止める」という行為に照らしあわせ、自分の行動を考えなければならない。
「味方のヒールをし、味方が死んだら逃げる」というのはゲームの目的ではない。
動画は↓。時間指定してあります。
ーーー
補:無意識のバックステップ
「下がる/退く」に関連して、特にアナやキリコなんかに多いのが「無意識のバックステップ」をしてしまっているプレイヤー。
何のことだかわからないと思う。これを言及してる人はあんまりいないと思う。
というのは、敵が来たわけでも被弾をしたわけでもないのに、数発撃った後や瓶を投げた後に、バックステップして後ろに下がってしまうプレイヤーが数多くいるのだ。
明確なリポジションが必要なわけではないし、それも前や横に動くわけでもない。無意識に後ろに下がってしまっている。
交戦中のポジショニング判断は難しく、間違ってしまったのなら仕方がない。
前に出すぎることもあるだろうし、右の遮蔽を使いに行ったら左の味方と分断してしまうこともあるかもしれない。
しかし、この行為はそのような意図した移動ではない。無意識に「後ろに下がる」という行為なのだ。
敵が来たわけでもない。射線を切ったわけでもない。適切なポジションへ移動したわけではない。道のど真ん中にいるため、遮蔽を利用できるわけでもない。
このような無意識の行為は、前線の交戦に参加する気がない意識の顕在化ではなかろうか。
ここでは2例挙げたが、全く珍しいことではない。先日のブリワでマウガ使ってる時の味方のアナ、アイヘンでの相手のアナやキリコなどもいた。例はいくらでもある。
以下のアナの記事の中盤でも説明している。
・「死んではいけない」
「サポートは死んではいけない」「デスを減らすように」というアドバイスがなされることがある。
それ自体は間違っていない。死なない方がいいに決まっているし、トレーサーやゲンジを初めとした多くのダメージヒーローに比べれば、サポートヒーローの多くはリスクのある立ち回りをしない方がいい。
ただし、だからといって「死なないようなプレイをしていればいい」というわけではない。
この記事のテーマに沿ってより正確に表現すれば、「根本的なことが間違っているのに『死なない』という表面的なプレイングを目指しても意味がない」。
様々な根本的なことが正しいうえで死なないのはもちろんいいことだが、それが目的となってしまっていたり、そのせいで重要なことが疎かになってしまっては意味がない。
それこそ、デスを恐れて交戦に参加しなくなっては本末転倒だ。
上記の「ヒールしか頭にない」「下がる/退く」とあわせて、ウェーブの逆転の目がないのにヒールしながら逃げ続けるようなプレイヤーも少なくない。
負けウェーブで必要なことは、「ポイント内で粘る」か「すぐ死ぬ」か「ワンピックでも狙いに行く」。逃げながら寿命を伸ばす意味はない。
マジで無意味。ここでアナをヒールしてたら逆転できんのかって話。
キリコのクナイ、アナの射撃と瓶が上手く入ればワンピック取れる可能性があり、相手は次のリグループのために前で抑えられなくなるかもしれない。
「ヒールしか頭にない」「死んではいけない」という意識しかないと、無駄にディレイキルされ次のウェーブを有利に進めるチャンスを生み出すこともできない。
これらのプレイングになってしまっている原因は、根本的な部分に問題があるかもしれない。
敵をぶっ殺すという意識ではなく、逃げて一秒でも生き延びるという意識があるのではなかろうか。
ーーー
あるいは、「死んでいない」ということはどういうことだろうか。殆どの場合、相手に狙われていないから死んでいないのだ。マーシーでキャラコンが上手いとかならともかく、アナで避けるのが上手いなんてない。
自分が死んでいない=狙われていないのは、自分が交戦に影響を与えられていない可能性がある。
「相手のヤバいやつを止める」というのは、OWの基本的な行動である。
すなわち、後ろの方で交戦に参加してないようなプレイングをするサポートは、相手に対して脅威でない・味方の交戦の手助けになっていない場合が多くある。
「相手のサポから殺そう」と思われていないのは、それほど交戦に影響を与えられていないからだ。
私がプレイしていて、相手が狐走りを使ってきて驚いた経験がある。 「あれ?相手にキリコいたんだっけ!?」と。
存在すら気づかれないようなプレイをしていれば死なないかもしれないが、もちろん試合には負ける場合がほとんどだろう。
◯交戦参加の例
動画も作ってたんだけど、まあ私がnoteの人間なんで、画像と文章で説明。
マップはシャンバリ。
目的はペイロードを押すことであり、そのために相手を排除する必要がある。決して味方をヒールするのが目的ではない。
高台にドゥームやゲンジがアプローチし、ゲンジが死亡。味方が死んだから下がる?んなわけない。
青チームは押し込まれ、エリアが不利。そこを攻める。
押し込まれた集団に対してドゥームがスラム、モイラがフェードして黒玉。
VCもない野良のマッチだけども、目的意識が同じであれば自然と連携は取れる。
青チームは押し込まれ、エリア不利。人数差はあるが交戦状況に差はない。
ドゥームフィストがシグマの岩を食らい、ペイロードの後ろに隠れようとするも死亡。
この時点で人数は3vs5。赤チームはタンクも死んでいる。じゃあここから逃げ出す意味はあるのかって話。
見ての通り、青チームはエリアが取れず、シグマが孤立し、ソンブラが裏へ圧をかけている。
射線を作れていたキリコが相手のアッシュへヘッドショット。すかさずモイラが仕留める。
キリコやモイラは逃げられるヒーローだが、味方がやられたから逃げるのではなく、ポジション有利を活かしてキルを狙っていく。戦って死にかけたら逃げればいい。
ボクは タンク死んだくらいで攻撃ゆるめたりせんよ!!?
先に死んでいたゲンジはシンメトラで復帰。二人でシグマを攻撃し、相手を下げていく。
青チームのバックラインは引いた位置にいたためエリアが悪く、このシンメトラやソンブラを攻撃して追い返すことが難しい。
これによりシグマも下がり、ペイロードは進んでいく。青チームはエリアが狭く、立て直したい。
シグマは角で止めたいが、復帰したドゥームのパンチにより赤チームのほうへ飛ばされてしまう。
ドゥーム・シンメトラ・モイラのフォーカスによりシグマを倒す。
シャンバリというエスコートマップの目的は、ペイロードを進めることである。
そのために相手をペイロード周りから排除する必要がある。
そのためには、サポートだからって味方をヒールし続けたり、味方が死んだからといって逃げ出すことに意味はない。
このゲームは多くの状況で、相手を殺しに行かないと何も解決しないのだ。
そのための手段に優劣はある。ピックがおかしいとか、アビリティを雑に使うだとか、エイムが悪いだとか。
しかしそれらは、そもそもの目的である「相手を排除してポイントを攻める」ことを遂行しようとしているのが前提である。
その前提が間違っているのだとしたら、改善するべきは表面的なプレイングの内容ではなく、根本的な交戦意識の部分である。
ーー
以前の記事でも紹介した、Aekward氏のキリコの動画。
時間指定してあるので、キリコを使う人は10回見ていただきたい。
「回復だけじゃダメで敵も撃たなきゃいけない」とか、そんな話ではない。
このシーンでは、予め宣言していた通りクナイを一本投げるだけでウェーブを勝利に導いている。
詳細は以下の記事で。
◯交戦参加する気がないピックとプレイの例
アナの使用率が非常に高い。なぜか?
もちろん上位プレイヤーならアナの強みを活用させようとしているだろうが、はっきり言って、「後ろの方から味方撃ってヒールしたいだけなんでしょ」というようなアナが多い。
交戦に参加する気がないから、後ろの方からヒールできるヒーローをピックしている。
アナは非常に強力である。射撃性能も高く、アビリティの瓶もスリープもぶっ壊れ性能だ。
それらのアナの特徴を活かして、それこそ上に挙げたアイヘンの例ならば、「第一ポイントに攻め込むために、相手を排除していくために、いかに瓶を入れるか、スリープを当てるか、どのタイミングで侵攻し、どのように相手をぶっ殺すか、相手をぶっ殺すサポートができるか」というようなことを考え、プレイするならばもちろん強力だ。
そういうプレイをしようとしたうえで、エイムの良し悪し、アビリティの使い方、ポジショニングや立ち回りの話になってくる。
しかし、病巣を抱えたアナはそんなプレイングをしていない。
私は主にタンクをやるからこそ、特に相手のアナのことはよく見える。後ろの方で射撃してヒールしたいだけのアナが多すぎる。
アナがスコープを覗きっぱなしかどうかは相手からでもわかるため、相手のアナを見てこいつ覗いて撃ってるだけじゃんというのはすぐわかる。
追記:
すいません、『すぐわかる』は嘘でした。リプレイ見直さないとわかりません。見直して初めて、「あ、アナ居たんだ」とわかる。
そのレベルで、交戦に影響を与えられていないのだ。
瓶やスリープは何に使うのか?どうやって交戦し相手をぶっ殺すつもりなのか?全くノープランである。
そういうアナは、シグマの盾で分断したら終わりである。ウィンストンで飛んでも終わりである。
そりゃあアナなんだから、シグマやウィンストンには有利に戦えない。
じゃあどうするのか?シグマやウィンストンがいても自分の役割をこなすために何らかのアクションを起こし、交戦に参加しようとしているのか?
アナでは無理なんだったら、別のヒーローに変えて交戦に参加するのか?
どちらもしないプレイヤーが圧倒的に多い。
あるいは、アナは全ヒーローでもワーストレベルに機動力がなく、絡まれると仕事がしにくい。
ゆえに交戦が起こったとき、様々な事態に対処しにくい。それは相手に襲われるだけでなく、自らが攻勢に出る場合でもだ。
したがってポジショニングは非常に難しく、自衛のためにはスリープを当てなければならない。
そのようなテクニカルで上級者向けのヒーローであるはずなのに、上手くないプレイヤーでもピックする。
それはハナから交戦をする気がなく、襲われないような後ろから撃つだけであったり、自らが攻勢に出る気もないようなプレイングをするからではなかろうか。
そしてそもそも、ヒールしたいだけならバティストでいい。瓶やスリープを有効活用できないんだったらバティストのほうが生存性も攻撃性も高く、高台へも行ける。
しかしアナを使う。後方から射撃したいだけなんでしょ。
アナは強力で、汎用性も高い。サポートプレイヤーはアナを使える方がいいし、練習するに値するヒーローだ。
しかし、アナを使うというのは目的ではない。オーバーウォッチというゲームで勝利するために、手段としてアナを使うのだ。
根本的な目的が間違っているのだったら、いくら練習しても意味がない。
エイムは良くなるかもしれない。その鍛えたエイムで何をするのか?後方からスコープを覗いて味方のオリーサをヒールしている。
早く前に来てください。
ーー
あるいはキリコ。何のためにキリコを使っているのか。
はっきり言って、「後ろから御札投げとけば回復できるから」キリコを使っているようなプレイヤーが非常に多い。上に例で挙げたような。
申し訳ないが、論外である。オーバーウォッチというゲームとしても、キリコというヒーローとしても、もう根本から間違っている。
キリコは横や高台、時には裏をついてクナイを投げヘッドショットでキルを狙い、相手にプレッシャーをかけるヒーローである。後ろで回復するヒーローではない。
オーバーウォッチのゲームの目的を理解し、そのためにやるべきことを理解し、そのためにキリコというヒーローを使い、そのうえでエイムが悪い、アビリティの使い方が悪いというのならば仕方がない。
しかし、多くのキリコは上手い下手以前の問題である。もう全く使い方が違う。上手いプレイヤーの動画を見て、参考にするべきだ。
拙いプレイでも、例えば味方のウィンストンのダイブに合わせてテレポートして、そこで死んでしまったというのならば仕方がない。
状況判断やアビリティの使い方、交戦でのフィジカルの問題であり、キリコとしてやろうとしていることは間違っていないかもしれない。
しかし、そういうプレイをするわけでもなく、ベタ足構成の味方にただ後ろから御札を投げてヒールするようなキリコは非常に多い。それはキリコの表面的なプレイングがどうこうの問題でなはく、根本的な交戦意識の無さが問題である。
ーーー
アナとキリコを例に上げたが、他のヒーローでも同様である。
どのヒーローを使うかが問題なのではない。根本的な目的意識、交戦への参加意識が問題なのだ。
モイラが低い評価を受けることが多いようだ。私も決して強いヒーローだとは思わない。
しかし、過去の記事にも書いているが、モイラ以下のパフォーマンスしか出せないアナやキリコのプレイヤーの方が多いと感じる。
しかし、モイラというのはまさに交戦への参加をするヒーローなので、その意識がないプレイヤーならばモイラも満足に使いこなせないだろう。ヒールし続けて粉が切れるだけだ。
マーシーも嫌われることが多いだろう。
どうせ誰使っても交戦できないなら、蘇生があるだけマシかもね。
◯顕在化していないだけ
この記事で書いたような交戦意識のなさは根本的な意識問題であるため、表面的なプレイングに左右されない。
極端に言えば、勝とうが負けようがどのマップだろうが問題なのである。
全てのプレイに問題があるが、問題がないように見えるのはそれが顕在化していないだけである。
例えば防衛する立場では、後ろから味方をヒールするだけでも問題ない場合は多い。もともとが地形有利であり、急いで交戦を起こす必要もない。
ハイブリッド第一の防衛や、コントロールならば例えばネパールのシュラインなんかは顕著であろう。一旦ポイントを取れば、有利ポジションから撃ってればいい。
それが、ひとたび交戦をしなければならなくなったとき、アクションを起こす必要が出てきたときには顕在化してしまう。
ハイブリッドの防衛は上手くいっていても、攻撃では全く前に出られない。シュラインでポイントで待ってる相手に対して、何もアクションを起こせない。
そんなプレイヤーは珍しくない。
ルール的に、コントロールやフラッシュポイントなんかでは顕在化しにくい。
あるいはプッシュでは、ニュークイーンでは顕在化しにくいが、コロッセオでは非常に顕在化しやすい。入り組んだ遮蔽物に隠れながら戦うことが多いため、後ろから撃ってヒールするだけのプレイングでは交戦に参加できなくなってしまう状況が多い。
ーーー
あるいは、味方・相手によっても顕在化具合は異なる。
シグマやウィンストンに行動を遮られれば顕在化し、そうでなければ戦えていると勘違いできる。
相手も交戦に参加できないようなサポートならば前線が3対3なのでわかりにくいが、相手サポートが積極的に交戦するようなプレイヤーだと、前線が3対5になって負けてしまう。
後ろで撃ってるだけのサポートプレイヤーは問題に気づきにくい。
「自分は必死にヒールしているのに負けた」「前線のプレイヤーがすぐ死んでしまう」「相手のタンクにはサポートじゃ勝てないんだから無理」など、自分のプレイが問題であることに気づかない。
◯サポートはキャリー枠
メタや構成、使うヒーローにもよるが、サポートはキャリー枠である。
オーバーウォッチワールドカップ2023においても、強いチームはサポートのキャリーが目立つ。
日本代表のQloud選手はもちろん、カナダのCrimzo、スペインのGalaa・Khenail、アメリカのUltraViolet、サウジアラビアのSirMajedなど、圧倒的なフィジカルでチームをキャリーしている。
そしてそのために、日本代表のMihawk選手や、イギリスのBackbone・WMaimone、サウジアラビアのLBBD7・Quartzなどは、ダメージロールであるがサポートとしてプレイし、相手をぶっ殺している。アメリカのSugarfreeもトップリーグではイラリーを使うこともあった。
上記は主にイラリーやバティストのエイムによるキャリーであるが、例えばアナの瓶による圧倒的なプレッシャーやキリコのヘッドショット、なんならルシオの環境キルでもいい。
サポートというのはゲームに対して大きな影響を与える=キャリーすることができるロールなのだ。
フランスのFDGodなどはルシオを操り、リスクを犯しデスを恐れずに積極的に交戦することで、チャンスをもぎ取り有利を広げていくようなプレイングをしている。
では、一般的なサポートプレイヤーはそのようなプレイをしているだろうか。何をするためにサポートでキューを入れ、実際にプレイしているだろうか。
チームをキャリーする気はあるのだろうか。そのような行為を狙う気があるのだろうか。
「味方の後ろの方で撃ちたい」「自分は前に出たくない」「責任の重いプレイをしたくない」からサポートをやっているというのならば、それは病巣を抱えていると言わざるを得ない。
そのようなモチベーションでサポートをプレイしているのだったら、表面的な技術・能力・ピック選択についてとやかく言っても意味がない。根本的な問題だ。
※サポートはキャリー枠だからといって、自分が上手ければ全試合勝てるだとか、タンクやダメージの技量は関係ないだとか、そんな下らないことを言いたい訳ではないことは理解していただけているはず。
◯補:タンク・ダメージの病巣
サポートプレイヤーがこのような病巣を抱えるのは、タンクやダメージのプレイヤーにも原因があるかもしれない。
それは、このゲームが「ヒールされながら戦うものだ」と勘違いしていることだ。
私はタンクをやることが多いが、タンクだけでなくダメージをやってもだが、ヒール量が足りないなんて思うことは少ない。
遮蔽物を有効活用して被弾を抑えるし、自分でヒールパック取るし、防御・移動系のアビリティがあるヒーロー使うし、ヒールなんかよりも相手を全員ぶっ殺すほうが先決だからだ。
私のことを必死にヒールするよりも、モイラやバティストで雑に回復したりイラリーのパイロンにヒールを任せながら、サポートプレイヤーも攻撃に参加してほしい。ヒールがほしいときは言うから。
「そもそも交戦に参加できていない」という意味で、「ヒールもできるような位置で戦えるような立ち回りをしろよ」と思うことはあるが。
しかし、あまり上手くないタンクやダメージのプレイヤーは、死ぬまで戦っておいて「ヒールが来ない」と主張するかもしれない。
そうなると、怒られないように過剰にヒールのことばかり考えてしまうようなサポートのプレイヤーが多くなってしまうのは仕方がないことかもしれない。
だがもちろん、このゲームの目的はサポートプレイヤーが怒られないことではない。
上手くないプレイヤーならば被弾が増えてしまったり、ヒールをもらいながらのプレイングになってしまうのは仕方がないことかもしれない。
しかしサポートプレイヤーの交戦意識の低さは、決して慣れていないプレイヤーやレートの低いプレイヤーだけの問題にとどまっていないように感じる。
決して初心者や低レートとは呼ばれないような、人口比で言えば上の方のプレイヤーでさえ、ヒールするのが目的で交戦意識がないようなプレイングになっているプレイヤーは少なくない。
そして、味方が被弾してしまうのならばその元を断てばいい。すなわち、相手をぶっ殺す。
撃たれている味方を回復するのではなく、一緒にフォーカスを合わせて攻撃して倒せば、もうダメージを受けることはない。
◯補2:「交戦」「相手を殺す」という意味
こんなことは書くまでもないことだと思うが、「交戦に参加する」「相手を殺す」という行為は、「愚直に突撃し相手に照準をあわせて撃つ」という意味ではない。
「サポートだから交戦できない」「ヒールを優先するから攻撃できない」と思うのならば、そもそもオーバーウォッチというゲームの交戦と相手を殺すという行為の考え方が間違っている。
タンクはどうやって相手を殺すのか?
遮蔽物を使い、盾を出し、防御アビリティを使い、エリアを広げ、ヒールを貰い、有利を作って相手を殺しに行くのだ。
それらすべてが交戦に必要なことであり、相手を殺すための行為だ。
愚直に突っ込んで攻撃ボタンを押すだけではない。
ダメージはどうやって相手を殺すのか?
サイドを取るのも、ウィドウのフックで高台に登るのも、リーパーがワープするのも、ソルジャーが回復を置くのも、メイが壁を立てるのも、ハンゾーが鳴響矢水を使うのも、全てが交戦を有利に進め、相手を殺すための行為だ。
サポートだって同じことだ。
「交戦に参加する」「相手を殺す」という意味が、「相手に愚直に近づいていく」「照準を合わせて射撃して攻撃する」という行為だと思っているようなプレイヤーは、申し訳ないがオーバーウォッチというゲームを何もわかっていない。
何なら、「味方をヒールする」という行為も交戦に参加することだし、相手を殺すことに繋がる場合は非常に多い。
私が述べているのは、それが手段ではなく目的となっているのが問題だということだ。
上で紹介したAekward氏のキリコの動画では、攻撃も回復もしていないのに交戦に対して非常に大きな影響力を与えることができている。
「ヒールするかダメージ出すか」とかいう問題ではない。「どうすれば交戦に影響力を与えることができるか」を念頭に、プレイングを考え直していただきたい。
◯補3:トッププレイヤーのヒールボットプレイ
様々なヒーローでUnranked To GMをやってるAwkward氏が、ヒールボットのアナでやってみる動画を投稿した。
彼はトッププレイヤーなのでほとんどのヒーローOTPで一瞬でGMに到達する実力を持ち、「カウンターピックなんてない、自分の能力が重要なんだ」と、わざと不利なピックだけ出し続けてもマスター帯ぐらいなら蹂躙するほどのプレイヤーである。
そんな彼だが、アナでヒールに専念するというプレイングをしてみると、プラチナ帯でも勝ち越せない。
適切なポジションから適切に味方をヒールし続け、スリープや瓶も守備的にだが有効的に使う。それでも、味方依存になり勝てないのだ。
2時間ある動画だし英語だしでとっつきにくいので、最初のイリオスの試合と最後のミッドタウンの試合だけでも見ていただきたい。試合への影響力が全く異なる。
もちろんスマーフしてるだけだから蹂躙するのは当たり前なのだが、これほどのプレイヤーでもヒールに専念しては勝てないのだ。
そしてそのプレイングは、「味方を撃って回復するか、敵を撃ってダメージを与えるか」という問題ではない。
積極的に交戦に参加し、「戦う」のだ。結果として、相方のサポートよりヒール量も多くなっている。
◯結:根本の解決
サポートプレイヤーの多くは、表面的なプレイングの質に問題があるのではない。
後ろの方でヒールするのがゲームの目的であり、交戦に参加する気がないという根本的な病巣が問題なのである。
そうならば、エイムの良し悪し、アビリティの使い方、ピックの選択などを考えても仕方がない。
どんなヒーローを使っていても、交戦に参加する気がないならばエイムもアビリティも発揮されない。
「いや、そんなことはない!」と否定したくなるかもしれない。
私のめんどくさい記事を読んでいただいているような方たちは向上心もありOWに真摯に取り組んでいるであろうため、そんな消極的なプレイをしていないかもしれないが、残念ながら多くのサポートプレイヤーはそのように見える。
無意識かもしれないし、自分では頑張って交戦に参加しようとしているかもしれない。
しかし、残念ながらそれはプレイングに現れていない。
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肌荒れに悩まされているとき、洗顔料を吟味したり、薬を塗ったり、皮膚科を受診したりするかもしれない。
しかし、その肌荒れの原因が表面的なものではなく、例えば睡眠不足、ストレス、食事・内蔵の問題であった場合、根本の原因を解決しなければ意味がない。
オーバーウォッチも同じことだ。プレイングを改善しようとした場合、表面的な部分だけでなく、根本の原因を解決しなければならない場合があるだろう。
この記事では、サポートプレイヤーの交戦意識の低さについて述べた。
ぶっ殺すぶっ殺すと繰り返し書いているが、できているのならば書く必要はない。
「ブッ殺す」…そんな言葉は使う必要がねーんだ
なぜならタンクやダメージはマッチが始まった時には!
実際に相手をぶっ殺そうとしちまってもうすでに終わってるからだッ!だから使ったことがねェ―――ッ
動画・配信で有名な野良トッププレイヤーの一人ML7も、Xのプロフィール欄にわざわざ「SUPPORT NOT HEALER」という文言を載せている。
配信先のリンクや連絡先と同じくらい大切なことであり、それぐらい強調する必要があるから載せているのだろう。
なぜ強調する必要があるのか。できていないプレイヤーが多いからだろう。
◯後記
この記事をどのように書くかは非常に迷った。
記事を書くときはいつもそうだけど、各内容自体は決まっていても、それをどのように繋げてどう着地させるのかはいつも悩む。
普段のオーバーウォッチの記事では、具体的な例の画像を載せながら、こうした方がいいですよ、これは良くないですよ、というような書き方をする。
しかし、今回は割と厳しめに、プレイヤーをディスるような表現も用いている。
やはり本来はこういう書き方は良くないとも思うし、私だってあまりしたくない。
だが、この問題については非常に深刻だと思っている。
そしてそれは、本文中にも書いているが、表面的な問題ではなくプレイヤーの根本の意識の問題だ。
それはいくら表面的な行動の結果を省みても改善されることはない。
私はそれほどアンテナを張っているわけではないが、それでも様々な動画なりなんなりにて、様々なプレイヤーの指摘、苦言、問題の提示のようなものを見ることはある。
これが強い、こうした方がいい、こういうのはやめろ、こういうプレイヤーは下手だ、など。
それらは、やはり表面的なものでしかない場合が多い。プレイヤーの根本的な目的意識について語られることは少ない。
もちろん、私が実際にサポートプレイヤーに対してアンケート調査を行ったわけでも、深層心理を覗き込んだわけでもない。
あるいはプレイヤー本人も、プレイしているときの自身の心理状態・無意識の目的なんてのは把握できていないかもしれない。
したがって、私がここに書いたようなことは「意識」という意味では的外れかもしれない。
的外れであってほしいと思う。「それマジでやってんの?このレートだよ?初心者じゃないでしょ?トロールしてるって言ってくれよ。」と思うこともある。
後ろでヒールするだけ、しかもそのヒールも意味がないようなプレイをしているサポートが多く、そういうスクショや動画は数多く保存してあり、過去の記事で紹介してもいる。それほどに、この病巣は広がっている。
晒すようにもなるので、この記事ではあまり実戦での例を挙げなかった。それでも何例か紹介した。
弁明・釈明をするわけではないが、私の過去の記事を読んでいただいている方なら、私がたかが1回や2回のマッチでマズいプレイヤーがいたからといって、文句を言ったり晒すような記事を書く人間ではないことはわかっていただけると思う。
このようなプレイヤーは、決して珍しくない。
いや、本文中にも書いているが、顕在化していなかったり、それでもマッチに勝てているだけで、珍しくないどころかかなり多いんじゃないかと感じている。
あるいは、これは私がプレイしていて体感したというだけのものではない。そもそも私はあんまりプレイしないし。
名指しのようになるので詳細は省くが、最近でも様々なものを見て、考慮に入れて、なんならデータまで取ったうえで、このような記事を書いている。
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本文中でも述べたが、サポートというのはキャリー力があり、積極的に交戦を仕掛け相手を殲滅すること・そのサポートができるロールだ。
決して戦わなくていいロールではない。
オーバーウォッチワールドカップでも、サポートプレイヤーのキャリーにより試合が動く・決まることは非常に多い。
日本代表でいえばQloud選手のイラリーの活躍はもちろん、Mihawk選手をアナで起用し相手を撃ち抜くことで有利を作るのである。
日本代表はグループステージ敗退となったものの、強豪フランス相手に見事勝利を収めた。私はMVPはサポートのQloud選手だと思っている。
他の国でも、サウジアラビアがここまで強いのはSirMajedのイラリーに依るものが大きいと思うし、スペインが予選から好調なのはGalaaの活躍があってのことだと思う。
それほど、サポートは重要な役割なのだ。
日本のワールドカップは終わってしまったが、今後も大会は続いていく。 Flash Opsという大会の日本予選も始まる。
フランス戦の勝利を奇跡で終わらせないためにも、日本のオーバーウォッチのレベルを上げるためにも、重要な役割であるサポートの目的意識の改善というのは必須なはずである。
こんな記事に影響力はないと思うが、それでも一人でも多くのサポートプレイヤーが、消極的な・目的意識がないようなプレイを改善し、積極的に交戦に参加し、相手を殲滅する・あるいはそのサポートができるようになることを祈っている。
2023/11/02 山下
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