【OW2:コラム】サポートはヒーラー/サポートでもヒーラーでもない
コラム。しょうもない読み物。どうでもいい内容。山も谷もオチもない。
「サポートはヒーラーじゃない」とかよく言うけども、「じゃあサポートなのか?」と。
ロールの名称の話なんで、具体的にプレイがどうこうとかそういうもんじゃないです。
①サポートは「ヒーラー」でいい
オーバーウォッチには御存知の通り、「タンク」「ダメージ」「サポート」の分類がある。
分類に、そういう名前がついている。
んで、この名前自体に特に意味はない。どんな名前でも中身が変わるわけじゃない。
なのでダメージはDPSと呼ばれることが多いし、サポートはヒーラーと呼ばれることがある。
「サポートはヒーラーじゃないんだ!!」というのは、「回復ばっかりしてちゃダメだよ」というプレイングの話で、この分類の名称についての話じゃあない。
では、分類の名称については「サポート」が適切なのか?って話で。
・サポート行為は(ほぼ)みんなやるよね。
野球のピッチャーやサッカーのゴールキーパーのように、役職に特異性があり他のプレイヤーはそれを行えないようなものもある。(もちろん中断してポジション変更を申請すればできるが。)
なんだけども、例えば最近のサッカー・アジアカップのメンバーなんかはMF/FWのように一括りにされたりもする。
「MFだから」「FWだから」とかじゃなく、状況に応じて適切なプレーをする。
んで、オーバーウォッチも同様、チーム全員で適切な行動をするゲームで、その中でヒーローの特徴によって射撃やアビリティのボタンを押した時に発生する事象が違うだけだ。
敵を撃っちゃダメなプレイヤーはいないし、エリア取りに関与してはいけないプレイヤーもいない。タンクやダメージでも回復できるやつらもいる。
そういう意味で、もちろん得手不得手はあるけども、オーバーウォッチの各ヒーローはなんだかんだでサポート能力を備えている場合が多い。
タンク連中は特にそうだ。
本体の強さや様々なアビリティで、味方の侵攻や防衛をサポートする手段が多い。
自らがフォーカスを浴びたり盾で防ぐことにより、味方の移動をサポートする。
ザリアのバブルやD.vaのマトリクスのような直接的なものもあるし、オリーサの槍・ドゥームのパンチなどの行動制限系、ラマットラの渦・ホッグの罠などのエリア干渉系もある。
ダメージ連中も多くはないが、シンメトラやメイのようなヒーローや、ソジョーンのディスラプターショット、あるいはトレーサーの各種立ち回りなんかは、単純にダメージを与えるという行為ではない戦局へのアプローチである。
もちろんウィドウメイカーを初めとして、ダメージやキルが役割の大部分を占めるヒーローもいるわけだが、オーバーウォッチというゲームはその性質上、5人がお互いにサポートしあって・影響を受けて拠点・ペイロードなどへの侵攻・防衛を目標とするゲームなのだ。
一人ずつがバラバラに・背反に行動をするわけではない。
そういう意味で、ほぼ全員が「サポート」という行為をすることになる。
・その上で、分類・命名。
プレイヤー全員が、射撃・攻撃をしてダメージを与えるし、エリア取りに関与するし、防御・回復もするし、上述のようにそれらのサポートをする。
んでその上で、それぞれのヒーローの特徴によって分類することはできるし、それに名前をつけることができる。
そうなると、やはりタンクは『タンク』だ。
ダメージも出すしサポート行為もするんだけども、本体の強さやアビリティによって敵の攻撃を受け止め、敵の脅威となることでエリア取りをし、味方の侵攻をサポートする。
その様はまさしく『タンク』といえるだろう。
ダメージやサポートだってもちろんエリア取りにも関与する。必要なことを全員が遂行していくんだけども、その中でもタンクはダメージやサポートとは異なる特徴でそれらをこなし、それは『タンク』と呼ぶにふさわしい。
あるいはダメージ。
もちろん一部例外はあるけども、なんだかんだでダメージロールはダメージを出すのが最も重要な仕事だ。
タンクやサポートに比べればやはりダメージを出しやすいという特徴がある。
上述のように、もちろんダメージロールだってサポート要素・エリア取りの関与は他のロール同様に遂行する。
だけども、やはりそのロールの特徴と言えば火力・ダメージ性能であり、『ダメージ』という分類の名称でよいだろう。
では、サポートロールの特徴は何だろうか?
他のロールと同様に、ダメージも出すしエリア取りに関与する。もちろんサポートもするが、もちろんヒーローにもよるけど、「言うほど『サポート』してるか?」とも思う。
マーシーのダメージブーストやルシオのスピードブーストは、たしかにサポート感が高い。
しかしルシオは野良ではあんまり使われないし、マーシーのダメブも仕事の一部でしかない。
(これについては後の項目で詳しく述べる。)
なんだかんだで、サポートロールの最大の特徴はヒール性能だ。
全てのロールが全ての役割をこなすんだけども、タンクロールはやはり『タンク』の特徴を活かし、ダメージロールはその『ダメージ性能』に特徴がある。
じゃあサポートロールのヒーローの特徴はというと、やはりヒール性能だろう。
「ヒールする」という行為はオーバーウォッチというゲームの重要な役割だし、サポート行為の一部だ。
どんな上位プレイヤーだって、基本的にサポートプレイヤーが最も多くする行為は味方へのヒールだ。
タンクの「エリア取り」も味方をサポートする行為の一部であるが、その特徴からそのロールは「タンク」と呼ばれる。
ならばサポートロールのヒール性能もサポート行為の一部で、その特徴からそのロールは「ヒーラー」と呼ばれても、何もおかしくはない。
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・小括
みんなダメージも出すしエリア取りもするしサポートもする。
なんでもする中で、「タンク」や「ダメージ」というロールははその特徴の名称がついている。
じゃあサポートヒーローたちの最大の特徴って「ヒール性能」なんだから、ロールの名前も「ヒーラー」でいいじゃん。
ロールの名前は特徴を示すものであり、行う行為全てを示すものじゃない。ダメージだってダメージ出す以外の仕事もある。
だから、ロールの名前は他ロールと比べて最大の特徴を表す「ヒーラー」でもいいよね。
②サポートでもヒーラーでもない
ここまではロールの名称の話で、どうでもいいですね。屁理屈言ってるだけなんで。
「サポートはヒーラーじゃない」という言葉の本質は、「サポートロールはヒールするだけが役割じゃないんだ」という意味であることが多いと思う。
確かににそう。
あるいは、「サポートはヒールだけじゃなくてダメージも出さなければならない」と言われることもある。
間違っちゃあいない。だけども、私としてはその表現に違和感がある。
・表面的な話ではなく。
「サポートはヒールだけじゃなくてダメージも出さなければならない」というのはよく言われる標語で、ヒールに精一杯になってしまうプレイヤー、主に低~中レートくらいのプレイヤーに対して言われることだと思う。
なんだけども、そのように言われているプレイヤーが、「そうなんだ。じゃあダメージも出すようにしよう」と思ってプレイして、果たして上手くいくだろうか?
もちろんプレイヤーによるが、私としてはあんまり上手くいかなかったり、負けてレートが下がってしまうと思う。
というのも、「ダメージを出す」というのは表面的な事象であり、重要なのは「どうやってダメージを出せるようなプレイングをするか」である。
今までと全く同じ立ち回り・状況判断・ポジショニングで、味方に照準を合わせているのを相手に合わせるようにして射撃したところで、それはあまり有効な攻撃とはならない場合が多いんじゃなかろうか。
したがってより正確に表現するならば、「ヒールだけじゃなくてダメージも出せるような状況判断・立ち回りができるようになるべき」とでも言えばいいだろうか。
ヒールボットになるプレイングを根本から改めて、もちろん必要ならば使うヒーローも変更して練習していく必要がある。
私はそれを、「交戦への参加」という表現をしたい。
なんだかんだでサポートはヒールが最も重要な役割である。なんだけども、そもそもとして交戦へ参加し、その交戦へリソースを注ぎ込み、味方全体が最大限のパフォーマンスを発揮することが目的である。
その結果として、サポートというロールが持っているリソースを最大限注ぎ込んだとき、それはヒールという形で現れることが多い。
なので、初~中級者でヒールボットになっているプレイヤーに対しては、「ヒーラーじゃなくてサポートだよ」「ヒールだけじゃなくてダメージもだそうね」ではなく、「交戦に参加し、最大限のパフォーマンスを発揮できるようになろうね」と表現したい。
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・「サポート」ってどういう行為だ?
上の①でも述べたが、どのロール・ヒーローもなんだかんだでサポートをする。
より正確に言えば、味方のサポートに繋がるプレイをする。
このゲームはチーム5人が協力して戦うゲームである。程度の差はあるけど、それぞれのプレイングが味方に影響を与え、連動して戦っていくべきだ。
タンクが盾を張ってエリア取りをすれば、それは味方が有利なポジションへ移動するサポートになる。
タンクが近距離で交戦すれば、ヒットスキャンが自由に射撃できるサポートになっている。
トレーサーが横を取ったりペイロードを押したりするのも、味方が自由に動くサポートになっている。ダメージを全く出していなくても、だ。
もっと直接的なものでいえば、防御系・空間制圧系のアビリティなんかも味方をサポートするものだ。ザリアのバブル、D.vaのマトリクス、メイの壁、シンメトラやトールビョーンのタレット等。
多くのヒーローがそういうアビリティを持ったり、あるいはそういう役割をこなす。それらは広い意味で交戦のサポートをすることだ。それは自分だけでなく、味方のサポートになる場合が多い。
では、サポートロールのサポートとは、いったいなんだろうか。
もちろん、タンクやダメージと同様に、サポートロールも多くの行為・アビリティが味方をサポートすることに繋がる。
しかし、それらはタンクやダメージが(結果として)行うサポートと、何か異なるだろうか?
「ライフが減ったら回復する」。もちろん最重要。
だけども、タンクやダメージでもそういうアビリティを持ってるやつならやる。別に「サポートだから」とかじゃない。
それにそもそも、「ヒーラーじゃなくてサポート」って話だったじゃないか。
「マーシーのダメージブースト」。その目的は、「相手にたくさんダメージを与える」ということ。
じゃあ自分も撃てばいいじゃん。ほとんどの場合はダメブつけるよりマーシーも撃ったほうがダメージは多いよ。あの銃けっこう強いんだよ。暴論だけど。
もっと言えば、マーシー以外で撃ったほうが強い。
「ルシオのスピードブースト」。たしかにこれはサポートだ。JQのシャウトも似たアビリティだけど、たしかにこれはヒールでもダメージでもない、「サポート」って感じがする。
なんだけども、「サポートはヒーラーじゃないんだ」っていう文脈の「サポート」って、ルシオのスピブのこと言ってんの?
「ヒーラーじゃなくてサポートなんだから」って、「ルシオ出してスピブしなきゃ」って意味?違うよね。
ルシオなんて野良で出さない方がいい。
繰り返し書いているように、全てのヒーローはそれぞれの行為により結果として味方のサポートに繋がっている場合が多い。
自らの立ち回りで、ありはアビリティを有効活用することで。
アナが阻害瓶を決めるのも、ソジョーンがディスラプターを入れるのも、メイが壁を立てるのも、どれも等しくアビリティの有効活用だ。
そういう意味では、「ヒーラーじゃなくてサポート」というのは、「味方を撃って回復するだけじゃなくアビリティを有効活用しようね」という意味でもある。
それはサポートロールだけじゃない。タンクでもダメージでもアビリティの有効活用なんて当たり前のことだ。
とはいえ、確かに初~中級者のサポートは味方のヒールに夢中で、例えばアナでは瓶もスリープも持て余している場合も多い。
そういうのを是正する意味では、たしかに「ヒーラーじゃなくてサポート」、すなわち「味方の回復じゃなくてアビリティの有効活用をしよう」は適切かもしれない。
・ロールの区分
「タンク」「ダメージ」「サポート」に分かれている。が、同じロールでもヒーローによって特徴は全く異なる。
特徴は全然違うやつらが同じロールにいたり、書いてきたようにどのロール・ヒーローでも共通のことがたくさんある。
なので区分の名前に必死になる必要はない。
左のグループから1人、真ん中のグループから2人、右のグループから2人選んで戦うゲーム。それでいい。
このルールさえ味方も相手も同じならば、グループ内のヒーローに共通した特徴の名前をつける必要もない。
上に挙げたように、同じロールでも全然違う特徴を持つやつらもいるんだし、他ロールでもサポートはするしダメージも出すわけだし。
松屋の定食・Wで選べる玉子かけごはん。
卵は生卵か半熟卵かが選べる。これは似たもののうちから選ぶ。
が、小鉢の方はバラバラだ。
ミニ牛皿、納豆、とろろ、冷奴から選べる。選べる物たちに統一性・共通点がある必要はない。
なので、区分の名前は「選べる小鉢」だ。「選べる肉」とかではない。
オーバーウォッチも同じことで、「選べるヒーロー」だ。「この中から選んでね」というだけだ。
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・名は体を表す
区分の名前はどうでもいいことかもしれない。
が、どうでもいいんだったら話題に・問題になることはない。
現実として、「サポートはヒーラーじゃないんだ」と言われるということは、やはりそれによって何らかの問題が生じているということだ。
レートが高くないプレイヤーがサポートのことをヒーラーと呼んでいるのを見ると、そのプレイヤーがタンクやダメージだったら「ヒール要求マンなのかな」「遮蔽物やライフパックを有効活用して戦えるようにするべき」と思うかもしれない。
サポートプレイヤーがヒーラーと呼んでいるのだったら、「この人は回復することしか頭にないのかな」と思ってしまうだろう。
やはり、名は体を表すのだ。
元は、「サポートはヒーラーじゃない」という話だった。
ただでさえ現在でもヒールボットになっているプレイヤーが多いのに、そのロールの名前が「ヒーラー」になってしまっては、その傾向はさらに増してしまうんじゃないかと心配になるだろう。
その意識を是正する意味でならば、右側のロールの名前は「ヒーラー」ではない方がいいだろう。
じゃあどうしよう。
全員が交戦に参加するんだという意味で、「闘う者達」「更に闘う者達」「J-E-N-O-V-A」の3ロールでいいか。
松屋のくだりはいらない。
2024/01/23 山下
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