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【OW2】キャリーのひとつ:『チャンスメイク』

 『キャリーしなきゃレートは上がらない』。100万回は言われていること。
 なんだけども、『それならどうすれば!?』『テメェで考えろ!!』となっている実状。

 そこに一石を投じる記事。一石しか投じないので注意。これが全てじゃないよ。
 
 いつものごとく、初級者~中級者向け。グラマス帯でキャリーしたいとかいう話は知らん。上手い人に聞いてください。


◯『キャリー』という言葉。

 この言葉は色んな人が色んな意味で使ってる。
 広い意味での概念とすれば、「自分が勝利に貢献すること」で概ね間違いはないと思う。

 なんだけども、それだけでは何が何やらわかんない。
 よくある間違いとして、「キャリーしなきゃいけない」→「自分が単独キルを取らなきゃ」というもの。
 そんな簡単な話じゃない。よほどのスマーフしてるんならともかく、同レート帯やちょい下の相手ぐらいじゃそんな簡単にキルは取れない。
 
 OWの勝利貢献は様々。味方や相手、マップなどによって、あらゆる方法で勝利に貢献できる。
 自分がダメージをたくさん出すのはもちろん、オリーサで不沈艦になるのも、ボールで転がってるだけでも、マーシーでブーストしてるのも、十分な勝利への貢献になる場合はある。

 しかし、何が求められてるかってのは状況によって異なるのは当然のことで。
 マーシーでブーストして勝てても、次の試合で同じことをやっても勝てないかもしれない。
 自分が上手くプレイできたと思っても、相手が下手なだけだったり、アンチピックを出されなかっただけかもしれない。

 状況によるし、人によってできることとできないことは異なる。
 しかし、だからといって「一概に言えない」というだけじゃあ何も始まらない


◯レートが低いプレイヤーを見てみる

 何様だって話なんだけども、YouTubeやTwitchの配信でレートが低いプレイヤーを見てみる。
 んで、もちろん多くの人は上手くない。エイムが悪い、遮蔽を使えてない、ピック幅が狭くてアンチピックされて終わる、などなど、原因は様々。

 そういうわかりやすい原因ならば、そういうのをなんとかしていけば良い。
 エイム・フィジカルについては知らんけど、立ち回りとかに関しては少し書けるんで、私の記事なんかを参考にしていただいて。宣伝。


 で、下手なプレイヤーはそりゃレートが低くて納得なんだけども、見てるとそんなに下手には見えないプレイヤーもいる
 もちろん上手いとは言わないし、立ち回りや判断に怪しい部分はいくらでもあるんだけども、とても下の方のレートじゃないように見えるプレイヤーも少なくない。

 例えば昨日見たとあるプレイヤーは、アナのエイム・ハンドスキルは私より確実に上手かった。周りも見えているし、ヒールだけでなくしっかり攻撃もしている。阻害瓶を相手に投げる意識も高い。
 なんだけど、ずっとシルバーで停滞しているようだ。

 あるいは、別のプレイヤーはキリコを使っていた。その人も決して上手いとは言わないけど、普通にキリコっぽい動きはできていた
 サイドや高台からクナイを投げてヘッドショットを狙ったり、神出鬼没で味方を助けに行くような動きも悪くはなかったと思う。
 しかし、そのプレイヤーもシルバー

 んで、それらのプレイヤーに何が足りないのかは、割とすぐにわかった。
 プレイングが受動的で依存しているのだ。味方だけでなく相手にも依存している

 「味方が上手ければ勝てる、下手なら負ける」という技量の問題じゃあない。やっている行動・判断が、味方や相手が起こした状況に対する受動的なものでしかないようなプレイングが目立つのだ。

◯味方・相手依存

 「マーシーがダメージブーストする」というような依存の話じゃあない。
 他のヒーローでも、ダメージを出す・キルをとるという行為も味方や相手に依存していることも十分にある。

 例えばアッシュがたくさんダメージを出していたとする。それは本人のエイムがいいという理由もあるだろうが、それだけではない。

 アッシュはトレーサーやゲンジ、リーパーのように近距離で戦ったり撃ち合ったりするヒーローではない。適切な位置からある程度フリーで撃てる状況こそ真価を発揮する。
 そしてそれは、もちろん本人の状況判断による適切なポジショニングやタイミングの判断もあるのだけども、味方や相手に依存する部分も大きい。

 味方のタンクが前線でエリアを広げ、トレーサーやキリコが横から攻撃している。そうならば、アッシュはフリーで撃てる。
 相手が地上のケアを重視し、正面のタンクやフランカーに対するアンチピックを出している。そうならば、アッシュはフリーで撃てる。

 そしてもちろん、そうでないならば、アッシュは活躍できない。
 味方がエリアを広げられない、相手のダイブやフランカーに絡まれる。そうなると、同じレートの相手ならば活躍するのは厳しい。

 そうなったときに何もできなくなるとレートが上がらない。
 自分が活躍できる状況を味方が作ってくれれば勝てるし、そうでないなら負ける。
 相手に邪魔されなければ勝てるし、邪魔されると負ける。


 先に挙げた割と上手いように見えるシルバーのプレイヤーも、試合展開がいい感じに進行しているときは十分に仕事をこなせているんだけども、不利な状況になったり、攻めあぐねているような状況を打開しなければならないというときには、やはりレートなりのプレイングしかできなくなっていた

 では、そういう時に必要なのは何だろうか。活躍できる状況ではないとき。

◯チャンスメイク

 下のレートでも上手いように見えるプレイヤーの行動は、行動だけ見たらさほど間違ってはいないし、エイムも悪いとは思わない。私よりはいい。
 しかし、それによって有利・得意状況を作り出すことはできていないプレイが目立った。
 上にも書いたように、プレイングが受動的なのだ。

 『味方がダメージを受けたからヒールします、相手が見えたから撃ちます、味方がエリアを取ったから自分はダメージ出せます、相手が絡んできたから逃げます・アンチピックします。』

 これらのプレイは、受動的であり、味方・相手に依存している自分から能動的に何かを起こせていない
 なので、味方や相手などの状況で有利になってない場面だと、活躍できない。

  ないんだったら、自分で作ればいいのよ!

 当たり前なんだけども、このゲームは有利に戦った方がいい。知ってました?
 有利な状況・得意な状況ならば活躍できる。ならば、その状況を作り出せばいいのだ。自分で

 そういうチャンスメイクの能力があれば、勝てる試合は増えていくと思う。
 もちろん毎試合そうだとは言わないし、味方や相手の状況によって自分のやるべきことは異なるが。

 ただ、自分が活躍できない状況のまま戦っても負けるだけだし、もちろん味方も有利に戦うことはできない

 自らの働きにより試合を動かし、自分も味方も活躍できるような状況を作り出すプレイング、すなわちチャンスメイクができれば、それにより試合全体を有利に進めることができる場合は多い。
 特に、レートが低いうちは。

・サポート

 過去に記事でも取り上げた、Awkward氏のキリコの動画。
 時間指定してあります。26分15秒ぐらいからのシーン。

デモンストレーションしてみます。クソエイムで一発だけ撃って、どれだけ相手の気を引けるか見てみましょう。
 こっちを見ろ、見ろ…
 ほら、どれほどの価値があるでしょう!私は何もしていないのに!
 見てください!たった一発撃っただけで、私のチームがどれほどの有利を獲得したのか! 

雑な意訳。
アナの阻害とウィンストンのダイブが決まる。
①キリコが相手を引き付け、②アナが阻害瓶・ウィンストンがダイブ、③キャスディが火力を出す。

 
 キリコは一発撃っただけ。だけども、その行動により味方が阻害を投げダイブを決めることができた。
 こういうプレイが、典型的なチャンスメイク。上の図の。交戦のきっかけを作るプレイング。

 ※この動画やらキリコの動きに関しては、詳しくは以下の記事で。

ーーー

 チャンスメイクとは、上の図の①のように味方が行動する・相手に対処させるようなきっかけを自分で作り出すことだ。

 それは自分で突っ込んで攻撃するってだけじゃなく、防衛という行為も自分で積極的に有利を作り出すように行うべき。相手が来たから下がる、ダメージを食らったからヒールするというのは受動的だ。

 例えばブリギッテ味方を守るというのは重要な仕事の一つだけども、自らの能力によって相手の行動を狭めることができる

例。横道を抑えておく。相手は来たら死ぬ。

 相手が来たから対処するというのも重要だけども、そもそもエリアを封鎖し相手の行動を制限することもできる。
 そうすれば相手は横道から展開できないため、不利なチョークポイントへ仕掛けざるをえない。
 自分の行動によって、相手にとって不利な状況を作り出し、味方を有利に戦わせる。これはチャンスメイクの一つの例。
 交戦を有利に進めるためのきっかけを、自分の力で作り出す。

ーーー

 あるいは、アルティメット。特にサポートのアルティメットは、自分や味方が有利に戦える状況を作り出せるようなものが揃っている。

まさにチャンスメイクといったULTたち。
相手はそのままでは負ける。

 だが、レートが低いプレイヤーは、そのアルティメットを能動的に使えていない場合が目立つ。
 上で挙げた上手い感じなのにシルバーのプレイヤーも、自分から交戦を起こす・チャンスメイクするようなアルティメットの使い方が全くできていなかった

ーー

 「アルティメット準備完了」「ナノブースト展開可能」「お狐様もいつでもいける」というコミュニケーションメニューを使うプレイヤーは多くいる。
 準備完了はわかったから、すぐ使ってね。

 アルティメットを使うのは味方じゃなくて自分自分がアルティメットを使って、有利状況を作り出さなきゃいけない

記事のトップ画像。

 これはダメやるんだな?じゃない

オリーサはそんなこと言わない


 上手くないプレイヤーの配信を見てるときの私:

 「このウェーブはULTで仕掛けられるなー。あ、使っていいよ。今使おう、今!早く!
 味方死んじゃった!死んだから使おう!今!このままじゃ不利だよ!
 サージ来た!ULT!今!使えば耐えられるよ!ULT!
 あぁ~~。」
 (※配信にコメントはしません。思うだけ。)

 プレイヤー「ULT使ってよかったかな?」

ファラはこんなこと言う


 初級者のプレイヤーは相手や味方がアルティメット使ったら誘発お漏らし発動になっちゃいがちだけども、自分の意志で積極的にチャンスメイクするような使い方ができるようになると良い。

 シグマのグラビティフラックスにナノブーストつけるアナがいるけど、あれほとんど意味ないよ。落下ダメージは割合だからナノつけても増えない。

ーーー

・ダメージ

 上にも書いたんだけども、例えばアッシュなんかは味方がチャンスメイクしてくれてれば活躍でき、そうでなければ活躍できない。
 相手にチャンスを潰されなければ活躍でき、潰されれば活躍できない。
 スマーフしてないんだったら。

上:味方が押し込んでフリーで撃てるんだったら強い。
下:相手にエリアを取られているんだったら弱い。

 
 上手いプレイヤーの野良の試合でも、アッシュで上手くいかない時にソルジャーやトレーサーに変えるような場面はよくある。
 味方や相手の影響によって自分が活躍できない、例えばアッシュならばエリアを取れていないから活躍できないのであれば、自分がエリアを広げられるような立ち回りをしたり、それができるヒーローに自分が変えてプレイすると解決。
 (ヒーローはそのままで立ち回りや判断を変える場合もある。上手いプレイヤーはそれができるからOTPでも上のランクにいるわけで。それは主旨から外れるので割愛。)


 あるいは、メイのアイスウォール。これぞチャンスメイク

タンクを分断するだけじゃなく、横からの射線を切ることもある。


 極端に言えば、ソルジャーがサイドに回り込むのだってチャンスメイクの一種。

上:そのままでは撃ってても効果は薄い。
下:サイドに回れば、自分は射線を広げられ相手のフォーカスは分散して味方も戦いやすくなる。自分と味方がチャンスになる行動。


・タンク

 タンクなんてのはプレイング全てがチャンスメイク。いや全てじゃないけど。
 特別に意識することじゃあない。タンクができてればチャンスメイクもだいたいできてる。できてなかったらできない。たぶん。

 過去の記事を参考にしていただいて。あんまりチャンスメイクの役には立たないけど。


◯プレッシャー=キルの脅威

 チャンスメイクしようとしても、自分ではできてるつもりだけどできていないかもしれない。
 「サポートだけどヒールだけじゃなくて攻撃もしてるよ」というプレイヤーもいるだろう。

 なんだけども、必要なのはしっかりとプレッシャー=キルの脅威を与えること。
 後ろからペチペチ撃ってても、相手に対して影響力は小さい。それによって相手の行動を制限したり、アビリティを使わせたり、味方が有利になったりしなければ意味がない。
 そのためには、相手に「無視したら殺されるかも」「このままじゃ死ぬ」と思わせなければならない

例えばこんな位置からペチペチ撃ってても、相手は逃げてくれないしアビリティも吐かせられない。
ここから撃ってて殺せるならもうグラマスだよ。
たまたまヘッショ当たるかもしれないけど、偶然。
積極的に角度をつけて攻撃しに行く。
あるいは左の小部屋を抜けて横に展開。

 もちろん、常にこういう動きばっかりをするべきだというわけじゃあない。キリコも味方の後ろにいるときだっていくらでもある。
 なんだけども、チャンスメイクをするため、プレッシャー=キルの脅威を相手に与えるためには、このような立ち回りをしていかなければならない。

 あるいは、ブリギッテのチャンスメイクは「攻めたら殺される」というプレッシャーによるもの。(それはタイマンだけでなく、他の相手に絡むとブリがケアに来て1vs2で殺されてしまうようなことも含めて。)
 ブリギッテは味方を守るのも重要だけど、キルの脅威による盤面制圧のチャンスメイクも意識したい。

ラリーで地ならしだ!

 ソルジャーが横に展開するのがチャンスメイクになるのは、「そのまま放置してたら殺される」というプレッシャーによるもの。だからエイムやタイミングも重要

 ウィンストンがタンクに跳ぶのは、大抵の場合はチャンスメイクにならない。タンクはウィンストンに飛ばれても脅威にはならないから。
 孤立したダメージやサポートに跳ぶからこそキルの脅威を与え、有利な状況を生み出す=チャンスメイクをすることができる。
 
 ザリアが野良で暴れるのは、まさにキルの脅威だ。バリア張って歩いてくるだけでヤバい。それだけでチャンスメイクができるので、野良マッチで刺さるときは非常に強力だ。

 その他のヒーローでも、自分の行動がチャンスメイクできているかは、自分の行動が相手にプレッシャー=キルの脅威を与えられているかを考えてみるといいかもしれない。
 直接的な単独キルをしなければならないわけではない。そのままではキルされてしまうという脅威を与える、あるいはそのサポートができているならば、それはチャンスメイクができていると言えるだろう。

 (※もちろん、それに向いているヒーローと向いていないヒーローはいる。
 あくまでもこれは「チャンスメイク」という観点からの評価なため、それにそぐわないヒーローがダメだというわけではない。
 ただし上にも書いたようなアッシュからトレーサーに変える例のように、チャンスメイクが必要だと感じるのならば、そういうヒーローに変えてみるのも一考だろう。)

 
 プレッシャー=キルの脅威については、過去の翻訳・要約記事も参照していただいて。


◯まとめ

  • 味方や相手依存のプレイではキャリーできない。

  • 自分がただキルを狙うんじゃなく、キルを取れるようになるチャンスを作ればいい

  • 味方がチャンスメイクできていないんだったら、自分がやればキャリーに繋がるかもしれない

  • そのためには、プレッシャー=キルの脅威を相手に与える必要がある。

 →全員ぶっ殺せ!


◯注:これだけじゃないよ

 タイトルの通り、あるいは最初の方にも書いたけども、『キャリーする』『自分が勝利に貢献する』という要素のひとつが、『チャンスメイク』というものなんじゃないか、という話。

 もちろん毎回毎回チャンスメイクばっかりするわけじゃあないし、ヒーロー・構成・相手やマップなどの状況によって何をすればいいかは異なる。

 特に試合のレベルが上がるほど、味方が十分にチャンスメイクをしているのならば、自分は例えばヒットスキャンでしっかりとダメージを与えキルを取る必要があり、それに必要なのはやはりエイム・フィジカルであることに間違いない。

 あるいはピックプールが広がればもちろん対応できる状況も増えるし、アンチピックで相手を抑え込むのがキャリーに繋がることだってたくさんある。

ーーー
 
 こういう記事を書こうと思ったのは、やはりチャンスメイクができていないプレイヤーが多いと感じているから。
 上手くないプレイヤーの配信や動画を見ていて、あるいは自分でマッチングした味方や相手を見て、タンク以外のプレイヤーのチャンスメイクが全然できていない試合は少なくない。
 全体的に受動的だから、味方が弱ければ負け、相手が弱ければ勝てる。

 んで、やはりできていない要素を埋めるほうが勝利には繋がりやすい。
 私はほぼタンク専なのでサポートは殆どできないんだけど、低~中レート帯にはチャンスメイクのプレイが足りていないと感じていたので自分でやってみると、あっさりとレートを上げることができた。

 特に、やはり初級者にとってはタンクは若干難しいかもしれない。なので、「タンク次第だ」「タンクがじゃんけんできなかったら終わり」「tank diff gg」などと言われるのだと思う。

 ならば、タンクができていないんだったら自分がダメージやサポートでチャンスメイクすればいい
 多くのダメージやサポートもできていないんだったら、それを自分がやればキャリーできる

 レートを上げるというのは、そのレート帯で傑出している要素があればいい。例えばその一つが、チャンスメイク能力
 タンクのヒールなんて誰でもできるので、それをしててもレートは上がらない。そこで他人と差はつかない。
 なので、私はタンクよりもサポートのほうがレートは上げやすかった。まあタンクの経験が活きたってだけなんだけど。

 チャンスメイクの意識・立ち回りは、確実にタンクをやると上達する。
 みんなタンクやろうね!!

2024/01/08 山下


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