ヤギワタルさんイラスト2

反応して、反応して、反応するだけの一生でいいのか?

コピーライター阿部広太郎さん(以下阿部さん)の言葉の企画は、この一言からはじまりました。

「ぼくは言葉の仕事をしているので、『 この言葉忘れられないな。』というものを言葉のお土産として残せたらなと思っています。そんな気持ちで伝えていきます。」

阿部さんの人柄や仕事への姿勢が滲み出るこの言葉にグッと引き込まれ、この言葉に心に火をつけられました。


じぶんで打席をつくってきた行動の人


80時間以上の東進ハイスクール講師陣の授業から「今でしょ!」という流行語を発掘し、ロックバンド・クリープハイプの宣伝や映画の製作、プロデュース。広告、音楽、映画などあらゆる領域の仕事をしている阿部さん。コピーライターだからこそ、できるプロデュースとは何か?をいつも考えながら、コンテンツをつくっていると話していました。

阿部さんは、コンテンツをつくる仕事をするために、じぶんで打席をつくってきた行動の人でした。書籍「待っていても、はじまらない」や阿部さんのnoteにもっと詳しく書いてあります。気になる方は、ぜひ読んでみてください!


寝ても覚めても仕事、仕事、仕事。

電通で最初に配属された人事局からクリエイティブ試験を突破し、コピーライターとなった阿部さん。面接の場で「3年間、チャンスをください。ダメだったら出してもらって構いません。」という想いをぶつけていました。阿部さんは、約束の3年間のことをこう振り返ってました。

自分で決めた約束した3年間でしたけど、あの時には帰りたくない期間。悔しい出来事がいくつもあって、怒りとか悔しい感情をじぶんの中でじぶんを突き動かすパワー、爆薬のようなものにして、走っていた。あさから晩まで、寝ても覚めても、仕事していた。その結果、クオリティが格段によくなった。やっぱり質は量から生まれる。大量にやったことで、コピーライター転向3年目で宣伝会議賞、東京コピーライターズクラブで新人賞を獲得できました。才能とは、掛けた時間の量だと思っています。

広告業界は、いろんな賞が多く、それゆえに賞を獲ることで頭がいっぱいになってしまう人が多い。阿部さんもそのことで頭がいっぱいになってしまい、そのための仕事が「来ないかな?」と受け身の姿勢にいつの間にかなってしまっていた時期があったそうです。


あらゆるビジネス書は、たった3つのことしか言っていない

宣伝会議賞や東京コピーライターズクラブで新人賞を獲得し、順風満帆に見えた阿部さんですが、「こんな朝はやくから終電まで、なんのために仕事してるんだろう?」と思うようになり、考えると足が止まってしまうそんな時期がありました。
昔から読書が好きだった阿部さんは、その頃にあらゆるビジネス書など読み漁った結果、ビジネス書が言っていることは、「動いて、考えて、続ける」この3つだけということに気づいたそうです。その中でも阿部さんの道標になっている言葉を2つ紹介してもらいました。


じぶんはもっと、じぶんになれるはず

「誰かとなにかを比べる時は、じぶんがちょっと弱っていたり、負けているとき。そうじゃなくて、『じぶんがこういうことしたい!』『じぶんならこういうことできるんじゃない?』『じぶんはこれを応援したい!』誰かとの違いを見つけるのではなく、もっともっとじぶんは何者なのか。じぶんはもっと、じぶんになれるはず。その境地にまだまだたどり着けていないんじゃないかな。」

この2つの言葉に出会って、結局はじぶん次第で、周りから見て、「あの人は、あーだ、こーだ。」ではないんだと。まず、じぶんがなにをしたいのかなって考えることがすごい大切だなと気づいたそうです。

人は、環境に影響され、それに反応する生き物。会社に入れば、そこの会社の空気とか色に染まっていく。反応することにどんどん慣れて、ある程度適応する力をつけていくと思うけど、反応して、反応して、反応して、それで終わる一生でいいのか?

反応するだけで終わりたくない。言葉と向き合って、身につけた力をじぶんから働きかけていけないかなと意識を変えていったのです。


チャンスをじぶんで掴みとるために「企画書」を書き始めた

その意識を変えるために、仕事の打席をじぶんからつくっちゃえばいいということで、自分から動き始めて、仕事をつくっていきました。

当然ながら、仕事ってじぶんの好きなことを勝手にやっていいというわけではなく、会社の仕事や上から降ってきた仕事もやりながら、じぶんの見つけた合間の時間で、企画書をつくり、会いに行きたい人に会いに行く。

チャンスをつくるためには、自分から行動して自由に面白いことをやっている人と出会う中で、なにかをカタチにするのが大事。じぶんのチャンスをじぶんで掴み取るために、誰かに頼まれたわけでもないのに、企画書を書きはじめました。


言葉にヤジルシを加えられる使い手になってほしい

コピーライターは、みんなが当たり前に使っている言葉、日本語とか英語とか関係なく、言葉にヤジルシに企てを加えて、人や社会や未来に新たな行動をつくっていく仕事。いろんな仕事をして、じぶんというのは言葉を通じて、世の中に訴えをつくる仕事をしているんだと思った。コピーがあることで、人ってなんか繋がれている実感、手応えもあるし、それを言葉を使いながらやろうとしている。定義を変える事で、人の意識が変わり、行動も変わる。小さくてもなにかカタチにしていくのが大切。さぁ、手と足を動かそう。

阿部さんは、言葉と向き合う仕事をしてきて、言葉にヤジルシを加える使い手になるといいことがたくさんあると言ってます。それは普段からの友人づきあいなのかもしれないし、じぶんでプロジェクトを立ち上げて仲間ができるかもしれない、もっと仕事が面白くなるかもしれないなど。言葉は、自分自身の意識を変えるということもできる。だから、ヤジルシの使い手になってほしいと熱を込めて伝えてくれました。ありがとうございました!

ちなみに、言葉の企画の「コピーをどう考えるか」と「企画書をどうつくるか」という部分は、こちらの記事で、すでにわかりやすくまとまっているので、ぜひこちらから!ライターの野村愛さん、田中嘉人さん、ありがとうございます!

今回も表紙のイラストも前回に引き続き、企画メシ仲間のヤギワタルさんのイラストです。今回から各テーマに合わせて、ヤギさんがイラストを選んでくれることになりました!次回のイラストもお楽しみに〜!
ヤギさんの作品はこちらから、ぜひ見てみてください↓↓↓
https://www.instagram.com/yagiwataru/

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