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10. 大和式ブレスト理論

プルもキックも胸の厚み内で動作するれば、抵抗が最小になってスピードが出る。 「究極の汎用ヒト型最速泳法」で説明した話、覚えてるよね。 大和式の理論は、シンプル。ストリームラインの中を泳ぐだけ。 それを実現させた「推進システム」が、「肘とカカトの間」を「行ったり来たり」するシンプル動作。 「呼吸(プル)でスライド前進」、「バックキックで大きく前進」。胸の厚み内で動作するコンパクトなストロークだから、抵抗が極めて小さい。 唯一、ストリームラインから外れて抵抗が大きくなる

    • 9. 究極のブレストプル #2 -スピード編-

      「速さ」を「1ストロークにまで分解」して考えれば、 「最速スピードが出ている時間をどれだけ長く作り出せるか」 が、速さのカギになる。 ブレストの場合、「キックを蹴り終わると最速スピードが出る」から、この「フラットな姿勢」を長く維持して失速を避ければ、スピードが出る。 そう言われた時、「ストリームラインで伸びてる時間だけ」を考えてる選手は、その「思考の浅さ」で負ける。 競泳は、「ZEROコンマ秒」を競っている。ザックリとした思考で勝とうなんて甘い。 体を動かしてるの

      • 8. 究極のブレストプル #1 -動作編-

        ブレストのプルは、手を引いたり、前に出したりしない。 「肘から先を水面から離さず」に「腕を横に開いて、閉じる」だけ。 このプルが一番スピードが出る。 まずはこれ。 「見た目」で理解しようとすると「目の錯覚」に騙されるから、自分でも床に寝転んで、必ず「自分の体」で大和式プルを検証すること。 「目で捉えた表面情報に依存せず」、「自分の体内感覚に目を向ける」のは、すごく大事なことだから。 ほら、肘を緩めたまま外に開いて、肘をグルッと90度内側に反転させれば、上体が起き上

        • 7. 究極のブレストキック #2 -スピード編-

          ブレストのキックには、「真後ろに噴射する推進力」を「強烈に増幅する重要なテクニック」がある。 それがこの「後ろに下がりながら蹴るバックキック」。「水の抵抗」を逆利用し、「推進力」に変えて加速する「相補性テクニック」。 「プルで発生させたエネルギー」をキックに繋げて、120%に高めたエネルギーを「キック」でブチ込んで「強い推進力を発生させる」ヤバいやつ。 手をかいて呼吸をした次は「前に行きたくなる」けど、そこをグッと我慢して、「後方にバック」すれば、「強烈なキック」を打ち

        10. 大和式ブレスト理論

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        記事

          6. 究極のブレスト キック #1 -動作編-

          エネルギー充填120%。攻撃目標、ヤマト後方真後ろ、波動の輪。打てー! 引き込んだ足裏でぇ、ブチ込む。ドーン! ズババババーン これが究極のブレストキックで、最速スピードが出る場面。 見て分かるように、「ストリームラインで作られた水の流れ」に沿ってキックが打ち込まれる。 「ふ〜ん」じゃなくて、「感覚で捉えた水流に沿ってキックを打ち込めばいい」という重要な情報よ、これ。 「究極の汎用人型最速泳法」で解説した、 「胸の厚み内」に「膝が収まる」ように動かして、「水流を乱

          6. 究極のブレスト キック #1 -動作編-

          5. 究極の汎用人型最速泳法(汎用ヒトガタ)

          目指すべき究極のフォームはこの中にある。 「またかよ」ではない。最も抵抗の少ない泳ぎがこれなのだ。 競泳は、空気の中で争う陸上競技と違って、水の抵抗が大きな問題になる。「水中で速く歩こうとすればするほど、抵抗が大きくなって前には進まない」から、若い競泳選手が歩いても、おじさんが歩いても、水中なら差が付かない。 泳ぎの世界で「速い」とは、「抵抗の少ない泳ぎ方をしている」ということ。「タイム」に気を取られていると見誤るけどね。 技術的なゴールは、「究極に抵抗を減らして泳げ

          5. 究極の汎用人型最速泳法(汎用ヒトガタ)

          4. スイマー補完計画

          「腕に巻き付いて体の下側に流れ込む水流」は「身体を串刺し」にして「浮力を発生させる」から、自分の力を使う事なく、高い位置で泳ぐ事が可能になる。 自分の体が勝手に浮き上がれば、全ての力を「まっすぐ前に進む推進力」に使えるわけで、選手自身は「余った力を使いこなす技術」、その一点に集中して泳ぐことが出来る。 この「一点に集中して泳ぐ感覚」は、単なる速さだけでなく心理的にも大きなメリットがあるので、高いレベルに達している選手ほど大きな恩恵を受ける。 ただし、デメリットもある。こ

          4. スイマー補完計画

          勝つのは誰だ - Zoom lesson 1-

          ・体を鍛えれば強くなる。 ・鍛えた身体に高い技術を身に付ければ速くなる。 これは確実な事実だ。 「素質の差」で勝ち負けが決まるのは初心者レベルの時だけで、どんなに速い選手も練習しなけりゃ、ただの「人」、勝てる。 地道な練習は、目標に近づく確実な手段で、その取り組み方は結果を大きく左右する。 だから僕も必死に練習したし、一人でひっそり量も増やした。 あんなに練習をすれば速くなるはずなのに、結局僕は越えられない壁を前に、泳ぐことが嫌になって引退した。 あの時の僕は「す

          勝つのは誰だ - Zoom lesson 1-

          Zoomレッスン始めます

          水泳は不要不急。その通り。 趣味が人生の脇役でしかないのなら、優先順位が低くて当たり前。仕方ない。 良いものであれ、悪いものであれ、多数に支えられた価値観、それこそが「文化」だからね。 でも僕は、白黒の人生は嫌なんだ。 白か黒かの2色だけで人生が描かれていって、そのまま終わってしまうなんて絶対にイヤ。 もちろん、水泳は僕にとっても趣味だよ。 結果が出ないからって10年も水泳を放り出して、「結果の奴隷」になってた事だってある。 でもその趣味は、10代の情熱を限界ま

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          3. 混沌の中に流れるシンプルWay

          水はまっすぐ流れたい。 まっすぐ。 まっすぐ。 これが水の気持ち。水の性質。 水中世界の支配者を力で押さえ込もうとすれば、強い抵抗にあって確実に失速する。 目には見えない所にこそ、物事の根底で共通している本質が隠れている そこをよく理解して、「感覚」を研ぎ澄ましながら次の絵を見れば、 「複雑で混沌としているように見える世界」 の中に「逆らわずして進めるシンプルな道筋」が現れる。 この2本の水流は、「機械的な水の流れ」ではない。 「実際の水の流れ」と「力の入

          3. 混沌の中に流れるシンプルWay

          誰でもできる How to 避難

          「車で片道5分の避難所までが避難だ」って、漠然と思ってるでしょ。 「車で5分の避難所まで、2.5往復する。計2.5時間が、避難」 これが僕の実測値。 そもそも、「避難する」という判断は、口で言うほど簡単じゃない。 やろうか、やるまいか迷っている状態は「静的」だけど、避難という判断には「動(行動)」が伴う。 そのギャップが、実際の避難を難しくしている。 水泳の世界でも、体を止めて関節単体を動かすのは簡単だけど、パーツごとの「静的な技」を連動させて、実際に泳ぐ「動的な

          誰でもできる How to 避難

          2. 流れに身を任せる初心者

          多くの人は、水の流れをこうイメージしていると思う。 「手の上にある水が背中側」に流れて、「手の下にある水がお腹側」に流れる。 確かに、スタートやターンで壁を蹴って水中で蹴伸び(潜水)をする時は、それでおおよそ合ってる。 でも、「水中で潜水している時」と「水面に浮上して泳ぎ始めた時」では、「水の受け流し方」が違う。 「同じ水なのにそんなはずない」と思うかもしれないけど、水面を走る船と違って「潜水艦はどれも似ていてシンプルな形をしている」ことを思い出してみるといい。 あ

          2. 流れに身を任せる初心者

          1. ストリームラインの奥義

          人は流れに逆らえない。 良い時も、悪い時も、流れに従う事で自分に流れを引き寄せる。 「流れに身を任せる」のとは違う。自分の「意思」で、流れに「従う」んだ。 この図は、”泳いでいる時”の水の流れを描いていて、「ストリームラインの奥義」といっても過言ではない。 これほど詳細に表現されたストリームラインは見た事ないはずだ。 ここまで繊細に目に見える形で表現したのは、おそらく僕しかいない。 「見た目」を捉えて「見た目を説明したストリームライン」なら、この程度でしか描けない

          1. ストリームラインの奥義

          Profile

          ◾️水泳 「上から数えた方が早いもの」は、水泳しかありません。 カナヅチだった小学2年生の僕は、冬場も極寒の水で練習するビニールハウススイミングで泳ぎ始めて、普通よりも成長の遅い不器用な選手でしたが、ライバルの少ない平泳ぎだった事もあって、小学4年で延岡一番、小学6年で宮崎一番になっていました。 平泳ぎの同級生がいなくて、常に「先輩が目標」になっていたのが良かったのだと思います。 中学生になると、背泳ぎの先輩で目の前にいる全国中学 "3番" の先輩に憧れて、「全国制覇」

          IV. 鬼の罪

          残念な現実なんだけど、世の中は変わらないし、変えられない。 日本の直近1000年間だけを見ても、なにひとつ、変わってない。 250年続いた室町幕府は、第15代足利将軍で終わり、 250年続いた江戸幕府も、第15代徳川将軍で終わった。 室町時代と江戸時代の間には100年間の戦国時代があって、 明治維新から始まった戦争の時代は100年続いて、第二次大戦で終わった。 戦後の日本は、戦国時代が終結した江戸時代の始まりと同じように急激な経済発展があって、平和で豊かな時代が始

          IV. 鬼の罪

          III. 鬼は誰だ

          敵を知り、己を知れば、百戦あやうからず。 鬼って一体、誰なんだ。 鬼を理解しなくちゃ、僕のレースに鬼を引きずり込むことなんてできない。 鬼に会って情報収集したい所だけどそれは出来ないから、思考実験でイメージ戦略を練るしかない。 鬼は二足歩行で、僕らと言葉が交わせる事からして、元々、人間だったんじゃないかって僕は思う。 現世で悪い事をしてきた人間だから、三途の川を泳いで渡る羽目になって、泳げないから溺れて地獄に落ちた。 長い間、地獄で苦しんでいた所に、「鬼になれば解

          III. 鬼は誰だ