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トイレバーン事件

2年前にフルリモートに移行してからそれなりに快適な生活を送っていたのですが、最近はある問題に悩まされていました。それは肩と首の凝りが地獄のように終わっている事で、マッサージを受けてはぼったくられたりしてなんとか誤魔化してきたんですが、結局のところ「身体を動かすしかない!」となりまして、最近はストレッチしたり大きな公園のジムでウェイトトレーニングをしたりしていました。

今日もそのジムでひと汗かいて腸も活発になったので生理現象を片づけてから個室を出たんですね。*1
すると隣の個室から同じタイミングで出てきたおっさんがこちらを向いて何やら呟いているんです。最初は同時に出たからビックリしただけかと思ったら、どうやらこちらにブツブツ言ってます。無視して手を洗っていたら「閉め方がうるさい」と言ってきました。
確かにそのトイレは昔ながらのシンプルなもので*2便座の蓋もクッションなどなく、何も気にせず閉じれば大きな音が出ます。とは言えそんなの難癖をつけるような事じゃないんで気にせずトイレを出たら、おっさんが外に向かいながらまだこっちを見てブツブツ言ってました。察しの良い読者の方はここでおっさんが手を洗っていない事に気づくはずです。

さすがに僕もいきなり難癖をつけられて黙ってるのは癪だったので、その場でレスバに入りました。
『なんですか?』
「閉め方がうるせーってんだよ。思いっきり閉めただろ」
『僕は力も入れてないし普通に閉めたらああなると思いますけど』
「お前だけなんだよ、あんなうるさく閉めてるのは」
『他の人がトイレに入るのを全部見てるんですか?』
「お前だけだっつってんだよ」


どうせこういう輩と話しても埒が明かないのは分かっていたので『話になりませんね。さようなら』とメガネをくいっして*3その場を去ったんですが、やはり得も言われぬモヤモヤが残り、朝からツイてないなと独り言ちながら自転車に跨り帰路に就きました。

しかし…しばらく考えてるうちに、愚直な対応をしてしまった自分がどんどん恥ずかしくなってきたのです。

あのおじさんはなぜ些細な事に怒るのだろう?

普通の人はちょっとトイレの音がうるさくても人に文句を言うほど怒ったりしません。バンバン鳴らしてたら気になるけど1回だけですからね。よっぽど大きな音が怖かったんでしょう。普段から偉い人に恫喝されているかも知れません。大人げない対応をせず「うるさかったですか?大きな音が怖いんでちゅか?」と聞いてあげれば良かった。そうしたら彼の身の上や怒りの正体を掴めたかも知れない。寄り添う気持ちが大事なんです。

そもそも特に強そうでもない普通のおっちゃんが180cm近くてわりとガタイの良い(中身は貧弱な)僕に難癖をつけるなんて、なかなか勇気がないとできないと思うんですよね。あ、もしかしたら…彼は未来の僕だったのかも知れない。頭は薄くなり背筋は曲がって小さくなってしまった。仕事も失い公園のトイレで涼んていたところをバーン!とおどかされて顔を見たらかつての自分だった。そこで名状しがたい怒りが沸いてきたのかも知れない。

彼に殴られでもしたらそれはそれで、まあ刺されなければ良いかなくらいに思っていましたが、もしそうなったらタイムコップのラストみたいに触れあった僕とおじさんが対消滅していた可能性があります。そしたら僕は「もみじくん助けてぇ…」と呻きながらおじさんの「地獄だぞ」の声が響く世界に永久に閉じ込められていたかも知れません。危なかった…

そんなわけで今回僕が学んだのは、
いついかなる時も人の気持ちを考えて寄り添うべし
ハプニングもネタになると思ってじっくり対処すべし
という事でした。

みなさんも同じような事態に遭遇したらこの話を思い出して、なるべく刺激しないように穏便にその場を去って下さい。危ねぇから!

最後に、みなさんオカルトコワすぎ!をぜひアマプラで見て下さい。
さようなら。


*1 分かりやすく言うとトイレでうんこしてました。

*2 公衆トイレの足元に水溜まってると掃除の残りだとしても踏みたくないからパンツ下ろすけど頑張って足開いたり揃えて前に伸ばしたり頑張らないといけないよね。

*3 ごめんなさい裸眼です。でも同じセリフは言ったし手を振って去りました。身体は大人、頭脳は厨二!

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