Yamato Muraoka

アライドアーキテクツのChief Product Officer(CPO)兼上級執行役…

Yamato Muraoka

アライドアーキテクツのChief Product Officer(CPO)兼上級執行役員。マーケティング領域のプロダクト事業を統括、特にSaaSビジネスの強化に注力。ベンチャー経営・プロダクト開発・ベトナム子会社・広告。1歳になる息子を溺愛。

最近の記事

プロダクトオーナーとはどういう存在であるべきか?

役職名の定義は様々ですが、プロダクトビジネスを展開する企業にはプロダクトオーナー(PO)が存在します。 弊社アライドアーキテクツでは2019年1月からカンパニー制を導入し、各カンパニー毎を擬似的な子会社として管理し経営しています。僕がカンパニー長を務めるプロダクトカンパニー(SaaSを始めとする自社プロダクト事業)では、カンパニー制導入に合わせて「プロダクトオーナー」という役職を明確にし、私含め3名のプロダクトオーナーにより4つのプロダクトを運営しています。 ただ一方で、

    • SaaSと月額販売は何が違う?:Negative Churnの考え方

      SaaSのビジネスモデルにおける多くの誤解が、 SaaS=月額販売モデル という考え方ではないでしょうか。 僕が既存の自社プロダクトをSaaSビジネスに転換した当初も同じ考え方を持っており、当時はショット単発販売が主だったプロダクトの価格をとにかく「月額化」することから全ては始まりました。 しかしながら、当時の僕は単に一律定額の月額価格を用意しただけに留まり、事業の拡大にとても苦難することとなります。 その経験から単一な月額価格サービスを販売することは"月額販売"で

      • BtoBこそクリエイティブ力が必要:デザイナー以外に求められるクリエイティブスキルとは?

        “クリエイティブ”や”デザイン”という言葉がビジネスと並列で使われるようになり久しいですが、BtoBの業界ではまだまだ”クリエイティブ”や”デザイン”への意識は薄いと感じます。 営業は営業、マーケティングはマーケティング、と同じく、クリエイティブはあくまでデザイナーの仕事であり、自分は関係が無い、と考えている人も少なくないのではないでしょうか。BtoCでは顧客がダイレクトに生活者となるので、デザインやクリエイティブの領域が明確かと思います。 一方で、BtoBにおける顧客は

        • "広報=コストセンター"ではない:BtoBのPRは営業でありマーケティングであり採用である

          僕は事業家であり、広報やPRの専門家ではありませんが、複数の事業を立ち上げ拡大できた要因の1つが広報の力でした。 それは、事業のブランディングや僕個人の魅せ方の考案から、それを的確に社会に伝える施策の実行まで幅広く、「顧客が僕らの事業を選んでくれる理由」を作ってくれる仕事でした。 自身の経験から、僕は事業の発展において"広報"や"PR"という仕事を適切に捉え、事業の中枢に参画してもらうことが極めて大切だと考えています。 社会的にもPRの重要性への注目が著しく高まる一方で

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        • BtoBこそクリエイティブ力が必要:デザイナー以外に求められるクリエイティブスキルとは?

        • "広報=コストセンター"ではない:BtoBのPRは営業でありマーケティングであり採用である

          SaaSのプライシング戦略:コスト積み上げで算出しないSOB(Source Of Business)という考え方

          プロダクトが提供する価値をどう定義するか、が事業の成長を決める大きな因子になります。 先日twitter上でHiCustomerの高橋さんとプロダクトのプライシングに関してこんな議論になりました。 上記の通り、SIerや、以前僕もやっていた広告代理業、等の従来のビジネスモデルでは、納品にどれくらいのコストがかかるのか、が提供価格のベースになることが多いです。 ただ、SaaSを始めとするプロダクトビジネスにおいて、コスト積み上げだけで価格を算出することには事業に対していく

          SaaSのプライシング戦略:コスト積み上げで算出しないSOB(Source Of Business)という考え方

          SaaSのプライシング戦略:他社との価格競争には参入しない

          僕は、価格競争を続けるBtoBプロダクトは長く継続することは難しいと思っています。 SaaSプロダクトをはじめとするBtoBプロダクトにとってプライシング戦略はACV(顧客毎の年間平均契約金額)を引き上げる為に最も大切な戦略の1つですが、僕が自身のSaaSプロダクトのACVを2018年1年間で数倍まで向上させることができた大きな要因は他社との価格競争に参加しないことでした。 僕が運営するSaaSプロダクトの1つは、競合他社よりも5〜10倍の価格で販売しておりますが、他社と

          SaaSのプライシング戦略:他社との価格競争には参入しない

          SaaSの顧客単価向上:あなたのプロダクトはサプリ?それとも薬?

          SaaSプロダクトの価格設定は極めて難しい課題ですが、僕が価格を考える時は、前田ヒロさんの記事にある「死の谷」を常に意識するようにしています。 「死の谷」とは、ACV(顧客毎の年間平均契約金額)が年間約50万〜360万であるSaaSプロダクトは売上の伸びが頭打ちとなり成長が止まりやすい、ということを指します。 年間50万〜360万は、クライアントの担当者も自身の予算内か1段上の上長の決裁で通せる金額のため、営業が最も受注しやすい価格帯であり、広告業界でも多くのSaaSプロ

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          CPOとして実現したい広告業界の未来

          僕は、広告が大好きです。 言葉通りの広告だけではなく、ブランドの宣伝活動やそれに至るマーケティング活動全般をここでは"広告"と呼びます。 そもそも広告が存在しなければ僕らは豊かで幸せな生活を送ることすらできないし、多様性のある広告クリエイティブにより人は季節を感じ、感情を変化させ、喜怒哀楽を覚えます。 それくらい現代人の生活の基盤になっている広告は、本当に素晴らしいものなのに、人は広告を嫌います。 広告が嫌われるのは、広告が悪いのでしょうか? 広告が嫌われてしまった

          CPOとして実現したい広告業界の未来

          西野さんの言う信頼貯金は広告業界が必要としていること

          僕は根っからのキンコン西野さんファンなんですが、この「新世界」全ページ無料公開はもう本当にやばかった。 「信用」の貯金っていう概念を西野さんはずっと発信していますが、広告業界で言う「ファン」とか「アンバサダー」とか「一方的な広告は伝わらない」とか、全部同じ概念の話しです。 お金で買えるのが認知と権威だけど、それだけでは人は動かなくなって、それによって「お金」の価値がなくなった。 っていうのは広告業界でもまさに起きてること。 大手代理店へ払う一発10億円には意味がなくて

          西野さんの言う信頼貯金は広告業界が必要としていること