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プロダクトオーナーとはどういう存在であるべきか?

役職名の定義は様々ですが、プロダクトビジネスを展開する企業にはプロダクトオーナー(PO)が存在します。

弊社アライドアーキテクツでは2019年1月からカンパニー制を導入し、各カンパニー毎を擬似的な子会社として管理し経営しています。僕がカンパニー長を務めるプロダクトカンパニー(SaaSを始めとする自社プロダクト事業)では、カンパニー制導入に合わせて「プロダクトオーナー」という役職を明確にし、私含め3名のプロダクトオーナーにより4つのプロダクトを運営しています。

ただ一方で、プロダクトオーナーとしての役割を任命する上で、

「プロダクトオーナーって何する人?」

という定義が弊社には存在せず、2018年以前は事業部長(現在のプロダクトオーナーのポジション)によって異なるプロダクト運営がされてきました。

営業出身の事業部長とPM出身の事業部長では、ビジネスモデルの考え方や事業遂行の方法が異なり、それぞれ個別では悪いことではないですが、弊社のように複数のプロダクトポートフォリオを持つ企業においては、POのバッググラウンドに依存したプロダクト運営を続けることは全体のバランスを損なうリスクがありました。

そこで、POとして意識すべき10の行動原理を明確にし、それをPOが遂行すべき業務として定義しました。

1. プロダクトオーナーの仕事は重要なタスクを推進することではなく、未来を描くこと

プロダクトオーナーは常に魅力的な未来を描き続けなければいけません。
一方、事業が拡大するにつれて、求められるスキルが高い業務が増え、ついPOがそれら重要業務の遂行に多くの時間を割いてしまい、未来を描くことがおざなりになるケースがあります。しかしながら、POの成果は重要業務をどれだけ巻き取れたか、ではなく、常に未来をアップデートし、その未来に向けてプロダクトをリードできているか、で判断されるべきです。

2. 自分たちの基準ではなく、市場水準で考え行動すること

行動や施策品質を決める際に、「今までこうやってきたから」「会社のルールはこうだから」というような自分基準ではなく、世界のSaaSプレイヤーはどうやっているのか、という基準で判断しなければいけません。
自分基準で考えると、永遠に自分の限界を超えられず、品質向上も見込めません。

3. 常に、より大きな場所に挑戦し続けること

今挑戦している市場や手法で満足せず、常に今よりも大きな場所へ視点を向け挑戦を続けることもPOの仕事です。
市場:エンタープライズ、SMB、海外、新規業界、etc
手法:価格改定、マイクロサービス化やアトミックデザインなどへの開発手法、etc
などの領域に対して常に挑戦できていることが求められます。

4. 組織の頂点ではなく組織の中心になること

プロダクト事業は、開発、デザイン、マーケ、PR、営業、カスタマーサクセスなどの部署が共通ゴールに向けてバトンを渡すようにアメーバ的に繋がる組織形態になります。各部署の情報を常に頭に入れて判断をすることがPOの仕事であり、そのためには組織の頂点に立って情報が引きあがってくるのを待つのではなく、組織の中心に自分をおいて情報に能動的且つ敏感であることが大切です。

5. 新規市場の開拓、プロダクトの進化、チームリードを重要なミッションとして考えること

プロダクトが掲げる未来の実現の為に、新規市場の選定し推進すること、プロダクト進化の方針を掲げること、それに向けてチームを牽引することは未来を掲げるPOがもっとも価値を出せる領域です。如何に部下が優秀でも、この3点に関してはPOが最も旗を振るべきです。

6. 良いプロダクトではなく、必要なプロダクトを創ること

良い(Nice-to-have)と必要(Must-have)を見極める力がPOには必要です。必要なプロダクトを作るためには、市場や顧客の"ペインポイント"を明確に把握しなければなりません。顧客にとってなくてはならないプロダクト創りにFOCUSすることがPOに求められます。

7. 常にユーザー視点であること

プロダクトを牽引するPOは常にユーザー(プロダクトによって法人か個人は異なる)起点で事業を考えなければなりません。
「ユーザーは何を求めているのか?」
「ユーザーは何に痛みを感じているのか?」
を起点にすべきであって、他のステークホルダーはユーザーの次の優先度として考えます。

8. ビジネス、技術、クリエイティブから少なくとも2本の強みは持つこと

ビジネス、技術、クリエイティブ全てが連鎖してプロダクトが成立する為、POは"少なくとも"3つのうち2つに対しては深い理解と高い能力を持つ必要があります。2つ以上の軸を持たないと、適切なマーケットに、適切なプロダクトを投下できているか、という判断を行うことが難しくなってしまいます。

9. プロダクトが面する最も深刻なイシューを検知し集中すること

市場や組織の環境が常に激しく変動する中でプロダクト事業が抱える課題も常に変化します。POは最も深刻な課題を特定し、自身のリソースをその課題解決に投下すべきです。それが得意不得意は関係なく、POとして課題解決のために最善を尽くす責任があります。

10. 判断することが仕事、常に備えること

プロダクトの成長を支えるのが「スピード」です。スピードを維持するためにPOは常に判断を求められます。その度に数日間の検討を重ねているとスピードの担保は難しくなる為、POは常に判断の準備をする必要があり、情報や権限を精査しなければいけません。

以上の10の行動原理が現在アライドアーキテクツ掲げる"POのあるべき姿"です。

これからもアップデートをしていきますので、「こんなのもあるんじゃない?」というご指摘があれば是非頂けると幸いです!

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Yamato Muraoka

アライドアーキテクツのChief Product Officer(CPO)兼上級執行役員。マーケティング領域のプロダクト事業を統括、特にSaaSビジネスの強化に注力。ベンチャー経営・プロダクト開発・ベトナム子会社・広告。1歳になる息子を溺愛。

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