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鉄道の旅はまちを俯瞰することではないか。

ひとり、ローカル線にトコトコ乗る。
普段の通学で満員電車に押しつぶされながら、ちらりと外を見てみる。
誰かとの約束で新宿へ行く。

そのどの場面でも、鉄道から外を見ていて思ったことなのだが、
鉄道旅は、まちを俯瞰してみることができると思う。

車窓をずっと眺めていると、ほんの一瞬だけ、そのまちの人々の生活の一部を垣間見ることができるからだ。

ご近所さんで話しているママ友たち、下校途中の小学生、洗濯物を干しているおばちゃん、庭いじりをするおじいちゃん、ただ散歩するおじさん、どこかへ出かけようとするおばさん、ジョギングをするじいさん………。

とにかく、色々な人々が生活している中のその2秒だけを垣間見る。
動いている車窓の中で、その人の行動が2秒たけ固まって見える。

それを見る場所は、自分が知らない場所の方がよい。

自分の生活圏から何百キロも離れた場所で、1億人の住民のうちの生活の一瞬を覗き見る。そして、その見た人々は恐らく一生話すこともないし、会うこともない。

こんな遠くでも一人一人がちゃんと生活している!
当たり前のことにも気づく。

このような儚さと、面白さを味わえるのが鉄道の魅力であるように思える。

反対に、車はまちの構成要素になるように思える。
車での旅行を思い浮かべてほしい。

地元ナンバーと一緒に同じ道を同じ速度で走る。
確実にそのまちの構成要素になりきっている。
車旅行はまちに没入できる。と、思う。


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