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五箇山荘はいい旅館でした(富山旅行)

2023年11月24日(金)
三日目の観光も終わり、今夜の宿である五箇山荘に戻ってきました。

五箇山荘は上梨の中ではかなり高い位置にあって眺望はよいのですが、その分、登り坂がきつい。


なんて普段から坂道を歩き慣れている小樽市民の言うことではありませんが。

五箇山荘は、建物そのものはそう新しいものではないようですが、とてもきれいで清潔な印象です。もっとも秋にはカメムシが室内に入ってくることもあるらしく、対策としてガムテープとカメムシの取り扱い注意が設置されていました。この地ではクサギカメムシが主流だそうです。カメムシが悪臭を出すのは、敵に襲われるなど危険な目にあったとき、驚いたときと説明がしてあり、イラストにはカメムシのセリフが「こわいよー」と記されており、これを見るとカメムシが可愛く思え、ガムテープで捕まえてしまうのが可哀想になりますね。幸い、すでにカメムシが活発に活動する時期ではなかったらしく、室内では一匹のカメムシにも遭遇しませんでした。

いかんな、こういう話柄になると筆が滑る、じゃなくて指が勝手に書き綴ってしまう!

五箇山荘のことですよ。フロントの方にうかがうと14年前に客室をリニューアルしたとか。入口側に配された水回り関係(洗面とトイレ)エリアを囲むダークな色調の木製パーツと壁紙の淡い色の対比がきれいです。木製パーツ上部から発せられる間接照明も洒落ているし、室内に落ち着いた雰囲気をもたらしてくれます。山の中の旅館とは思えないほど、オシャレな空間で寛げます。

余談ですが。五箇山荘は近代的な旅館です。一方、五箇山の集落内にある民宿は、必ずしもそうではないようです(実際に民宿に泊まってはいないので、想像にすぎませんけれども)。
話柄が前後しますが、相倉で見学した合掌造りの民宿では、洗面所や手洗いは完備されていると思われますが、空調が効いているとか、ホテル的な「清潔さ」までが望めるかどうか。むしろ、2023年現在、50代以上の人なら経験があるかもしれない、昔のトイレやお風呂に近いかもしれません。
民宿のそうした古さは、欧米の外国人観光客には人気があるようです。ですが日本人観光客は、特にかつて寒いお風呂や小さな洗面台を経験した世代にとっては、「今さら……」という感じ。むしろ旅の疲れを癒やしてくれる近代的な宿泊施設で寛ぎたいですよ(個人の感想です)。

食事は、いかにも日本の旅館の夕食、ですね。

昔、「山の中の旅館で出される刺し身なんて食べられたもんじゃない」と書いている本を読んだ記憶があります。今は冷蔵技術が格段に進歩しているし、運送手段も発達しているので、そういう苦情は出てくる余地がありませんね。
五箇山荘のメニューの特徴としては、すべての料理に五箇山豆腐が使われていること。写真中央、刺し身の上に卵焼きみたいに見えるのは、昆布で締めた五箇山豆腐です。普通の豆腐よりも水分が少なくて固くて、だけど高野豆腐よりは柔らかい、という感じかな。コンロを使った蒸し物や天ぷらにも五箇山豆腐が使われていました。

ちなみにこれまではコンロに火を付けたら、それはたいていは陶板焼だったのですが。

富山旅行中に2度食べたのですが、2度とも蒸し物でした。五箇山荘では豚肉とキャベツ、舞茸、銀杏、それに五箇山豆腐。

天ぷらの五箇山豆腐は、なすの下にあるの、だったかな?

そして山の宿といえば、川魚の塩焼き。これは岩魚だそうです。

たんぱくな味わいですが、皮の塩味がちょうどよかったです。口を「カッ」と開いているので、指で触ってみたら、なかなか鋭い歯をしていました。

食事は18時からで、「こきりこ節」など五箇山の風物を紹介するビデオが流れる食堂で供されました。ゆっくりと食べたので、終わったのが19時ころ。それからロビーに行ったらNHKのニュースセブンをやってました。このとき、食事が18時から始まったのをコロッと忘れて、ふだんの食事時間(19時過ぎ~20過ぎ)と勘違いしており、
「あれ? まだ7時なの?」と驚いてしまったです。

そんなこともあって五箇山荘では、なんとなく時間がゆっくりと流れているように思えました。
温泉でもゆっくりしようと露天風呂にも入りましたが、折からの雨が降り注ぎ、頭は冷たいし(ハゲてるから余計に)、お湯はぬるまるし、足元には葉っぱが沈んでいるし、肩を出すと寒いしで、そうそうに屋内の温泉に引き上げてきましたよ。

これはロビーに貼ってあった、「富山言葉の番付」。

有名なところでは、西の横綱「きときと」でしょうか。空港の名前にも使われいますからね、富山きときと空港って。

東の横綱は「きのどくな」ですが、これは「ありがとう」の意味。ニュアンスとしては、感謝とともに気を使わせて悪いねえ、みたいな多少の申し訳なさを含んでいるのかもしれません。

同じく東には小結として「だいてやる」。これは「おごってやる」ですが、言葉の誤解の面白さでテレビ番組などで取り上げられたりしますね。飲みに誘ってきた上司に、「今夜はだいてやる」って言われたら、今ならセクハラ!?

もうひとつ、西の前頭二枚目にご注目!
さあ、みんなも「ちゃんと正座して座りなさい!」と叱責してみよう、富山弁で。

そして一晩寝たら、次の日の朝食です。


どれも美味しかった!

特に小鉢のくるみ味噌なんて、これだけでご飯一膳いけます。もっとも、偏食だった子どものころなら、鮭以外は食べられなかったかもね。若いころなら、物足りなかったかもね。そう考えると、おとなになること、年をとることも決して悪いことばかりじゃありません。