イラレのスクリプトでカードを量産

はじめに

この本は、私がアナログカードゲーム「こころ-青春葛藤編-」をバージョンアップする際に作成したスクリプトとその解説です。

対象読者

* アナログゲームを作成していて、イラストレーターを使用している人
* イラストレーターで似ているデータを量産する人

対象環境

* Windows 10 Pro
* Adobe Illustrator CC 2018
* Adobe Extendscript Toolkit CC

Windowsでのみ動作を確認しています。

使用言語はJavascript

イラレのスクリプトはいつくか種類があるのですが、JavascriptならばWindowsでもMacでも動作します。
ところが、このJavascriptは最新ではありません。そのため、最近のJavascriptの便利なコードが動作しないことがありました。イラレのスクリプトは「ES3/1999年12月の仕様」らしいです。

スクリプトにする理由

私は「こころ-青春葛藤編-」を作りました。このとき、予想以上の労力がかかりました。
ゲームデザインやテストプレイもさることながら、カードの印刷データを作成するのに手間取ります。

今回作成した「こころ-青春葛藤編-v2」は30枚あります。
手作業だとちょっとした変更であっても、30倍の労力がかかります。
私自身、印刷の入稿に慣れていないため、マージンを変更したり、塗り足しが漏れていたり、ルールの変更により情報が増えたりなどいろいろありました。
変更の労力が大きいと、なかなかモチベーションが続きません。

私の本業はプログラマなので、同じ作業を繰り返すことがどうしても許せませんでした。
許せないというのは個人的な性分ですが、怠惰はプログラマの美徳とされています。
プログラマではなくとも、繰り返し作業を苦行に感じる人は多いでしょう。

今回、気合いを入れてイラストレーターのスクリプトを使用して、カードを作成する方法を調査し実現しました。
スクリプトを作るのには調査やテストなどで結構な時間がかかりました。このスクリプトが読者のみなさんのゲームのクオリティアップに貢献できれば幸いです。

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