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変わったような変わっていないような MacBook Pro 13インチ 2020 (後編)

キーボード

今回のキーボードはMagic Keyboardと銘打たれ、従来のバタフライ式キーボードからシザー式キーボードに変更となった。従来のバタフライキーボードはMacBook 2015より搭載されている方式のキーボードであるが、故障やトラブルの報告が相次ぎMacBook Proでも一時期採用されていたもののあまり評判の良いものではなかった。Apple公式ホームページにおいてもキーボード修理プログラムのページが掲載されるなど不具合が多発したキーボードであったため、今回の改良はそこからの脱却を図った形となった。バタフライキーボードはさらなる薄型化が実現できたものの、先述の不具合のほか打鍵音などの騒音が大きいという声も聞いていたため、あまりいい印象はなかったことからこの点は評価できるだろう。そのほか、Touch Barの左側にEscキーが追加された。従来機ではEscキーを入力する際にTouch Barを操作してEscキーを呼び出す必要があったが、これが独立したことでより操作性の向上が図られることとなった。

外観

先述の通り、外観のデザインに関しては従来機からの変更点はないが、本体の厚さは新型機のほうが7mm厚くなっている。また重さも30g増加している。これらはキーボートなどの改良点によって大きくなったものであると推測されるが、持ち運びにおいて支障をきたすものではなさそうである。搭載スピーカーにも変更が加えられていて、新型機のほうでは「ハイダイナミックレンジステレオスピーカー」とされDolby Atmosに対応した。MacBook Proのスピーカーは従来より大型で音質にも定評があるため、この改良は非常に興味深い内容となった。

価格

価格は上位モデル512GBで18万8800円、1TBで20万8800円となる。2019年モデルの上位モデルと比較すると1万円から2万円ほど値下がりしているため、非常にコストパフォーマンスが良いモデルという印象を受ける。

考察

MacBook Proシリーズは一昔前であれば、高度な動画編集や画像処理を行なうには厳しいとされた時代もあったが、2018年モデル以降において最上位クラスはゲーミングラップトップに迫るまでの性能向上が図られ、デスクトップPC代わりにMacBook Proを導入するというユーザーも増えてきつつある。そのようなハイパフォーマンス時代における13インチMacBook Proの進化は意外にも手堅く、押さえるべきところを押さえてきたという印象を受けた。13インチモデルはモバイル用途が重要視されるため、性能と可搬性のバランスで選ぶ必要があるモデルだと感じた。一つ疑問に感じたのはキーボードにおけるブランド名である。このMagic Keyboardという名前は従来iMacやMac Proなどの無線キーボードのブランド名として販売されていたが、今回はシザーキーボード全体のブランドという扱いに変更となっているようである。先日発売されたiPad Pro用Magic Keyboardと合わせてのことだと思われるが、もうすこしわかりやすいネーミングと統一されたブランドのラインナップが求められるのではないだろうか。

参考文献

Apple MacBook Pro
https://www.apple.com/jp_smb_3500/shop/buy-mac/macbook-pro/13%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%81

engadget日本版『13インチMacBook Pro仕様比較。2020年モデルと旧モデルはどこが変わった?』
https://japanese.engadget.com/jp-2020-05-04-13-macbook-pro-2020.html

iPhone Mania『【速報】新型13インチMacBook Pro発売!キーボードを刷新、性能向上』
https://iphone-mania.jp/news-286887/

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