80年代への憧れ #4

ここまで調べていくうちに、ある音楽ジャンルに行きついた。この長々とした迷走の終着点、あるいは目的地とも思えるところである。

それがシティポップである。毎度のことながらウィキペディアを引用してみよう。

“正式な音楽用語ではないが、主に1970年代後半から1980年代に流行した、都会的なイメージを前面に出したポップスを指す。60年代、70年代を通過したアダルト層へのアピールを意識したイージー・リスニング的、ミドル・オブ・ザ・ロード的(中道的)でソフトなロック、ポップスなどの総称である。元々日本国内でのみ通用するジャンルだったが、後にヴェイパーウェイヴ勃興の中でサンプリング元として取り上げられ始め、動画サイトで元ネタの音源の発掘が進むと共に、世界の一部でも注目されるジャンルになった。
——出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』”

なんのことやらということである。しかし、ここでベイパーウェーブという言葉が出てきたことは分かるだろう。

実はシティポップとはベイパーウェーブの素材になっている音楽のひとつである。80年代への懐かしさを出す本質部分がここにはあるのだ。

80年代のシティポップが集められたYouTubeの動画をひとつ貼ってみるが(URL: https://youtu.be/qvDf6wOaggg )ひとつ曲を挙げてみると山下達郎の“RIDE ON TIME”だろうか。この動画でも一番最初に出ている。

実は自分がこの曲に初めて出会った時は2003年頃、まだ小学校にも入っていなかったときである。

この頃、木村拓哉主演のドラマで“GOOD LUCK”というドラマが放送されていた。航空会社のパイロットという役回りの中でさまざまな騒動や出来事を通した人間関係を描くもので、非常にクオリティの高いドラマであったと感じる。そして自分がここまで飛行機(や乗り物全般)に興味を持つきっかけとなり非常に思い入れのあるドラマである。

そのドラマのエンディングテーマにこの曲が流れていた。都会的なイメージはもちろんあるが、海外旅行、特にハワイなどのイメージがとても湧いた曲調で山下達郎の独特と歌声と相まって当時の自分でもどこか懐かしい雰囲気がそこにはあった。

それから16年経った今聞き直してみてもそのイメージは消えていない。

上記のYouTube動画を見てみてこの曲の次に出てくる角松敏生の“Airport Lady”もこのような雰囲気である。(正直に言えば、この二曲を比較すれば、むしろ後者のほうが都会的なイメージがあるのではないかとも感じてしまうが)

その次に出てる曲はRAJIEの“Goodbye Transfer”である。どこか暗い雰囲気の曲調の中で、甘い女性ボーカルの声が哀愁を誘う。まさに別れの曲と言ったところだろうか。

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