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今すぐ家族親戚にダウンロードさせて

これは過去に私が、実際に会議でした発言。私は焦っていた。アプリの新規ダウンロードが足りず、目標が未達だった。危機感をチームに伝える必要があると思った。未達ならこんな会議やめて、今すぐ家族親戚にダウンロードさせてと。もう少しマイルドな言い方だったかもしれないけど、本気でその方がまだマシだと思った。

目標は自分を鼓舞する装置だ。日々の進捗で達成率が可視化される。未達の日、達成の日、数字を追いながら過ごす日々はとてもつらい。けど、そこから逃げずに踏ん張った人だけが数字を残せてると思う。実力ありなし関係なく、達成したかどうかでしか評価は下されない。

目標はいつも無理な所にいるので、目標と向き合うコツをいくつか意識している。ひとつは「目標」と「新スキル」に相関性を置くこと。目標が高くなっている場合、同じやり方に固執すると失敗する。こういうときは具体的に得たい新スキルを設定して、その先に目標を置く。目標を宣言することは「新スキル」を得る機会を自ら作ることだ。

次に「時間で解決できない目標」にする。自分の労働時間を増やす解決方法じゃなくて、仕組みやルールを変えることに頭を使う。少なくとも会議で話し合っても数字は伸びないし、目標を達成することや結果を出すこと自体に向き合う。

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その無理な状況を突破するのがアイディアだと思う。ブレイクスルーはいつもアイディアから始まる。毎日の小さいハックから、月の大きな仕掛けまで、自分なりの工夫で数字を伸ばすこと。前職のサイバーエージェントでは「決断経験値」「成功体験」というワードが頻繁に使われた。上司に言われてやるんじゃなくて「決断をする経験」が人を育てる。そして「成功した体験」こそが次への活力になる。まさに目標に向けて自分をアップデートできている状態だと思う。

少し具体的な話をすると、アプリダウンロードを分解するとCPI(1人あたり獲得単価)とLTV(1人あたり生涯課金額)そして広告予算がある。LTVから逆算してCPIを決めるわけだけど、マーケターの仕事はCPIを下げるだけじゃない。そもそもLTVが高いユーザーを獲得したり、LTVが高い新機能を自分で作ることも解決策になりえる。CPIを下げてもLTVが低ければ意味がないし、いたずらに予算を増やしても根本的な解決にはならない。

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スタートアップで働くこと

私の基本的なスタンスとして、会社やチームはいつ消えるか分からないという危機感がある。どれだけ愛着があっても、縮小撤退が待っているビジネスの世界。だからスタートアップに必要なのは勢いじゃなくて平熱の高さだと思ってる。調子がいいときに威勢のいいことは誰でも言える。キャンプの小さい焚き火のようにずっと熱を持ち続ける。そんな姿勢こそが逆境を吹き飛ばす力になると信じている。

自分の努力で達成すること。その達成が会社の成長に直結していること。そんな実感を噛み締められること。それがスタートアップの魅力だと思う。スマートニュースのQ3(7月-9月期)が無事終わった。Q4も全力で走りましょう。


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