「文化庁メディア芸術祭 やんばる展」スペシャルプログラム 映画『この世界の片隅に』上映会&トークショー レポート

2019年1月16日(水)、大宜味村立旧塩屋小学校にて映画『この世界の片隅に』上映会&トークショーが行われました。本イベントは「やんばるアートフェスティバル2018-2019」と同時開催中の、文化庁が主催するメディア芸術の祭典「文化庁メディア芸術祭 やんばる展」の上映プログラムの一環で行われたものです。

【日時】2019年1月16日(水)18:00~トークショー 18:30~映画上映
【場所】大宜味村立旧塩屋小学校・体育館  
【登壇者】のん(女優)、真木太郎(プロデューサー)、MC:狩俣倫太郎(琉球放送アナウンサー)

第二次世界大戦中の広島を舞台に、人々の暮らしを繊細に描いた映画『この世界の片隅に』は、2016年の公開から未だに上映が続いているほどのロングラン作品で、トークショーには主人公すず役を務めた女優のんさんと、プロデューサーの真木太郎さんが登壇しました。

映画の制作中の感想を聞かれ、のんさんは「方言が大変でした。広島弁、と一口に言っても少し古い言葉を使っていることや、自分が兵庫県出身で(場所が近いから)文字にすると同じになる単語もあるけれどアクセントが違っていたりするので、普段から広島弁を使うようにして慣らしました」と語り、「声優は難しい。演じる事だけに集中すると周りとちぐはぐになるし、リアルを追求しようとするとのっぺりして嘘っぽく聞こえてしまう。どう話せばすずさんを成立させられるのか考えながら演技したので、とても勉強になりました」と振り返りました。

真木さんは「のんちゃんの演技が素晴らしいので、すずさんが実在してもおかしくないほどの存在感があるように仕上がった」とのんさんを褒め、「この映画はクラウドファンディングという単語が日本に浸透する前に、クラウドファンディングを使って作った映画。3000人以上の方に応援してもらって完成した映画は地味な仕上がりだったが、映画館で見てくれた方々がSNSで広めてくれ多くのお客様に観ていただけることになった。業界の人たちがエンタメを作ろうとしたのではなく、『こういう映画があったほうがいい』『この映画は観たほうがいい』と発信したのがみんな一般の人なので、こんな『市民映画』というものがあるんだということを知ってほしい」と、映画について熱く語りました。

また、真木さんは原作には描かれているけれど時間の関係で本作に入れることができなかったエピソードを、約30分ほど追加した『この世界のさらにいくつもの片隅に』を製作中であることを話し、「ディレクターズカットとは違う、キャラクターそれぞれの生き方に焦点を当てて描いていくもので、今年中には公開予定です」と述べ、会場を期待で沸かせました。

最後に観客の皆さんに一言を求められ、のんさんは「(この映画は)生きる、という事に涙が溢れてくる作品。『生きていく』ということ自体がこんなに力強いものなんだと感じてほしい。また、すずさん達と『元気に生きていこう』という気持ちになってくれると嬉しい。じっくり映画をご覧ください」と話し、真木さんは「それぞれのお客さんが自分のものだと思える映画もあるんだということを知ってくれると嬉しい」と述べ、トークショーを締めくくりました。

その後本編の上映が行われ、老若男女多くの方で埋まった客席からは真剣なまなざしがスクリーンに向けられていました。
「文化庁メディア文化祭 やんばる展」と、同時開催の「やんばるアートフェスティバル2018-2019」は、1月20日(日)まで、大宜味村立旧塩屋小学校をはじめ、やんばる(沖縄本島北部地域)の各地で開催されています。

やんばるアートフェスティバル2018-2019
http://yambaru-artfes.jp/

文化庁メディア芸術祭 やんばる展
http://www.mediaarts-yambaru.com/

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