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台湾の昔の暮らしを体験した二日間「オールドライフワークショップ」レポート

2019年1月13日(日)~1月14日(月祝)にかけて、一泊二日の合宿形式で行なわれた、台湾の昔のライフスタイルを体験することができる学習型ワークショップ企画「オールドライフワークショップ」の実施レポートです。

今回は台湾東部から、陳豪毅さん(Chen Haoyi)と鄭志強さん(Alinadan Tatiyam)の2名の先生(アーティスト)を招き、彼らをプロデュースする林怡華さん(南方以南 https://thehiddensouth.tw/)も加わって、台湾の原住民のライフスタイルを二日間に渡って参加者の皆様に体験いただきました。

一日目の朝。まずは挨拶と今回のワークショップの説明を行ないます。陳豪毅(ハオイ先生)と鄭志強(アリ先生)からの自己紹介が終わると、早速ワークショップのプログラムへと入ります。

こちらは台湾の原住民が山に入る前に行なう儀式。二日間が安全に、また有意義なものになるよう皆で祈りを捧げてから、ワークショップに入ります。

今回のワークショップの舞台となるのは、メイン会場・大宜味村立旧塩屋小学校の校庭に作られたこちらのスペース。こちらは植物で作られた家の代わりとなる今回のホームです。実際に人出と日数をかければ、壁や屋根のある立派なお家も植物でつくることができるそう。

ワークショップのメイン企画は、籐(ラタン)を使って自分だけのオリジナルの籠(かご)をつくる事。そのためにはまず、材料となる籐(ラタン)をナイフを使いながら細く裂いていく作業が必要となります。いきなりの専門的な工程に参加者もとまどいをみせると思いきや・・・、

お仕事や趣味で普段から同じような植物を扱っている参加者は、あっさりとこの工程をクリア。これには先生たちもビックリです。

材料をつくる工程から、今度は籠を編んでいく工程へ。

ハオイ先生の説明とデモンストレーションを真剣に見ながら、参加者の皆さん慎重に籠を編んでいきます。原住民の籠作りはとても繊細な工夫が施されており、それだからこそ長い間使うことができる丈夫な道具を作ることができます。参加者もその繊細な工程を間違えないよう、集中して慎重に作っていきます。

一日目、日が暮れて夜になると、先生と参加者の皆さんで火を囲んで語らう時間。ここでは台湾原住民の生活の詳しいお話はもちろん、沖縄の文化や歴史の話を参加者の皆さんが先生たちに教えてあげる場面も。台湾と沖縄が本ワークショップを通じて交流し理解しあう、とても良い時間となりました。

二日目の朝、順調に工程をこなす参加者たちに負けないよう、アリ先生も追加の材料づくりを急ぎます!二日目は引き続き籠作りを行ないながら、別の企画もきっちり準備されています。

ハオイ先生による野草講座です。生えている野草が食べれるか食べれないか、どのような特徴がある植物か、実際に野草を探しながらレクチャーしていきます。先生によると、台湾と沖縄は植生も似ているそうです。

野草講座が終わると、引き続き籠作りのラストスパートです!先生による最終工程のデモンストレーションに真剣な眼差しが向けられます。

日も傾いてきて、まもなく二日間のワークショップも終了の時間ですが、自分だけのオリジナルの籠が完成するまでもう少しです!

ワークショップ終了、参加者全員での記念撮影!!今回、自分の籠(かご)が完成した人も未完成の人も、ここで得た技術を活かせば色んな小物やもっと大きなものも作ることができるはず。

ハオイ先生、アリ先生からは「今回のワークショップは沖縄、やんばるでしか出来ないものだった。他の地域ではまた違った事ができるかもしれませんが、ここでできた事、参加してくれた皆さんと一緒に得たものは、とてもスペシャルなものになりました。可能であれば来年はもう少し長い期間こちらに来て、もっと大きなモノを作ったり、もっと多くの時間を共有したい」と、早くも来年へ向けた想いも語っていただくことができました。

普段見聞きする事の少ない台湾東部の原住民のライフスタイルから、知識や技術だけでなく様々なモノを得ることができた二日間。来年もぜひご期待ください!!

陳豪毅 Chen Haoyi
現在台湾東部に住んでおり、キュレーション、工芸創作、アート教育に取り組んでいる。彼が手掛けている展覧会はアートと現実生活が交差するような、事件性的な計画や活動を創造し、彼の持論を展覧という形で試みている。近年は原住民社会と芸術に関心を持ち、原住民工芸の復興や創作に参加。近頃開催されるイベントでは、籐編みコースを合宿形式で実施し、多くの子どもたちと一緒にプランを立てながらキュレーションを教育モデルに転じようとしている。

鄭志強 Alinadan Tatiyam
台東南王生まれのプユマ族人、土地を愛し全てのものを手から創ることに拘っている。彼は部族の文化が崩壊したとしても、その壊れた貴重な破片できっとまた新しく作品を作り出すと述べている。主に籐、竹、石のライフスタイル彫刻を手掛けていて、日台交流の「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」にも参加した。自然素材の実験、石斧や石刀や火きり道具の制作も彼の特徴である。

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