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【蒼紅杯優勝】サンダージャンクションでエスパーミッドレンジが得たもの

はじめに

こんにちは、yami(@yamichase)です。この度は蒼紅ちか(@aobeni_chika)さん主催のMTGA大会、蒼紅杯~サンダージャンクションの無法者カップ~で優勝という成績を収めることが出来ました。強豪揃いの蒼紅杯で優勝タイトルを獲得できたのはとても嬉しい!

決勝では「ブルナーさん&Nageさん」タッグに実況・解説して頂き、

豪華すぎる商品の数々

すーさん(@ace13jp)には優勝記念イラストを描いて頂きました。
蒼紅杯、毎度のことながらなんてすごい大会なんだ・・・

オーバーソウル・ネイサン

せっかくなのでnoteを書こうかな~と思っていたのですが、あれよあれよと時が経ち現在プロツアー開催前夜、デッキリストが公開される前に記事を投稿したいなと思い、爆速で書いているところです。

本題の蒼紅杯ですが、参加に向けていくつかデッキ候補はあったもののどれもしっくり来ず…新セット特有の目新しさはないものの、明確な強化パーツを獲得したエスパーミッドレンジを選択することにしました。

蒼紅杯使用エスパー

本記事ではエスパーミッドレンジが『サンダージャンクションの無法者』で得たものについて語りたいと思います。色々書きたいこと書いてたらカードゲームオタクっぽい記事になっちゃった。

『サンダージャンクション』でエスパーミッドレンジが得たもの

・白黒ファストランド(秘密の中庭)の追加

「白黒ファストランドの追加で土地基盤が強化」→「だからエスパーミッドレンジが強化された」だけではつまらないので、白黒ファストランドの追加でエスパーミッドレンジの土地基盤がどのように強化されたのか少し掘り下げてみます。

中庭と言うには手入れが杜撰すぎない?

エスパーミッドレンジの土地周りでよく見られるのが青白ミシュラランド(クリーチャー化土地)の採用。
全10種ある2色ミシュラランドサイクルの中で個人的に最も評価が高く、強力な土地を採用できるのも青白絡みのカラーを選ぶ利点となっています。

土地が飛んでアドバンテージを稼ぎます

従来のエスパーミッドレンジは上記の青白ミシュラランドを3~4枚、青黒/青白ファストランド(3枚目までアンタップイン土地)を計6~8枚採用している構築が多かったのですが、1t目に青白ミシュラタップイン→2t目に青白ファストと動くと《喝破(青白)》は構えられるが《喉首狙い(黒1)》は構えられないといったパターンが発生するため、ファストランド採用の優先順位としては青黒ファスト>青白ファストとなっていました。

貴重な序盤のアンタップインランド

ここに白黒ファストが加わるとどうなるか。1t目に青白ミシュラタップイン→2t目に白黒or青黒ファストアンタップインと動くことで白青黒の3色が揃い、2t目にデッキ内の全ての2マナスペルを唱えることが出来るようになります。この通称ハッピーセットが各段に揃い易くなりました。

また、黒マナを最序盤に捻出する場合、従来のマナベースではスロウランドやペインランドを置くパターンが多く、スロウランドの場合はタップイン、ペインランドからは1点のダメージを受けることを強いられていました。

どの土地も一長一短ある

黒絡みのスペルは《切り崩し》や《喉首狙い》といった除去呪文であることが多く、アグロ系統と対面した場合はタップインによるテンポロスや土地からのダメージは致命的になりやすいです。

テンポよく撃っていきたい(ところでテンポって何)

黒絡みファストランドの増量によりこのような土地周りのストレスが大幅に軽減されました。
3色デッキは序盤のテンポロスが課題と言われていたのも昔の話。

最序盤の攻防が重要な現スタンダード環境においてこのアップデートの影響は小さくないでしょう。

・《精神の決闘者》の追加

今回優勝したリストではメインに4枚採用したこのカード、巷での評価はまちまちのように感じます。

世界王者パワー!

・壁としての性能は高いが打点が低い。他のカードを優先した方が良い。
・ラフィーンの横に並ばないと大して強くない。

上記のような評価も間違いではないと思いますが、打点の低さを理由にこのカードの評価を下げてしまうのは少し勿体ないなと感じました。というわけでこのカードが現スタンダード環境でどのような立ち位置にいるかを考えてみました。

ここで一旦、前環境の覇権デッキ「ディミーアミッドレンジ」のことを思い出してみます。
「ボロス召集」や「ティムールランプ」といった速度感の異なるアーキタイプが乱立している環境ではエスパーミッドレンジの白要素(婚礼の発表、忠義の徳目)があまり強くなく、青黒2色にまとめてキビキビ動く構成に利がありました。

同じゲームレンジで戦う際に強いカード

3年ローテの影響もあり、2色に纏めても3色デッキと遜色無いクオリティの高いカードが勢揃い。

黒いデッキの3マナ域大体これじゃない?

1マナ:セイレーン→2マナ:コウモリ→3マナ:ギックスのブン回り黄金ムーブを搭載しており、打消しによる妨害も兼ね備えた、王者の風格漂う構成です。

2体攻撃が通って2枚ドロー、、、負けで良いです

ここで《精神の決闘者》の話に戻ります。

タフネス3、飛行・警戒のボディがセイレーンやコウモリの攻撃をがっちり受けとめ、ギックスの能力誘発を許しません。これはタフネス1の《フェアリーの黒幕》や《大洞窟のコウモリ》には出来ない役割ですね。環境上位のデッキであるディミーアミッドレンジのやりたい動きに対して強く出ることが出来る点が《精神の決闘者》の立ち位置を上げる一要素になると考えられます。

世界チャンプブロックとかいうパワーワード

個人的な主観ですが《精神の決闘者》の加入でエスパー対ディミーアのミッドレンジ対決はエスパーに軍配が上がるのではないかと考えています。
また、《精神の決闘者》はラフィーンとの相性は良いものの、ギックスとはドロー誘発のタイミングが合わず、ややちぐはぐな印象を受けます。ディミーアで採用するには既存の構築からもう1アップデート必要そうです。
《精神の決闘者》を上手く使える点においても個人的にはエスパーの方が優れていると感じます(*1)。

*1. ディミーアカラーでは《プロフトの精神記憶》を採用したデッキタイプでの活躍が見込まれます。

飛行・警戒をデカくするとゲームに勝ちます

・優秀なサイドカード(害獣駆除、安らかなる眠り)の追加

『サンダージャンクションの無法者』ビッグスコアにてエスパーミッドレンジは優秀なサイドカードを2種獲得しました。

1枚目は《害獣駆除》。ほぼ対ボロス招集専用のサイドカードですが、適切なタイミングでキャストできればそれだけでゲームを決めかねない強烈なメタカードです。

僕の考えた最強のボロ召メタカード

従来の「対ボロス召集」枠としては《一時的封鎖》や《危難の道》が良く採用されていました。この2種も対策カードとして十分効果的だったのですが、自身のクリーチャーも被害を免れないのが難点であり、特に《大洞窟のコウモリ》との相性は最悪。個人的にあまり好きになれない構成でした。

なんだかんだで自分のデッキも軽いクリーチャー多い

《害獣駆除》であれば自身の被害はほぼ皆無であり、相手の盤面だけ更地にした後、魂絆持ちクリーチャーで悠々とライフを回復する動きが可能になりました。ボロス召集に対してこれ以上ないほど明快な対策カードと言えるでしょう。

2枚目は《安らかなる眠り》。最強クラスの墓地対策カードであり、主なターゲットはティムールランプなどの墓地利用系コンボデッキです。

再録多数でいろんなイラストがあるね

特に環境トップのティムールランプに対して劇的な対策カードであり、《記憶の氾濫》によるリソース補給を防いだり、《事件現場の分析者》をただのバニラクリーチャーに変えてしまいます。

バニラになっても1/3ボディが偉かったりする

《安らかなる眠り》の存在によりティムールランプ側もサイド後は墓地利用に依存しない別戦略を取らざるを得ず、ミッドレンジ側の土俵に持ち込むことが出来ます。実際に蒼紅杯でもティムールランプには2回当たっており、2回とも勝つことが出来ています。

上記2種はどちらも白絡みのカードですが、これらの優秀なサイドカードにより他デッキとの相性差を改善可能な点もまた、現環境でエスパーミッドレンジが優れる要因の一つと言えるでしょう。

・今後の環境変化について

上述のようにエスパーミッドレンジが『サンダージャンクションの無法者』で得たアップデート点は非常に多く、いよいよ万能感が極まってきました。実際にプロツアーのメタゲームブレイクダウンを確認してみてもエスパーのシェアは驚異の31.4%

3歩歩けばエスパーに当たる世界

最強のマナ基盤を有し、12セット(3年ローテ分)から選りすぐりのパワーカードを叩きつける姿は王者の貫禄。

とはいえティムールランプの存在で押さえつけられていた版図ランプに対しては厳しい戦いを強いられるため、この辺りはメタゲーム次第と言えるでしょう。

魂の洞窟から《アトラクサ》キャスト、負けで良いです、、、

また、ミッドレンジ同型で強い《婚礼の発表》ですが、エスパーミッドレンジミラーが多発するのであれば婚礼型が強いのでしょうか?

本記事二度目の婚礼の発表。重婚です。

個人的にはあまりそのようには感じていません。エスパーミッドレンジの主戦場は空に移行しているのではないかと考えてるからです。1/1の人間がいくら横に並んだところで《精神の決闘者》が空からぺちぺち殴ってくるのを防ぐことはできません。

「飛行で殴るのが強いぜ!」とか「リミテッドかよ」と思ってしまいますし、そこまで単純ではないのかもしれませんが一つの予想ということで。世界のスペシャリストたちがプロツアーの舞台にどのようなリストを持ち込むのか楽しみですね。

終わりに

本記事は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。エスパーミッドレンジはカードの選択肢が多い分、何を何枚採用するかの採択が難しく、その時の流行りやプレイヤーによってリストが変わってくる面白さがあると感じています。次のローテションまで残りあとわずかですが、しっくり来る気に入った構築を見つけていきたいですね。

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