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動きのデザイン ver.1.0

どうも、クリエイターのやまかずです。

動きのデザインについて、なぜ必要なのか、そしてどうやるのかについて話します。この記事は初の随時更新システムにしたいと思います。これからも更新してくので、よろしくお願いします。


動きのデザインの大切さ

技術ではなく、コンセプトが重要。

まず前提としてこれを話します。コンピューターメディアが登場して何年も経ちますが、紙と同様に扱われてないと思います。紙というものは「古いメディア」として捉えられています。なので、紙に何か手を加えるという行為自体は別に新しくもなんともありません。でもデジタルだとどうでしょうか。例えば、WebCamを使った新しい映像・VR映像・WebGLっていうだけですげぇ!って思う人ってその分野にいる人以外は結構いると思います。なのでそれに甘えてしまい、「技術すごいでしょ」というアピールをする作品ができてしまいがちです。でも本当は、技術はあくまで手段であって、アイデアがすごい!ってならないといけないと思います。なぜなら、アイデアが凄くないものは時間が経つと、作品の評価は廃れるからです。

技術は時間が経てばみんなできるように広まっていきます。なので、なんでも作れるっていうこの世の中で、何を作るのかっていうアイデア・方向性・コンセプトが重要なんです。


動きのデザインの大切さ

「アイデア > 技術」なんですけど、現代ではコンピューターメディアを使って何か作っていくことで新しいものが生まれやすいです。紙よりはまだ登場してから時間が経ってないので、まだ可能性があるかもしれないんです。ジャイロセンサーや、カメラ、webgl、VRなどあらゆる情報が取得・利用できるようになりました。その中でも一番重要なのは、ディスプレイがあるということです。ディスプレイは、情報が動く紙なんです。つまり、紙と大きな違いは、「動きがある」ってことなんですよね。そうなってくると、何かアイデアが出来ても、コンピューターメディアで表現をしていく上で、動きのデザインというのが重要になってきます。


良い動きとは?

realism・overstate

では、良い動きとはなんでしょうか。

例えば、動きには2つの表現の種類があります。それは、「realism(現実を正確に描写すること)」と「overstate(誇張表現。つまり、現実以上・または仮想的に何か追加すること)」の2つです。どちらも解像度の高い、複雑な動きの表現です。

「realism」。これは例えば、平成19年度(第11回)文化庁メディア芸術祭に展示された、佐藤 雅彦+ユーフラテス作の三宅一生新ブランド「A-POC INSIDE」プロモーションビデオです。この映像は人間の動きのポイントを取得し、その動きだけで、人や他の動物であることや、女か男かがわかります。現実に存在する複雑性が良さを感じさせるんでしょうか。

「overstate」。これは例えば、ディズニーやスタジオジブリなどのアニメ映画に見られます。ある動きに対して、それ以上に動かすことでよりそれっぽい動き、気持ち良い動きに感じます。


ramdom + random +...

デジタルアートの分野の人から、ランダムに動く値を何個も掛け合わせて本当に読み取ることができない動きを作るということをよく聞きます。

下記の映像は僕の作品なんですが、パーリンノイズというノイズと、Math.fランダムというノイズを組み合わせて複雑な動きを作っています。プロの人だと、sinやcosを何個も組み合わせて作ってる人も見たことあります。このように、ランダムな動きをさらに組み合わせることで予測のつかない動きができます。その複雑さが面白いのかも..?(複雑って良さそう。)

多分こういうのとかでも使われてそう。(大学の先生の作品を貼りまくる。)


smooth / no smooth

ics mediaの池田 泰延さんがAdobe Max 2018で言われてた話なんですが、調べても出てこなかったので、このビデオアーカイブからスクリーンショットを引用します。(引用元:Adobe MAX Japan 2018 イマドキのUIデザインには欠かせない! マイクロインタラクションを作るためのズルいCC活用テクニック |  池田 泰延 氏 / ICS

ディズニーの伝説的アニメーターのグレン・キーン氏は、「突然の変化は現実の世界には存在しません!」と話されているようです。iPhoneや、最近のwebサイトはそうですが、ページ変化する際、パッと切り替わらず、滑らかに画面が遷移してます。こっちの方が違和感がないとのことですが、確かにiPhoneのUIとか、滑らかな動きはすごく分かりやすいし、自然ですね。大学の授業でかなり前に、「美しさは違和感をなくすことで生まれる。」と教わりました。つまり、違和感をなくした自然な動きは、美しい動きなのかも。

スムーズに動く映像としてはこういうのがありますね。なんかいいなって思って自分のお気に入り映像アーカイブに入れてたんですけど、よく見たら切り替わりが全て滑らかなんですね。そういうのが理由かも。

逆に、スムーズじゃない動きの良さもあります。ぱっぱっぱっとグラフィックが切り替わる映像形式ですね。これは先ほどの滑らかなものと比べると、クールな印象が増している感じがします。個人的にはこちらのが好きですね。別に滑らかじゃなくてもいいじゃんって思います。これはどっちを選ぶべきなんでしょうか..。(よかったらコメントください!)

この原宿感好き。


wave

波のある動きには何か良さを感じます。なぜでしょうか。原始時代から水を飲まないと生きれない人間は水という存在に美を見出しているんでしょうか。それとも予測できない複雑性の塊だから、裏切りの連続で面白いからでしょうか..。僕はこのwaveという動きが一番好きです。

21_21で、AudioArchitecture展にあった作品の1つ「オンガクミミズ」が好きすぎなんです。展示で売ってた本買って、AEで真似したりしてました。


以上です。これらの良い動きをどれを優先して、どれを消すのか、その構成によって自分のアイデアをよりよく表現しましょう。
最後の種類の部分がこれからどんどん増やしていくと思います。それでは!

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