見出し画像

デザインにありとあらゆる学問が必要な理由。

どうも、やまかず です。

大学の授業で過去に「デザインはあらゆる学問と繋がっている。エンジニアリング・人間環境科学・ファイナンス・などなどと..。」というような話を聞いて、僕は「???」という感じでした。僕の認識では、デザインは問題解決か、装飾的に良くすることのどちらかであって、他の知識が必要だとは思えませんでした。でもある本を読んでると、必要な理由ってこれじゃね..っていう仮説を思いつきました。今回は、その仮説について解説したいと思います。let's go!

(この気づきを得たのはこの書籍からです。この書籍から学んだことが何度か登場します。 これマジで分かりやすくて面白いです。著者天才!)


そもそも、デザインとは?

まず本題を説明する前に色々話さないといけない前提知識があります。
まず、デザインの定義を振り返ってみましょう。デザインの始まりは、「視点を提供すること」であり、美的センスは関係ありません。「新しい視点を提供すること」「新しい課題を発見すること」がデザインなんです。おいおい、はぁ?ですよね。実は、海外でデザインはこのような意味なのですが、日本においてはスタイリング(どのような装飾を付け加えるか)という意味がデザインの意味に含まれてしまっています。でも本当の意味は、課題発見・視点提供・問題解決らしいです。

例えば、「どこか遠くに多くの物を運びたい。」問題に対して、「皮で肩に背負える袋を作る。」という解決策を提案する。ここまでがデザインであって、それ以降のスタイリングはデザインではありません。これ結構この本読でて衝撃だったんですよね..。ぼんやり知ってたんですけど、ここまで分かりやすく理解したのは初めてで、ズカーーンって心を撃ち抜かれる感じでしたね。まぁでも日本では装飾って意味入ってますけどね。


デザイン思考・スペキュラティブデザイン・意味のイノベーション..

デザインがどういうものか分かったでしょうか? では次に移りたいと思います。次は、近年よく言われる言葉を整理します。

企業は、イノベーション(0→1)をやらなければなりません。そのために「デザイン思考」を学んでいますが、近年、「スペキュラティブデザイン」だったり、「意味のイノベーション」という言葉も登場してきました。おいおいなんやそれって感じの人もいると思います。僕も最近まで知らなかったんです。これらの言葉については、本だと超分かりやすく書かれてるんですけど、これをさらに凝縮して、数行でまとめたいと思います。

超簡単にいうと、デザイン思考は既存の製品の改善のツールであって、1→10をするものです。なので0→1ではないんです。0→1を生むために必要なのが「意味のイノベーション」「スペキュラティブデザイン」「見立てる力」です。つまり、デザインの課題発見部分が「意味のイノベーション」「スペキュラティブデザイン」「見立てる力」であって、課題解決部分がデザイン思考っていう感じですね。

(合ってるかな..すげえ不安..)(間違ってたら指摘してください。 ほんとに。)


デザインにあらゆる学問が必要な理由

以上のことが前提知識です。いよいよですねー。ようやく本題です。

先ほど話した0→1の部分なんですが、ここに必要な力が斬新な課題発見ができるかどうかなんですよね。みーんなが思いつく課題を発見してもそれはみんな知ってるからすでに解決されてるはずです。では、まだ全く見えない場所にたどり着くためにはどうしたらいんでしょうか? 

マジで簡単に言いますと、「あらゆる学問を学ぶことが大切」みたいなんですよね。

はい出ました。なぜかというと、たくさん学んでいくと頭の中であらゆる分野の知識が似ているように見えてきて、ある一つの分野でずーっと悩んでても出てこない解決策が異分野から出てくることがあるそうです。もうちょっと具体的に説明しますね。本書で出てきた例がすごく分かりやすかったので出してみます。

iPhoneが生まれた経緯。これはもはやあまりにも有名なエピソードになってしまっているが、スマホはガラケーの延長として誕生したものではなく、ノートPCを小さくするという発想から生まれている。「携帯電話を革新したい」というビジョンを持ったチームに、ノートP Cの専門家を投入することで、ハードディスクというPCの領域では当たり前に使われていた技術が、携帯電話チームの人に取ってみれば、今までに聞いたこともなかった携帯電話用のOSに「見えてきてしまった 」のである。言葉を換えれば、携帯電話の未来の延長線と、ノート P Cの未来の延長線の交点にアイデアを見出したのだ 。同じ専門性を持った組織を、ひとつの大きな 「個人 」としてとらえるとすると、まさに「個人の見立てる力 」によってつくられたデバイスと言えるだろう。
(『デザイン思考の先を行くもの』 著者:各務太郎 より)

つまり、ノートPCの専門家と、携帯電話の専門家の知識の集合部分に存在していたのが、iPhoneという仮説・解決策だったんですよね。

だからいっぱい学べ。って感じです。

こう考えたら、今僕は6年前に新しくできた多摩美の統合デザイン学科ってところにいるんですけど、この学科は、あらゆるデザイン分野のことを全部学んで新しい発想しようぜ!って感じ学科なんですよね。これすごくないですか?この学科を立てた人はこういう最新の海外の動向を知って、この学科立てたんでしょうか?なんにしてもすごいです。

そういえば、最近、武蔵野美術大学にもクリエイティブイノベーション学科っていうクールな学科ができたんですけど、これもいろんな知識を学んで、新しい課題発見しようぜって感じなんですよね。

なんにしても、今の時代は、一つの分野だけじゃなく、いっぱい学ぼうって感じなんですね。なるほどー。以上です。お疲れ様です。おやすみなさい。



やまかず のtwitter
ポートフォリオ(yamakaz.work)   


この記事が参加している募集

コンテンツ会議

サポートいただけると喜びます。本を読むのが好きなので、いただいたものはそこに使わせていただきます